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忙しいサラリーマンこそ人生の優先順位と知識のドーナツ化を心に刻むべし

こんにちは!稲垣(@Gackey)です。

ありがたいことに2020年7月からWeb担当者Forumの「[マーケターコラム] Half Empty? Half Full?」で執筆しているのですが、その際にラーニングピラミッドについて興味を持ちました。

ラーニングピラミッドとは、アメリカ国立訓練研究所が発表した研究結果で、7つの学習方法を学習の記憶定着率順に並べているものです。

ここで注目していただきたいのは、「読書」の記憶定着率が相対的にみて低い点です。ただ、今回のnoteでは、読書の必要性を問いたいわけではないです。

すぐに内容を忘れてしまう本もあれば、インパクトが強かったから強烈に内容を覚えている本もあり、記憶定着率が高いのは、言ってしまえば本の内容のインパクトや「満足度>期待値」の式が成り立ったときだと思っていました。

私は、新しい本をどんどん読みたがるタイプなので「一度読んだ本を半年以上、あるいは5年以上経ってから読み返す」経験は数えるほどしかないのですが、最近ふと本の存在を思い出し、2冊の本を読み返しました

この2冊は、インパクトの強さが飛び抜けているというわけではなかったのですが、ただ何故か内容は読み返す前でも鮮明に覚えていました

幸せでいてもらいたい会社の同僚、家族、恋人、友人に改めて紹介したい気持ちと、自分自身への自戒を込めて、ここに残したいと思います。

◆本noteは、エイチームフィナジーのリレーコラムのバトンを受けて執筆
第一回:【大阪から上京して感じた】東京で働くメリットとデメリット乾翔太郎
第二回:【対策編】元ブラック企業勤めが教える「クラッシャー上司」との上手な付き合い方辻祐輔

人生や仕事の優先順位

1冊目は、ひろゆきさん(西村博之さん)の「1%の努力(ダイヤモンド社)」です。

有名な話ではありますが、「この壺は満杯か?」という話があります。

「クイズの時間だ」教授はそう言って、大きなツボを取り出し教壇に置いた。その壺に、彼は一つ一つ岩を詰めた。壺がいっぱいになるまで岩を詰めて、彼は学生に聞いた。

「この壺は満杯か?」教室の学生が「はい」と答えた。
「本当に?」そう言いながら教授は、教壇の下からバケツいっぱいの砂利を取り出した。そして砂利を壺の中に流し込み、壺を振りながら、岩と岩の間を砂利で埋めていく。

そしてもう一度聞いた。「この壺は満杯か?」学生は答えられない。
一人の生徒が「たぶん違うだろう」と答えた。教授は「そうだ」と笑い、教壇の下から砂の入ったバケツを取り出した。それを岩と砂利の隙間に流し込んだ後、三度目の質問を投げかけた。「この壺は満杯になったか?」

学生は声を揃えて「いや」と答えた。教授は水差しを取り出し、壺の縁までなみなみと水を注いだ。彼は学生に最後の質問を投げかける。「僕が何が言いたいのかわかるだろうか?」一人の学生が手を挙げた。「どんなにスケジュールが厳しいときでも、最大限の努力をすれば、いつでも予定を詰め込むことは可能だということです」「それは違う」と教授は言った。

「重要なポイントはそこではないんだよ。この例が私たちに示してくれる真実は、大きな岩を先に入れない限り、それが入る余地は、その後二度とないということなんだ」君たちの人生にとって「大きな岩」とは何だろう、と教授は話しはじめる。それは仕事であったり、志であったり、愛する人であったり、家庭であったり、自分の夢であったり・・・・・・。

ここでいう「大きな岩」とは、君たちにとって一番大事なものなんだ。それを最初に壺の中に入れなさい。さもないと、君たちはそれを永遠に失うことになる。もし君たちが小さな砂利や砂、つまり、自分にとって重要性の低いものから壺を満たしていけば、君たちの人生は重要ではない「何か」に満たされたものになるだろう。

そして大きな岩は、つまり自分にとって一番大事なものに割く時間を失い、その結果、それ自体を失うだろう。

長時間残業をしてでも量をこなすことで自身の成長スピードを上げる戦略も「仕事=人生」というライフワークブレンドも素晴らしい考え方です。ただ、人生の節目で「自分にとっての大きな岩」を改めて自分に問うてみるべきだと思います。

