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Epiphone Casino

さて、今日12月8日は私が敬愛し尊敬し続け、師と崇めるジョン・レノンがダコタ・ハウス前で銃撃され亡くなってからちょうど40年、そして今年はジョンが誕生してから80年の節目の年でもあります。

そんなジョンにゆかりのあるギター、Epiphone Casinoをご紹介!


何故、数ある愛機のうちからEpiphone Casinoを選んだのか。


実は私が初めて触れたエレキギターこそがEpiphone Casinoでした。


当時はジョン・レノンがどういう人かはあまり知らなかったのですが、後々知った時は良い意味でゾクっとしました。縁を感じたと言うか、繋がりを感じたと言うやつです。

そんなEpiphone Casinoですが

Epiphone Casinoは、Gibson ES-330 の Epiphone版として1961年にデビューします。ギブソンのヒット作ES-335のEpiphone版Rivera、高級機ES-355のEpiphone版Sheratonといったラインナップの中でCasinoは廉価版という位置づけでしたが、ビートルズのポール、ジョージ、ジョンがこぞって愛用したことで抜群の知名度を築きました。





現在では本家のES-330を押しのけるばかりか、Epiphoneを代表する名機にまでなっています。

さて本体の特徴ですが「薄型、ダブルカッタウェイ、ハコモノ」というCasinoのボディシェイプは、一見してES-335を代表とするセミアコを思わせます。しかしCasinoのボディ内部には、ES-335に内蔵されているセンターブロックがなく、フルアコ同様に完全に空洞になっています。

これにより薄型ながらアコースティックな鳴りが強調され、一般的なセミアコよりも奥行きのある太いトーンを得る事ができます。Casinoの上位機種であるRivieraやSheratonはセンターブロックを内蔵したセミアコになっており、ソリッドのパンチ、ホロウボディのエアー感が共存したトーンが得られます。


普通のフルアコのようにボディ材を一枚板から削り出して作ったギターというのは楽器本体の鳴りが良すぎるため、ロックバンドの音量で鳴らすとハウリングやフィードバックを起こしやすくなってしまいます。そこでCasinoではES-335同様、メイプルを何枚も貼り合わせた合板を使ってボディを成形し、鳴りを抑えています。さて、このCasinoはフルアコなのでしょうか、セミアコなのでしょうか。


このような議題が上がった場合、国内ではボディの内部構造に注目して、ボディは薄いけどフルアコだという解釈が一般的な解釈です。ところが海外での解釈は日本とは違っており、一般に薄いハコモノは全てセミアコ(semi-acoustic guitar)で、ボディ構造にはホロウ(hollow)/セミホロウ(semi-hollow)という言葉を使っています。


フルアコの代表機種と考えられているES-175ですら、フィードバック対策のためボディが合板でできており生音を期待しているギターではない、ということからセミアコという解釈のようです。ですからCasinoをセミアコと思っている人もいれば、フルアコだと思っている人もいる、という事です。


ピックアップですが、CasinoにはドッグイヤーのP-90ピックアップがマウントされます。しかしプラスチックで包まれている通常のものと異なり、金属製のカバーで覆われています。



Les paulのハムバッカーと同じように、ピックアップが金属のカバーで覆われていると、パワーと高音域が若干抑えられてマイルドな印象になります。著名な定番機でこのピックアップを搭載しているのはCasinoだけなので、ピックアップについて見てもCasinoには独特のトーンがあります。


フロント/リアそれぞれに同様のピックアップを持ち、Les paulなどGibson系のギター同様それぞれのピックアップに対してボリューム/トーンポットが付き、ピックアップを切り替えるトグルスイッチが付いています。


ボリューム/トーンは操作しやすい場所にはありませんが、あらかじめソロ用/バッキング用などのようにそれぞれの音量/トーンをセットしておいて、演奏ではトグルスイッチを中心に切り替えるという用途を意図した設計がなされています。


さて、ネックジョイントやブリッジ/テールピースについても語りたいところですが今回は泣く泣く省略させて頂きます(泣)
(…無念!)


では何故ジョンがEpiphone Casinoを使っていたのか。


定説ではポールが最初に惚れ込んでメンバーに勧めた、となっていますが、これには諸説あるようです。ギター本体についてはポールもジョンも、その時たまたま気に入ったギターを使う、というスタンスだったようです。


積極的に研究を重ねていたのはむしろジョージで、ジョージに言われて試したCasinoが気に入った、という経緯ではないかという説もあります。Casino以前のビートルズのトレードマークといえばRickenbackerですが、これについてもThe Whoのピート・タウンゼンドがポールに勧めたら、ジョンも使いだしたということがあったそうです。


カラーバリエーションですがCasinoは60年代に完成したと見られており、当時の面影をしっかり残したモデルがリリースされています。定番視されているナチュラルカラーはもともとのカラーバリエーションにはなく、「塗装をはがすと音が良くなる」というコンセプトでジョンがピックガードもろとも塗装をはがしたのが起源になっています。


さて、これまでEpiphone Casinoをざっと紹介してまいりましたがジョン・レノン誕生80周年、没後40年のこの節目の年にぜひ一度、Epiphone Casinoを手にしてみてはいかがでしょうか。





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