ガイアストーリー 第一部 勇者たちの冒険 9ページ

″バシュンッ!!″

「うわっ!」

「きゃっ!」

いきなり目の前から光が弾け

だし、体ごと吸い寄せられる感

覚が全員を襲う!

必死にあらがおうとするが、

それも空しく、意識は徐々に薄

れていき、やがて暗闇がすべて

を包みこんだ。

~~~~~~~~~~~~~~

友崎 凱は、小鳥のさえずり

で目を覚ました。

目覚めは最悪だった。

冬のわりに、寒さはそれほど

でもなかったが、そんなに飲ん

だ記憶はないのに、頭はボーっ

としてるし、体中が痛い。

しばらくは、まともに歩くこと

さえできそうもない。

やはり合コンなんかに参加す

るべきではなかったのだ。

尊敬し、信頼している涼の頼

みとはいえ、きっぱりと断るべ

きだった。

凱は、そこでようやく自分た

ちの置かれてる状況に気付いた。

(外だと?)

自分たちは、カラオケで合コン

してたはずだ。

それが今は、広大な森の入り

口に寝かしつけられていた。

目の前には、石畳の街道が左

右にのびている。

長い間、整備されていないの

か、ボロボロに朽ち果てている

うえ、あちこちにクレーター状

のへこみがいくつも見受けられ

た。

間違いなく、東京ではないだろ

う。

凱は、記憶をもう一度たどっ

てみる。

【池袋のカラオケで合コンして

いて、加賀が一人で、やたら騒

いでいた】

ここまでは、はっきりと思い

出せる。

【そして葵がゲームをやるから

と、みんなで輪になるようにも

っていった】

ここまでも何も問題ない。

問題はここからだ。

【目の前の空間が歪んだように

みえたと思ったら、突然、目の

前から光が弾けだし、体が吸い

寄せられるような感じがして・

・・】

そこからの記憶がまったくな

い。

おそらく、意識を失ったのだ

ろう。

元いた場所と、今いる場所の

状況からみて、信じがたいが、

何らかの事象に巻き込まれ、ど

こか遠くの場所に飛ばされてし

まったのかもしれない。

もしかしたら、街道のクレー

ターは、自分たちの落下跡なの

だろうか?いや、そんな衝撃を

受けたら体が痛いで済むはずが

ない。

(さて、どうしたものか?)

みんな、まだ意識を失ったま

まだ。

その時、森の方から足音が聞

こえ、凱は振り返った。

「目は覚めたか?あまり時間が

ない、みんなを起こしてくれな

いか?」

森から涼が、手に小さな水筒

らしきものを、いくつも持ち、

歩いてきていた。

背中には、いつも持ち歩いて

いるリュックが背負われている。

おそらく、その中に入っていた

のだろう。

「時間がないってどういう事で

すか?それに、ここは?」

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