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イメージで人を評価すると未来で不幸になる

こんにちは!稲垣(@Gackey_seo)です。
金融メディアの運営や新規事業の立ち上げ、Webコンサルなどをしております。

今回は「イメージで人を評価すると未来で不幸になる」をテーマに書いていきますね。

特にサラリーマンをやっていると、人の評価で悩むことってありますよね。
被評価者であれば、自らの評価自体に納得できないことも少しはあると思います。

例えば、

・メンバーの妥当な評価がわからない(評価者)
・他職能や関わりが薄いメンバーを成果だけで評価していいのか不明(評価者)
・評価基準の見直しが必要だけど、忙しくて手が付けられない(評価者)
・自分の評価に納得いかない(被評価者)
・評価基準よりもイメージや根拠のない相対評価が優先されてしまう(被評価者)

などなど、ポジションや組織体制、評価基準、教育体制によっても悩みはそれぞれ違ってきます。

でも、どんなポジション・体制・状況でも絶対にやってはいけない評価方法があります。

それは「イメージで評価する」方法です。

このnoteでは、「イメージ評価」の定義と良い点・悪い点を分かりやすく説明していきますね。(記事が長くなるので、ここでは対処法の章は敢えて削除しましたが、逆説的に捉えていただければ必然的に答えがみえてきます)

イメージで評価するとは?

イメージで人を評価するとはどういうことでしょうか?
皆さんなら、どう定義しますか?

このnoteでは下記のように定義しておきます。

イメージで評価するとは?
定義①
一定期間内に対象者が行った「行動・選択」とそこに至った「動機・思考回路」を具体的に把握せずに評価すること。

定義②評価期間前後で比較した際に成果を出せる再現性とスキルに変化がないのにもかかわらず「他者や環境の貢献による成果」に引っ張られ、対象者特有の貢献度を無視して評価すること。

イメージで人を評価することが良くないのは、ほとんどの人が知っていると思います。理由は様々ですが、「イメージ評価」によって人の給与査定や人員配置決定、役職/権限付与が行われている企業も少なくありません。

定義①の注目ポイントとしては、「行動・選択」「動機・思考回路」というプロセスを加味できていない点です。

定義②の注目ポイントとしては、「再現性とスキルの変化」「対象者特有の貢献度」を加味できていない点です。

では反対に「イメージ評価」を行う評価者は何を理由に評価しているのでしょうか。
ほとんどが下記①〜④に当てはまると思います。

①全体の給与感から逸脱しない無難でギリギリ理由が付けられる水準
②"評価時点"での売上・利益
③上司や経営陣、他職能の顔色
④対象者の同僚や先輩の具体性に欠ける話

①は、被評価者の「行動動機・行動特性・スキル・再現性・貢献度」をあまり加味しない政治色が強い組織でよく見られる評価方法です。

②は、時間軸を完全に無視した評価方法になるため、非貢献者を誤って評価してしまう可能性があります。

③④は、波風を立てることを嫌い、程よく他者に責任転嫁できる極端にリスクを取らない評価方法です。このパターンは、評価者が被評価者に興味がなく具体的に知ろうとしない、知る責任もないと考えていることがほとんどです。

イメージ評価 唯一の甘み

厄介なことにイメージ評価にも良い点があります。
すごく甘〜〜〜いメリットがあります。

それは「対象者のモチベーションが一時的に上がること」です。
一人だけ一時的にやる気がでたり、良い上司であろうと先輩風を吹かせたり、根拠のない我がままなリクエストをだしたりします。空回り状態ですね。

これは、マリオカートで言うとゴールデンキノコを水中で連打している感じに似ています。本人は"やってる感"がすごいのに、実際は前に進んでいない。。。

再現性の角度が高められず、スキルも変わらず、自身特有の貢献をしたこともない人が、その後あらゆる壁にぶち当たった際に同じようにモチベーションが維持されることは期待できません。成果も期待できません。

ドーピング・覚醒剤・糖質とでも言うべきでしょうか。
すべてにおいて言えることは、短時間しか効果がなく効力を失った際に、同じドーピング・覚醒剤・糖質でしか解決できないということです。(あー厄介!)

