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修身教授録1日1講

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毎日1講読んで、簡潔なまとめと自分の思いをつづってます。3日坊主を克服して学びの習慣を付けるために。
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2021年3月の記事一覧

修身教授録<Ⅰ>第37講 死生の問題

死に対して自分の心の腰が決まって初めて真の人生が始まる。
日本人としては、天から与えられた力の一切を国家社会のために捧げ切るところに真の死生を越える道がある。
そうして生に徹していると、そのように生き切ったという無限の喜びが死への恐怖を超越し、死生は別物ではなくなる。
そのように生きなければ、死ぬ時に必ず悔いが残る。
日本人として最高の生き方は、死んでからも尚国家社会に貢献すること。
そもそも生き

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修身教授録<Ⅰ>第35講 為政への関心

白河楽翁公は教育者というより経綸の人と呼ぶのがふさわしい。
(経理:国家を治めととのえること)
偉大な教育者にして経綸の大志を抱かなかった人はいない。
例えばペスタロッチーは宗教を通じて人間を救済するために神学を志し、形式化した宗教に限界を感じて社会改革者を志し、そして人間の魂に根本的な革新を与える教育こそが人間の救済であると到達した。
つまり人間救済に対する偉大な情熱がなければ真の教育者にはなれ

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修身教授録<Ⅰ>第34講 国民教育の眼目

真の教育とは相手の眠っている魂を揺り動かし呼び醒ます所までいかなければならない。
そのためには教師自身が全力を挙げて自分の道を歩む信念が必要。
わが国の教育の一番の問題はこういう教師が不足していること。
結局「志」に帰結するが、その志が生徒に与えられていない。
人間とは自分の欠点に気付いた時点でその欠点を越えようとしている。
その生ぬるさを克服しようと日々思い詰める、その力こそが内面的な力を与え将

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修身教授録<Ⅰ>第33講 ペスタロッチーの断片

毎年2月にペスタロッチー伝を1冊読みなさい。
この一事だけでも続けたら教育に対する情熱を失わない。
情熱を失わない間だけが真に生きている。
↓ペスタロッチー記念号を輪読しながら森先生が解説
・毎月きちんと月給を貰ってる身分では真に命がけで人の子を教育するような捨て身の情熱はでにくい。
・今日の教育は内から燃えてくる情熱に乏しく、生徒が去勢されてしまう。
・「立法と嬰児殺し」は教育だけでなく社会改革

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修身教授録<Ⅰ>第32講 目下の人に対する心得

目下の人への接し方は「思いやり」とか「労る」の一語に尽きる。
誰しも思いやりは備えているが、磨き発揮するのは難しい。
そんな思いやりはまず自分自身が目上の人に仕えることから始まる。
その経験を自分で省み、他人と接することで生きてくる。
ただし、思いやる気持ちを持ってもそれをあからさまに表してはいけない。
それは下の者の甘えにつながり、秩序が乱れる。
また、男子がしゃんとしていれば女がつけ上がること

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修身教授録<Ⅰ>第31講 上位者に対する心得

上位者に対してはその人の価値いかんに関わらず地位相応の敬意を払わなければならない。
世の中は秩序の世界であり、秩序の世界は上下関係で成り立つ。
上下は人の価値ではなく、学歴や年齢などの社会的要素で決まる。
価値は人により評価が違うため、それを基準にすると秩序が保てなくなる。
このような問題に葛藤を感じるのはまじめな人で、つまづかないのは気骨のないお人よしか功利打算の人間の二種類。
上位の者に敬意を

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修身教授録<Ⅰ>第30講 謙遜と卑屈

真に謙遜するためにはその人が確固たる自分を持っていなければならない。
そもそも謙遜とは自覚から生まれるもの。
謙遜とは相手と自分の真価の相違にしたがってわが身を省み処すること。
特に目下の者に対して意識すべきで、傲慢でもなく、かと言って馬鹿丁寧でもあってはならない。
どのような立場の相手に対しても、必要以上に出しゃばりもせずまた妙にヘコヘコもしないこと。
傲慢になったり卑屈になったりするのは自分を

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修身教授録<Ⅰ>第29講 対話

人間生活は話すことと行うことの2つのみ。
対話=2人の会話 座談会=複数人の会話

対話の際の心得として、進んで相手の話を聞こうとするのが根本。
同時に口火を切ったら譲る。先に譲られたら話すしかない。
自分が話してた内容がそれた場合は戻さない。
全く違う話をする時は「別の話ですが」と断ってから。

座談会の心得として、誰かが話してる時は他は喋らない。
できるだけ全員が最低一度は話す機会を作る。

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修身教授録<Ⅰ>第28講 一人一研究

何か一つ、自分の得意とする方向に向かって研究するべき。
但し基礎的教養を欠いてただ一つの問題にだけ頭を突っ込むのは良くない。
大阪にゆかりがある内容だと「懐徳堂」「心学」「慈雲尊者」

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私は最近「帝王学」に興味を持っています

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修身教授録<Ⅰ>第27講 成形の功徳

すべて物事というのは形を成さないことには十分な効果が表れない。
実例→実行→理論の順で説明した方が日本人には分かりやすい。
今宮のスラム街に真ん中にある学校で、貧困な家庭の子供を集めて、尊徳先生の研究に基づき一個の思想信念のもと教育が行われている。
その学校に参観に学生と行った際、校長の息子さんに昼食をご馳走になったので、お礼に学生の感想を手渡そうと思った。
その際に職人に頼んで紙を製本してお渡し

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