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27.健康経営の落とし穴

健康経営®とは、従業員の健康が企業に不可欠な資本であることを認識し、従業員の健康に戦略的に投資することで、労働生産性の向上や、医療費を抑制、企業の業績向上・企業価値向上を目指す取り組みを指します。日本では、経済産業省が2015年より健康経営銘柄制度を導入し、健康経営優良法人認定も追加され、今では多くの企業が健康経営に取り組んでいます。なお、具体的な取り組みとしては、企業が従業員の健康状態の把握(可視化)したり、体制整備、生活習慣病対策やメンタルヘルス対策、長時間残業対策などが挙げられます。実際には、これまでの産業保健活動や安全衛生活動と大きく変わるものではなく、経営者視点や、戦略的な実践、対外的な要素(外部評価や人材採用)、データ活用といった要素が強化されたと言えるのかもしれません。

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上図は健康経営の推進について(令和2年4月経済産業省ヘルスケア産業課)より

私個人としても、健康経営は社会全体で推進していく必要があり、働く人がより安全に、より健康的に働けることは歓迎すべきことだと強く考えています。しかし、一方で専門家としては、ここにはいくつか落とし穴があると考えています。決して健康経営の流れを止めたいという意図はなく、あくまで、より健全な方向で健康経営が広まって欲しいという想いで、本記事を作成しておりますのでご理解下さい。

「健康経営(R)」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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