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「説明すること」と「否定しないこと」

先日、長年コンプレックスを抱えていた歯並びを矯正するために歯医者さんに行ってきました。

小さいころから歯医者さんは嫌いで、「何をされるんだろう」「何を言われるんだろう」と緊張しながらいったら、最初の説明で緊張はほぐされました。

スライドを見せながら、いくつかの症例と、今後の治療方針を教えてくださり、なんとなく自分でイメージができたこと、自分だけじゃないと、とても安心しました。 

また、病院で行く前から不安だった、「歯並び」についてダメ出しをされるかと思っていましたが、現状をありのままに伝えるのみで、良くも悪くも言わない表現に安心しました。

「治療の内容をわかりやすく説明する」、「患者さんの体の状態を否定しない」ことがいかに患者さんの不安を和らげるのか、                 逆にいうと「説明しないこと」、「患者さんの体へのダメ出し」がいかに患者さんを不安な思いにさせるのかを改めて実感しました。 

自身の臨床は?

私は臨床3年目になり、「同じ疾患の患者さんは同じような症状を呈する」ことをよく実感できるようになりました。

股関節OAに対するTHA術後の患者さんからは「太ももの前の方が痛いんです。」と言われ、「よくある痛みですよ。」と、安心しただろうと説明した気になって返していました。

けど、また次の日に不安そうに「太ももの前の方が痛いんです。」と言われて、昨日も同じこと言ったのにな〜と思っていました。

「よくある痛みですよ。」の一言は本当に患者さんを安心させていたのだろうか。 

医療従事者にとっては何回も見ている症状でも、患者さんにとっては人生で初めてで、他の人がどのような感じかもわからないし、この症状が良くなるのかもわからない。

患者さんが安心する答えって、「よくある痛みですよ。」ではなくて「どういった治療をして、どのような経過で進んで、この痛みはどのくらい続くのか」を丁寧に説明することなのかなと思いました。 

患者さんの訴えをよく聞いて、説明をする。

患者さんに安心してもらうには患者さんの不安を受け止め、丁寧な説明が大事だなと思いました。

そして、そもそも病院って、緊張する場所だし、行きたくない場所で、少しでも不安を和らげるように接すること。

安心して治療に来ていただけるように、「声のトーン、話す内容、わかりやすさ」に気をつけていきたいです。



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