綾瀬はるか、石原さとみ、深田恭子の背後にいるホリプロのマネジメントチーム
新垣結衣さんがドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS、2016年)で大旋風を起こした頃、各種人気ランキングでは必ずと言って良いほどガッキーと並んで綾瀬はるか、石原さとみ、深田恭子の通称「ホリプロ三人娘」が上位にランクされていました。長澤まさみや北川景子は大物ではあるが今ほど人気が無く、もしガッキーがいなければホリプロ勢が上位を独占するような状況でした。
その頃、「なぜ同性からは猛反発?石原さとみに”好き&嫌い”賛否分かれる深層」(『デイリーニュースオンライン』2017.01.30 19:00)という記事の以下の記述をたまたま目にしました。
それを見て、私は「綾瀬はるかと石原さとみ、深田恭子は同じマネジメントチームが担当しているのか」と驚きました。
その後、「山Pとは完全破局か? 石原さとみ「恋愛より仕事」で快進撃」(『日刊ゲンダイDIGITAL』2018/02/24 06:00)という記事にドラマ『アンナチュラル』が大好評だった頃の石原さとみの仕事ぶりについて以下のように書かれているのを目にしました。
この「石原さとみが綾瀬はるかや深田恭子を担当するベテランマネージャーの傘下に入った」という情報は当時、他の複数のネットメディアにも載っていました。
その頃、私はあくまでも裏方の名前を知る為の参考資料として綾瀬はるか、石原さとみ、深田恭子の当時の最新の写真集を入手しました(タレントの写真集には一部の例外を除き奥付にマネージャーの名前がクレジットされています)。
まず、2017年に発売された綾瀬はるかと深田恭子の写真集には双方とも「アーティストプロデューサー」として「藤井基晴」、「アーティストマネージャー」として「角谷亜紀」という名前がクレジットされていました。
つまり、先程『日刊ゲンダイDIGITAL』の記事で出てきた綾瀬はるかと深田恭子を担当するベテランマネージャーとは藤井基晴氏で間違いありません。
それに対して、2017年に発売されて大ヒットとなった石原さとみの写真集『encourage』(宝島社)を見ると、「エグゼクティヴアーティストプロデューサー」として「ATSUSHI SUGAI」、「アーティストマネジメント」として「TAKASHI SATO」「AKIRA UCHIDA」という名前がクレジットされていました。
この「エグゼクティヴアーティストプロデューサー」の「ATSUSHI SUGAI」という人物は漢字では「菅井敦」と表記し、当時、ホリプロの常務取締役で俳優・女優部門を統括する「マネージメント第一事業部」(現・マネージメント第一事業本部)の最高責任者でした。
菅井敦氏は1961年生まれでホリプロ入社が1984年ですが、この人については、石原さとみが「タレントスカウトキャラバン」で合格した翌年のデビュー直前の2ちゃんねるのスレッドで以下のことが書かれていました。
蛇足ですが、ホリプロには「マネージメント第二事業本部」という部署があり、こちらは和田アキ子など、主にバラエティタレントを統括する部署です。ここの最高責任者は2017年当時も現在も西尾聖・取締役で、この人は和田アキ子の元マネージャーです。2019年のNGT48の一連の騒動で名前が挙げられて一部で悪名の高い人物です。
つまり、『日刊ゲンダイ』などが書いている「綾瀬はるかや深田恭子を担当するベテランマネージャーが石原さとみも担当するようになった」というのは間違った情報で、実際は石原さとみは綾瀬はるかや深田恭子とは別のマネージャー、正確に言えば菅井敦氏率いるマネジメントチームが担当していたということです。
菅井敦氏はデビュー作『わたしのグランパ』(2003年)から最新作『ミッシング』(2024年)まで、石原さとみの主演・出演映画の幾つかにプロデューサー・製作として名を連ねています。
2005年にTBSで制作された山口百恵の『赤いシリーズ』のリメイクである『赤いシリーズ2005』三部作のプロデューサーを菅井敦氏が務め、石原さとみ、綾瀬はるか、深田恭子がそれぞれ主演しているのですが、「ホリプロ三姉妹」の「結成」はこの時に遡るようです。
ホリプロ社長(当時)の堀義貴氏はツイッターアカウントを見ていると演劇・舞台のことばかりツイートしていますので、堀義貴氏の主な関心事はミュージカルなどホリプロが制作する舞台で、テレビドラマ・映画に出演する俳優・女優に関しては菅井敦氏らに全権を委任していたものと思われます。
そして、堀義貴氏が社長に就任して以降のホリプロは綾瀬はるか、石原さとみ、深田恭子の3人や妻夫木聡、藤原竜也、松山ケンイチら人気俳優・女優のもたらす稼ぎが一番大きいので、今のホリプロを実質的に動かしているのは菅井敦氏らではないかと私は思うようになりました。