一番大切なものには「時間」を割くべきで、その時間を全時間から引いた残りの時間の中で例えば下記①〜③の工夫をする必要をしてみてはいかがでしょうか。

①スキルを身につける
②しないことを決める
③人に任せる

「限られたリソースの中で最大限の成果を出す」ためにスキルを身につけ、しないことを決め、人に任せて個人では到達できない地点に最短でたどり着く、これが理想的です。

仕事においても「限られたリソースの中で最大限の成果を出す」ために会社に戦略があり、事業ごとにも戦略があります。

また、しないことを決めることで人生でも仕事でも「大きな岩」が必然的に決まってくるわけです。人は、どうしても砂利や砂を複数抱えることで仕事の場合は「できている感」人生の場合は「満たされている感」に浸りたくなる生き物です。

だからこそ、最初に「大きな岩」を入れることに意味があるのです。

心で記憶する

2冊目は、島田紳介さんの「自己プロデュース力(ヨシモトブックス)」です。

島田紳介さんとBOROさんという歌手のエピソードをご紹介します。

お二人で車に乗っていたときに、島田紳介さんが急にビニースハウスの前に車を止めて中に入り、知らないじいさんと1時間話したというエピソードです。

「このじいさんは、様々な職業を転々として、最後に椎茸栽培に行きついたのかもしれない。だとしたら、いい話が聞けるだろう。でも、親の跡を継いで仕方なくやっている可能性もある・・・」そんなことを考えながら、僕はビニールハウスに向かって行った。

結局、じいさんは跡を継いだだけでした。でも、次はそこで「この椎茸、どうやってできてんの?」という疑問が湧く。そこから、じいさんを質問攻めにする。
「これ、いくらなん?」
「日によって値段が違う」
「今日はいくらやったん?」
今でも覚えています。二十五年ぐらい前の話だけど、「今日は百グラムで百七十円」って。そのじいさんは一年中、椎茸をつくっている。年に二回、春と秋に天然物ができる。
「天然物でも菌は打ってるんやろ?」
「菌は打つけどビニールハウスの外でできんねん」
「この木はどうなってんの?」
「ここに菌を打って、並べてな。こうやってやんねや。ほいで、菌を打ったあと、二十四時間水につけんねん。重し乗せて。それから陰干ししたら椎茸出んねや。」
「へぇ〜」

もちろん島田紳介さんは椎茸に全く興味はなかったのですが、でも熱心に聞いていたら、じいさんが原木をくれたらしいのです。

曰く、これが椎茸栽培の本を読んで「頭」で覚えた知識なら二十五年も前のことなので、忘れているはず。でも、たまたまじいさんを見かけて話を聞いて原木もらって「心」で覚えた知識だから覚えていられると。

続けて、

今の椎茸の話を聞いて「詳しいな」と思ったでしょう?それは、椎茸の話なんて誰も知らないから。この話は、自分の宝。

この話は、テレビタレントは「知識のドーナツ化」を目指さないといけない、というメッセージが込められた話ですが、世のビジネスマンにも通ずるなと感じています。

①誰も知らないことに価値がある
②実務で活かせる知識をつける習慣化
③心で覚えて何十年も記憶を継続させる

希少性の高い知識を有することで希少性の高い人材として評価され、実務で活かすことで直接的に成果にアプローチし、長期間記憶を定着させることで問題解決時にいつでも記憶の引き出しから引き出せる

他人が知っていることを知っても意味がないという意見は、ダウンタウンの舞台を見て漫才を辞め、解散を決めた島田紳介さんの「負ける戦はしない」にも通づる成功者の巧みなポジショニング戦略ってわけですね。

まとめ

皆さんにとっての「大きな岩」はなんですか?
TwitterやFacebookで教えていただけるとすごく嬉しいです。

是非、人生においての壺、仕事においての壺に分けたりなど応用して少しでも役立てていただけますと幸いです。部下をお持ちのマネージャーや日々の目標に追われて中長期的目線を失っている同僚など、大切な人に1問だけ問うてみてもらえればと思います。

また、島田紳介さんの、他者とのコミュニケーションから知識を得て、自分の中で咀嚼し、仕事で他人に教えるように話すサイクルを強引に「ラーニングピラミッド」に当てはめてもみても自然と効率的な方法を取られていたことがわかります。

Webマーケティングを行っている私自身、「知識のドーナツ化」なしに今後のキャリアや仕事でのポジショニングは考えられないなと感じており、30歳という節目の年でもあるので、ストイックに努力するだけでなく足元の幸せにも目を向けながら楽しい人生を歩んでいけたらなと思うばかりです。

次回は、リレーコラム第4回、エイチームフィナジー期待の新卒「入江くん」です!

是非、TwitterやWeb担当者Forumも見ていただけますと幸いですー!

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