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吉本興業の実力者・羽根田みやび氏

吉本興業に羽根田みやびという役員がいます。現在の主な役職は「吉本興業ホールディングス株式会社執行役員」と「吉本興業株式会社取締役」です。

羽根田みやび氏(2019年7月22日の岡本昭彦・吉本興業社長記者会見で司会進行を務めた)
2023年6月29日現在の吉本興業ホールディングス株式会社の役員一覧
現在の吉本興業株式会社の役員一覧

羽根田みやび氏は形式上は吉本興業ホールディングスの執行役員及び吉本興業の取締役に過ぎませんが、社内では岡本昭彦社長に次ぐ実力者とされているのです。以下、その例を幾つか挙げます。

元木昌彦「芸人を「消耗品」と見下す吉本興業のブラックさ 松本人志よ、このままでいいのか」(『PRESIDENT Online』2019/08/19 19:00)

「岡本社長は大崎会長の指示を守ることだけで上り詰めた人物です。また、あの時、最初に司会をしたのは羽根田みやびという吉本興業HDの子会社、吉本興業株式会社の取締役で唯一の女性役員です。吉本は岡本社長とこの羽根田が全権を握っているといっても過言ではない。羽根田が会見の途中で、『岡本さんがかわいそう』と泣き出したのであわてて引っ込めたといいます。

岡本の社員に対するパワハラは宮迫や田村亮がいうような、あんなものではない。岡本が会見で言った『冗談のつもりでテープまわしてないやろなと言った』も『親心で全員クビにするぞと言った』も、あれこそ宮迫のウソ以上の幼稚なウソ。誰もがわかる真っ赤なウソを平気でいうから呆れる。

でも社内ではあのよう詭弁が平気で通ってきた。日頃から社員は岡本の恐怖政治におびえている。また、テレビ局などの他社に対してもダウンタウンなどをかさに着ての横暴ぶりは目に余る。吉本が岡本体制である以上は付き合わないという会社もある」

「世間では大崎会長が実権を握り、岡本は傀儡だと見られているが、最近はそうではない。大崎会長が岡本の横暴ぶりを把握しているとは思えない。また、岡本の権力が肥大化しすぎて大崎の目の届かないところも出てきている。しかし、知ったとしても岡本を処分することはないだろう。社内には、岡本が大崎のプライベートな弱みを握っているという噂もある。

岡本は電通の特定の役員とのつながりが強く、電通との提携会社も作っている。吉本すべての人事権を岡本が完全に握っているため、そのようなことにも誰も口を挟めない。

財務は岡本の指示で動く羽根田が握っている。社員でこの二人の意にそぐわないために切られた者はかなりの数にのぼる。また、岡本の部下たちの横暴ぶりも目に余る。それでも今のままでは、大崎会長は岡本社長を切れないのではないか。

大崎会長は残しても、岡本社長は切らんとあかん。社員や芸人の間ではそういう声が上がっている。

大崎会長と親しいといわれる菅義偉官房長官が、岡本を切れとアドバイスすれば切るかもしれないが、今のところそういう助言をする人間はいないだろう。吉本の騒動はいったん治まったかに見えるが、このまま岡本体制が続くようなら、かなりの社員や芸人が辞めていくのではないか」

「吉本興業役員が国連演説 早く一歩踏み出せば勝ち」(『日本経済新聞』2018年9月17日 2:00)という記事に羽根田みやび氏が46歳と書かれているのですが、1971年か1972年の生まれであることが分かります。まだ50過ぎですね。

この記事を受けて、『NEWSPICKS』のコメント欄に吉本興業ホールディングス社外取締役を務めたことのある情報経営イノベーション専門職大学学長の中村伊知哉氏(政策学者)が「大崎社長に「吉本せいの生まれ変わり」と呼ばれている羽根田みやびさんです。」というコメントを残しています。

『ZAITEN』2022年9月号の特集「大崎洋会長と6000人の"兵隊芸人"たち 吉本興業「笑えない」政"笑"軍団」に「"空虚"な社長を「クン付け」で呼ぶ女取締役、マスコミを恫喝する広報…新宿本部に巣食う「吉本幹部たち」のお人柄」(p.25)という記事が載っているのですが、羽根田みやび氏について書かれているので引用致します。

