ガイアストーリー 第一部 勇者たちの冒険 7ページ

さっきまで、葵の前でガチガ

チに緊張していたレオを思い出

し、心の中で謝ると、優は諦め

て話を戻した。

「でもどうしよう、もどっても

あれじゃ・・・」

「そうね、加賀もそろそろ限界

だろうし・・・嫌な思い出ある

から、あまり気は進まないけど、

あれやるしかないかな」

「なになに?葵ちゃん、なんか、

いい方法知ってるのー?」 

「合コンの定番だけどね!まあ、

何とかなるでしょ!そのかわり、

優も協力してよね!」

「もちろん♪」 

~~~~~~~~~~~~~~

一方、加賀 裕也は、今日一

回も笑っていない手強い女性二

人を相手に苦闘を続けていたの

だが、思わぬところから邪魔が

はいった。

自分の身を削る天パーをネタ

にしたギャグは、読書してるは

ずの凱の、「つまらんな」の一言

に一蹴されてしまったのだ。

友崎 凱、今日一番の問題児

といっても過言ではないだろう。

悪い人ではない。

沈着冷静で頭も良く、仕事場

では頼れる存在だ。

容姿も整っており、目元を隠

すぐらいに伸ばした髪を銀色に

染めていて、ミステリアスな雰

囲気をかもしだしている。

女の子も望まずとも寄ってく

るタイプだ。

だが、こういう場にはいてほ

しくない人物であるのは間違い

ない。

普段から無愛想だが、今は、

それに加えて不機嫌そうだ。

おそらく涼に頼まれて断れず、

仕方なく参加したのだろう。

ずっと本を読んでるだけだと

思っていたら、耳だけは、こち

らを向いていたらしい。

(器用な人だ)

そんな凱の隣では、レオがーー

おそらく葵に見せるためだろう

ーー自慢の筋肉を強調するポー

ズの練習をしていたりする。

涼は、紫音の前で幸せそうに

微笑んでいる。

裕也は、全身の力が抜けてい

くのを感じた。

(もういいや)

ついに、裕也の心は折れた。

プライドも責任も、もうどう

でもよかった。

こんな状況では普通の女の子

さえ笑わす自信がない。

裕也は二人を笑わす事を諦め、

半ばやけくそ気味に、最近気に

なってる話題を口にした。

「そういえば最近、獣人だの悪

魔だのが現れて人を襲ってるっ

て噂ホントかな?本当だったら

やばいよね?」

「そうですね、この世界に、何

かが起こりつつあるのかもしれ

ませんね」

話に乗ってきたのは、意外に

も神楽坂 沙織だった。

「がっはっはー!悪魔だか豚男

か知らんが、出てきたら俺が蹴

散らしてくれる!」

レオが笑いながら新しいポー

ズをとる。

(まったくこの人は・・・)

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