日本の色 5月(季節を味わう#0006)
「季節を味わう」では、毎月第3水曜日に季節を象徴する日本の色をピックアップ。
5月にもたくさんの色があります。その中から私の好みで選びました。
【薔薇色】
苺色とどちらを選ぶか迷いましたが、薔薇色に軍配を上げました。
薔薇は中国から伝わり『古今和歌集』や『枕草子』、『源氏物語』にも登場しています。意外と歴史が古い花なのですね。当時は「ばら」ではなく「さうび(そうび)」と呼ばれていました。
「薔薇色」という色の名前として定着したのは明治以降。咲き誇る薔薇を見ていると、「薔薇色の人生」というように、大いに満ち足りたことの例えにされているのもわかる気がします。
【若竹色】
五月の「緑」には「若竹色」のほかに「苗色」「青竹色」「緑青色」「若苗色」などがあり、緑色が好きな私は、一つに絞るのに苦労しました。
若竹はその年に生えてきた竹のこと。その若竹のような明るい緑色こそが、五月の日差しに似合うと思い、選びました。
ちなみに竹の成長に合わせるように「竹」の名前を使った色も「青竹色」「老竹色」「煤竹色」と変化していきます。海外でもこんなに微妙な色の変化を表現する言葉があるのでしょうか?もしご存知なら教えていただけると嬉しいです。
色見本については、Webサイト「伝統色のいろは」様より引用させていただきました。https://irocore.com
(2023年5月17日)
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