 東京にいる吉本興業の経営幹部には大崎の薫陶を受けた人物が多く、今や「吉本のヘソは難波ではなく新宿」と言われる。ダウンタウンの元マネージャーで社長の岡本昭彦は「会長のアイデアを実現する傀儡だが、空虚がゆえに何をするか分からない」(芸能記者)との評。闇営業問題での社長会見で答弁能力の低さを露呈したことは記憶に新しい。同じく会見の場にいた羽根田みやび(吉本興業取締役)は社内有数の実力者とされているが、「岡本社長を馴れ馴れしくクン付けで呼び、妙に仲が良い」(写真週刊誌記者)とも。

社長をクン付けで呼ぶとは相当なものですが、羽根田みやび氏は岡本昭彦社長の愛人という噂があるのです。吉本興業に勤めた経験があると語るツイッター(X)アカウントの人が闇営業事件の記者会見の際に以下のツイートをしています。

前出の元木昌彦氏も「週刊誌スクープ大賞 小泉進次郎、滝クリも知らない?「女子アナキラー」と呼ばれた夜遊び実態が明らかに」(『日刊サイゾー』2019/08/26 20:45)で岡本昭彦社長と羽根田みやび氏の関係について以下のように言及しています。

 吉本は大崎会長が牛耳っているといわれるが、実態は岡本社長と羽根田みやびという吉本興業HDの子会社、吉本興業株式会社の唯一の女性役員が動かしているというのだ。

 私には信じがたいが、岡本と羽根田が“親密”だという噂まであるという。大崎会長は、子どもたちやカネの面倒をみてくれる岡本は切れない。だが、このまま現体制が続くのなら、辞める社員や芸人が出てくるだろうと話してくれた。

岡本昭彦社長との関係については真偽不明ですが、昨年、吉本興業を退社した大崎洋氏から「吉本せいの生まれ変わり」と呼ばれるくらいですから相当な実力者なのでしょう。

最後に真面目な話を。吉本興業は近年、SDGs事業に力を入れています。これに関しては批判的な意見も多いのですが、それについてはここでは言及致しません。

羽根田みやび氏は吉本興業のSDGs事業の総責任者で、グーグルで「羽根田みやび」で検索すると、SDGs関連の記事がやたら出てきます。それに関する記事を2つ紹介して締めくくります。

羽根田みやび氏は今後の吉本興業のキーパーソンになる人物だと思われますので、芸能マニアの方は注目しておいた方が良いです。

「「笑い」を通じて、未来のために!吉本興業が取り組む、SDGsとエンターテイメント。」(『Hanako Web』2021.06.28)

多くの芸人やタレントが所属する芸能プロダクション・吉本興業が、積極的にSDGsに取り組んでいることをご存知だろうか。「きっかけは、国連広報センターの方に『SDGsを広める活動のサポートをしてほしい』と言われたこと。それまでは、SDGsという言葉すら聞いたことがなかった」と語るのは、SDGsプロジェクトリーダーの羽根田みやびさん。

「まずは国連広報センターに通い、勉強することからスタート。当時はわかりやすい参考資料があまりなかったため、どのようにしたらみなさんにSDGsを知ってもらえるか悩みました。ただ考えてみると、弊社の創業者は吉本せいという女性であったことや、芸人が47都道府県に住み、地域を盛り上げる『あなたの街に“住みます”プロジェクト』など、すでにSDGsと親和性の高い取り組みがかなりあった。意外と自分たちにもできるかもしれないと気づきました」

活動をしていくにあたり、社内での意識共有が重要だったそう。「所属芸人に話を聞いてみると、仕事の合間を縫って、児童福祉施設に笑いを届けるボランディアをしたり、実はこっそり活動している人がいました。あえて声に出すことで、新たな発見やアイデアが湧いてくることもある。自分の中で留めず、みんなで話し合うことを大切にしています」

2017年から始まった活動も、はや4年目。イベントやワークショップ、講演会、動画制作など、様々な形でSDGsのPRをしてきた。「舞台を観に来てくれるお客様に直接発信できるのは、弊社の強みだと思います。笑いやエンターテイメントとSDGsをかけ合わせることで、ただ“学ぼう”ではなく、“楽しみながら大切なことを知る”という、きっかけづくりはできる。ひとつの場所でたくさんの方に伝えられるのも強みです」