では、ここから「イメージ評価」の悪い点を説明していきます。

イメージ評価に潜む黒い影

前章でも述べた通り、短期的な甘みのせいで「イメージ評価」の悪い点に気付くことが困難になります。

「イメージ評価」の悪い点に気付くには、少し時間が必要です。
中長期的に徐々に蝕まれていく感覚で、気付いた頃には簡易的な対策では解決できない状態になっていることがほとんどです。

たまたま事業が成長しても人が成長していないため、これまでより難易度の高い問題に直面すると、能力・経験不足により対処できず、挙げ句の果てには他人や環境のせいにしてチームの輪を乱すのがオチです。

では具体的に評価者・被評価者の悪い点を見ていきましょう。
(今回はイメージ評価で能力以上の評価を受けた際の例)

◆評価者
・評価者がどんどんプロセスから目を背ける
・成果の因数分解をせず、楽な算出方法で個人の評価を決める
・教育する責任を放棄し、メンバーを放置する
・過去に遡って行動動機・行動特性を評価する文化を失う

上記のように「事実を把握ぜず少ない情報で楽に評価をする」ことで本当の貢献者が特定できず、今後の活躍の芽を摘むことにもつながってしまいます。

過去に遡って行動動機・行動特性をはっきりさせることで、「なぜその行動をとり、結果どういう行動をとったのか」を把握し評価することができます。

評価期間内の行動や思考を改めて把握し、事業が伸びた要因を因数分解し、"誰が"貢献したことで事業が伸びたのかをはっきりさせる必要があります。ここを見誤ると被評価者が未来で不幸になります。

1人の評価者だけが「イメージ評価」をする環境ならまだしも、その評価者の影響力が会社の中でも高い方である場合には、「イメージ評価=文化」になってしまいます。

◆被評価者
・成果を上げる再現性を持たない人が役職者となり、事業や他者を壊す
・(貢献したことないので)数字とマネジメントの問題を解決できない
・大した成果・行動・能力がないため、メンバーが尊敬しづらい
・謙虚さを失い、"Give 0 Take 100"の傲慢人間になる
・人の意見を受け入れられず、いつでも自らの考えが正しいと勘違いする

「イメージ評価」による被害者は、どう考えても被評価者です。
一時的なモチベーションと給与アップで喜ぶのは束の間、被評価者の不足要素が事業や他者を壊し始めます。時間が少し経過した未来で不幸になります。

もちろん直接的に貢献した経験も貢献するスキルもなく、もちろん他者を正しくマネジメントする能力もないため、ステージが上がった先で直面した問題を早急に解決することができません

また、自分の考えが最も正しいと思い込んでいるため、周囲の意見を吸い上げられず視野が狭まり情報不足の渦から脱出できなくなります

追い討ちをかけるように、"Give 0 Take 100"の例えば「俺以外が動いて、お前らがデータや数字を納めろ!俺が困らないように動け!」というとんでもないマインドが形成されるため、周囲のメンバーから信頼を獲得できなくなります。(表面的にはヨイショされるのが逆に辛い!)

このような状態になる前に、「ちょっと傲慢になってない?」「その判断は間違っていると思います」など評価者や周囲のメンバーが定期的にお知らせしたいところです。

「イメージ評価」をしてしまう評価者ではなく、ある意味評価者の周りにいるYESマンが組織の中で「イメージ評価」を促進してしまっているという見方もできます。

時間経過の先で答え合わせ

冒頭でも述べた通り、このnoteでは敢えて対処法を記載していません。

ただし、逆説的にお読みいただければ自然と「どうすればいいのか」が分かると思います。

マーケティングでもブランディングでも健康でも投資でも、なんでもその時に予測はできても時間が経たないと答え合わせできないものに僕らは囲まれています。

だからこそ、僕らは時間を戻したり進めたり、事象を抽象化したり具現化したり、楽して簡単には手に入らない情報を集めて評価していく必要があると思うんです。

「イメージ評価」によって今後できるだけ被害者を減らしたい思いで、今回のnoteを書きました。

まだまだ至らぬ点、網羅できていない点あるかと思いますが、楽しようとした際に思い出していただけると非常に嬉しく思います。

それでは、今日も素敵な1日をお過ごしください。

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