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やりたいことないの?と聞かれて困った時の話

中学生か高校生だったか忘れてしまったのだけれど、進路について母に「やりたいことないの?」と聞かれて困ったことがある。
明確な目標を持って進むことができる子供は、どれくらいいるのだろう?

なぜ困ったのか

将来についてのヴィジョンはおろか、どういう選択肢があるかがまったくわからなかった。漫画やイラストを描きたいだとか言う漠然としたものはあったけれど、"辛い仕事"だとか"努力不足"を理由に母に止められたのを覚えている。何が辛いのか、何をすればいいかがわからなかった。

知らないということ

The limits of my language are the limits of my world.
「私の言葉(心)の限界が、私の世界の限界である」
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン

この言葉を知ったとき、当時の僕が「やりたいこと」を見つけるには世界が狭すぎたのだと気付いた。
世界に対してあまりに無知、あるいは無関心だったと言ってもいいのかもしれない。時おり母がこのことについて謝ってくるのだが、おそらく母の世界の中にも答えがなかったのだと思う。

息子にしてあげたいこと

将来、息子が何に興味を持つかはわからないけれど、やりたいことはやらせてあげたい。そして、ただやらせるだけではなく、感じたことや疑問を言葉や文字にさせたい。
言葉を知ることで世界が広がり、文字を書くことでその広がりを留めておくことができるのだと思う。僕はそれを手伝うだけだ。

「やりたいことないの?」と聞かなくてもやりたいことをやっている。
そういう状態に、してあげたい。

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