昨年からは、コロナの影響でコンテンツにも変化が。「最近では、東京大学と『笑う東大、学ぶ吉本プロジェクト』を立ち上げ、その第一弾となるイベントもオンラインで開催しました。現在では弊社がいちはやく活動していた分、様々なパートナーとの取り組みが拡がるるのはうれしいことです。また、SDGsの発信や取り組みと共に、音楽や笑いなどを楽しめるイベント『Warai Mirai Fes 2021~Road to EXPO 2025~』を開催予定。イベントに参加することで地球を笑顔にする様々なプランを準備する予定です。今後も、みなさまと新たな活動に挑戦し続けたいと思います」

「企業が「SDGs」に取り組むということ。―よしもと芸人と、私たちができるSDGsを考えよう!」(『ソトコト』2019.05.24)

『吉本興業』(以下吉本)と『国際連合』。お笑いと和平というその異色の組み合わせに、誰もが目を疑うに違いない。現在、SDGsを発信する取り組みとして、吉本ではお笑いの舞台や映画祭などで17の目標を盛り込んだネタの披露や、芸人が出演するPR動画の制作とさまざまに展開している。
約3年前、法務省が行う犯罪や非行からの立ち直り支援「社会を明るくする運動」に、吉本が協力したことがこれらの取り組みのきっかけだった。「(所属芸人の)鉄拳が啓発のためにパラパラ漫画を制作し、言葉を介さずに『思い』を伝えることができました。そこで、未来のある社会をつくるには吉本の笑いが一役買えるのではないかと考え、SDGsの取り組みを全社をあげてスタートしました」と同社コーポレート・コミュニケーション本部の羽根田みやびさんは当時を振り返る。

それまでの吉本は国際協力とは無縁、ましてやSDGsなんて聞いたこともない……という状況だったが、笑いが原動力となってさらなる効果を生むことができるかもしれないと、「SDGs×吉本興業」のチャレンジがスタート。まずは社員全員に伝えるための勉強会を2017年1月に東京の劇場で行い、中継や動画配信を通じて約1000人がその内容を共有した。「社員、所属芸人合わせて数千人いるなかで自分の意見や情報を内面に留めていると、相互に意見を取り込むこともない。SDGsについて聞かれても自信のなさから『知らない』と答えるのではなく、まずは自分の言葉で共有すること。そこから物事は始まるのではないかと思い、社内でも意識して取り組んでいます」と羽根田さん。これは共有に重きを置く目標17の「パートナーシップで目標を達成しよう」にも通ずる姿勢でもある。

笑いとSDGsを組み合わせることに不謹慎と思う人もいるかもしれない。「笑い自体は問題解決には直結しない」と羽根田さんが言うように、まずはお茶の間にSDGsの話題を届け、それを見たお客さんが自分にできることを考えることが吉本の役割と考える。SDGsを前面に出したイベントを行うと、これに興味がある人しか集まらない。しかし、吉本が得意とするエンターテインメント力で発信すれば、これまでとは違った人たちをターゲットにできる強みがある。

これまでに吉本は、自社が主催する漫才コンクールをもじった「SDGs-1グランプリ」を実施。これは、17の目標のうちの3つをネタに盛り込んで即興で披露し、その中で誰が一番メッセージを伝えられたかを競うイベントで、笑いながらSDGsを知り、理解することにつながっているという。また、芸人が声の出演をするアニメーションや、動画を制作し、吉本の全国12の劇場で毎日放映。年間約300万人の来場者にSDGsの取り組みを知ってもらうことができている。さらに、17の目標のなかの「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさを守ろう」をテーマにした新喜劇の上演、17の目標を自分たちの身近なことに置き換えたタレントのスタンプを集めるスタンプラリーの実施など、コンテンツは多岐にわたっている。

今後は、SDGsのPR活動から一歩先に進めて、北海道で始まったまちの魅力を最大限に引き出すプロジェクト「下川町株式会社」のように地域の課題を自分ごととして解決に導くことにもチャレンジしていくという。吉本ではSDGsの取り組みに関わる以前から、47都道府県すべてに芸人と社員を派遣する「あなたの街に住みますプロジェクト」や、被災地に芸人が赴き、寄席や対話で復興を支援する「よしもとあおぞら花月」など、地域振興・復興に力を入れてきた背景がある。「SDGsは2030年にむけた開発目標ですが、笑いや笑顔はその後の未来にもつなげていきたい」と羽根田さん。吉本の取り組みはこの先も進化を続けていく。

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