その後、2019年に発売された石原さとみの写真集『courage』(宝島社)を入手して念のために奥付を確認したところ、「アーティストマネジメント」の項目に「SHINTARO NAKAHIRA」「YURINA TAKAHASHI」と書かれていました。菅井敦氏の名前は消えていましたが、藤井基晴氏の名前もなく、やはり藤井基晴氏が石原さとみも担当するようになったという説は間違いだと思われます。
石原さとみが結婚をした当時、「石原さとみ 結婚相手は「年収2000万円はあるエリート」」(『女性セブン』2020.10.09 16:00)という記事に以下の文面が掲載されました。
ここに書かれている石原さとみの「芸能界の育ての親」は菅井敦氏で間違いありません。
深田恭子がシーラテクノロジーズ代表取締役会長の杉本宏之氏と交際をしていた頃、「「私、もうダメ…」深田恭子(38)と2人の男 5月中旬、深夜帰宅した彼女は床に倒れこんだ」(『週刊文春』2021/06/02)という記事に以下の文面が掲載されました。「F氏」とイニシャルになっていますが、藤井基晴氏の手腕について詳細に書かれています。
非常に興味深い内容ですが、『週刊文春』も藤井基晴氏が石原さとみを手掛けていると誤解しているようですね。
同じ頃、「休養の深田恭子 事務所の後輩・綾瀬はるかとの「葛藤の20年」」(『女性セブン』2021.06.03 07:00)という記事に以下の文面が掲載されました。
ホリプロの内情に詳しい『女性セブン』だけに、ここら辺の人間関係は正確に書かれています。
そして、2022年6月15日、ホリプロの株主総会が行われ、菅井敦氏が代表取締役社長に就任し、藤井基晴氏が執行役員(マネージメント第一事業本部長)に昇格しました。堀義貴氏はホリプロ・グループ・ホールディングスという持株会社の代表取締役社長CEOに就任しました。
『学生新聞』というメディアに「「文化をプロモートする」基礎はマネジメント力にあり。」(2023.11.08)と題された菅井敦氏のインタビュー記事が載っています。
先程、石原さとみがデビューした時に2ちゃんねるに「石原さとみって売れるの?」「次男義貴と山一證券の内定を蹴って入社したデブ菅井敦にとっては売れてもらわなければ困る。」という書き込みがなされているのを紹介しましたが、山一證券から内定をもらっていたのは事実だったのですね。
先程、「ホリプロ社長(当時)の堀義貴氏はツイッターアカウントを見ていると演劇・舞台のことばかりツイートしていますので、堀義貴氏の主な関心事はミュージカルなどホリプロが制作する舞台で、テレビドラマ・映画に出演する俳優・女優に関しては菅井敦氏らに全権を委任していたものと思われます。そして、堀義貴氏が社長に就任して以降のホリプロは綾瀬はるか、石原さとみ、深田恭子の3人や妻夫木聡、藤原竜也、松山ケンイチら人気俳優・女優のもたらす稼ぎが一番大きいので、今のホリプロを実質的に動かしているのは菅井敦氏らではないかと私は思うようになりました。」と書きましたが、上記のコメントを見る限り、この読みは正しかったようですね。
あと、上記のホリプロの役員一覧にマネージメント第一事業本部関係では菅井敦氏と藤井基晴氏の間に津嶋敬介氏(取締役・マネージメント第一事業本部、映像事業本部、公演事業本部管掌)という役員がいますが、この人はマスコミに割と多く露出しており、グーグル検索で発見した中では以下のインタビュー記事が興味深いので一部を引用致します。
「株式会社ホリプロ・津嶋敬介氏が語る これからの芸能プロダクション業界の「働き方と求められる人材像」」(『エンタメ人』、2020年12月18日)
冒頭に紹介した記事で綾瀬はるか、石原さとみ、深田恭子は「必要以上に“神格化”した売り方をされている。テレビや雑誌などを見ても、彼女らは女子力が高く透明感がある……といった取り扱いをされて」と書かれていましたが、ホリプロは超演技派の女優(例えば満島ひかりや安藤サクラのような)を育てる力よりも綿密なマーケティングに基づいて女優のイメージ戦略を練る力、ブランドを構築する力、マスコミを操縦する力、大企業のCMを取ってくる力の方が優れていると思います。とにかく、所属タレントを大物に見せる「力」が他の芸能事務所と比べると桁違いなのです。それは全盛期のジャニーズ事務所に比肩するレベルだと私は思います。
このことはガッキーのファンをやっていると痛感します。ガッキーがレプロという曰く付きの芸能事務所に配属されて社長の無能ぶりに散々振り回されながら苦心して自力で今日のポジションを築いただけに、尚更そう感じます。
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