2018_第五課題_課題文_20180913-2

過去10年分「計画の要点」まとめと所長オススメの勉強法

最後の週になりました。
いよいよ、決戦の時が近づいています。

今週は総まとめとして、
計画の要点をおさらいする受験生も多いことでしょう。

そこで、本日受験生に贈る記事は、計画の要点にスポットを当てます。

過去10年分の課題文の出題項目をまとめつつオススメの勉強法を紹介していますので、復習に役立ててください。

■所長オススメの勉強法

【勉強法 その1】
①課題分の項目を見ながら簡単に一般論としての解答を箇条書きで答えてみる
②そこから、記憶の曖昧な部分から再強化したいことをピックアップし、もう一度インプットする

【勉強法 その2】
①計画(配置・動線)、構造、設備と設問の種類ごとに分ける
②①の内容について、出題されている施設の特徴と併せて何を考えさせたいのか考察してみる

■過去10年分の計画の要点

【令和元年】美術館の分館
建築計画、構造計画及び設備計画ついて、次の(1)~(9)の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない計画についても記述する。
(1)「展示関連諸室」と「アトリエ関連諸室」のゾーニングについて考慮したこと
(2)展示物等の移動に配慮した、荷解き室の搬入口から各展示室までの動線について考慮したこと
(3)分館と本館との来館者の動線について考慮したこと
(4)展示室A及びBについて、特記事項を踏まえたそれぞれの「室の設え」について考慮したこと
(5)吹抜け及びその周辺の空間において、多くの自然光を取り入れるために、平面・断面計画や開口部について工夫したこと
(6)公園への眺望(西面及び南面)や自然採光を確保しつつ、冷房時の日射負荷抑制を図るために、窓面の配置と大きさ及び日射遮蔽手法等について工夫したこと(Low-Eガラスによる工夫を除く。)
(7)屋上庭園(出口・通路及び客土範囲)における断面の構造等計画(梁断面、スラブ位置・厚さを決定したときの考え方、バリアフリーの考え方及び防水の考え方)について考慮したこと
(8)建築物の構造種別、架構形式・スパン割について考慮したこと及び主要な部材の断面寸法
(9)多目的展示室の構造計画(柱、梁、床、天井、スパン等)について特に考慮したこと及び部材の断面寸法
(10) 多目的展示室の空調用吹出し口の設置位置(床・壁・天井・幅木)を一つ以上選択し、その位置とした理由及び配慮したこと

【平成30年】健康づくりのためのスポーツ施設
建築計画、構造計画及び設備計画ついて、次の(1)~(9)の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない計画についても記述する。
(1)温水プール室の計画(平面配置、設置階等)を踏まえ、温水プール室における自然採光の確保と空調用エネルギーの抑制を実現するために、ガラス面及び開口部の位置、平面計画、断面計画等について工夫したこと(2つ)
(2)エントランスホール及び1階から3階までの吹抜け並びにそれらの周囲の空間における自然採光の確保と空調用エネルギーの抑制を実現するために、ガラス面及び開口部の位置、平面計画、断面計画等について工夫したこと(2つ)
(3)利用者の靴の履き換え等を考慮した、各部門のゾーニング及び動線計画について特に考慮したこと
(4)本建築物と隣地のカルチャーセンター等とを一体的に使用できるようにするために特に考慮したこと
(5)温水プール室の構造計画(上部の床又は屋根の構造等)について特に考慮したこと
(6)多目的スポーツ室から発生する振動及び騒音に対して、上下階及び隣接する室への影響を抑制するために、特に考慮したこと
(7)地盤条件や経済性を踏まえた、支持層の考え方、採用した基礎構造とその基礎底面のレベルについて特に考慮したこと
(8)コンセプトルームについて、設計条件、特記事項等を勘案し、「使用方法」及び「設い」を提案すること
(9)防火区画(面積区画・竪穴区画)をどのように区画形成したかについて、具体的に記述すること

【平成29年】小規模なリゾートホテル
建築計画、構造計画、設備計画について、次の(1)~(7)の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
(1)採用したパッシブデザインについて特に考慮したこと(3つ以上の手法)
(2)客室B(車椅子使用者用客室)の室内計画において、バリアフリーに配慮した設計の考え方や設計のポイント(仕様、各種寸法)について特に考慮したこと(3つ以上)
(3)コンセプトルームについて、設計条件や特記事項を踏まえ、既存の観光資源等を任意に想定し、「使用目的とその効果」及「び設い(内装、什器設備機器等)」について提案すること
(4)建築物全体の「構造種別・架構形式」、「スパン割り」及び「主要な部材の断面寸法」について特に考慮したこと
(5)地盤条件(軟弱な地盤及び良好な地盤)及び敷地の形状(斜面地及び平坦部)を踏まえて計画した基礎構造について、「採用した基礎構造の形式」、「基礎底面のレベル」、「基礎梁の寸法」等について特に考慮したこと
(6)斜面地における地下1階の構造躯体の計画に当たり、土圧・水圧対策等について特に考慮したこと
(7)各階の居室に外気を送風するためのダクトルートの計画において、空調機械室及びダクトスペースの配置について特に考慮したこと

【平成28年】子ども・子育て支援センター(保育所、児童館・子育て支援施設)
(1)建築計画について、次の①及び②の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 小学校、公園等の周辺環境を踏まえた建築物の配置計画について考慮したこと
② 「セキュリティ」及び「”はきかえ”(上足・下足)に配慮した動線計画」について考慮したこと
(2)構造計画について、次の①~③の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① プレイルームの上部(屋根又はスラブ)構造の「部材の断面寸法」並びに「構造種別・架構形式」及び「スパン割り」について考慮したこと
② プレイルームの天井について、天井等落下防止策について考慮したこと
③ 「地盤条件(GL-1.2m以深はN値=40以上の洪積砂礫層であり、地下水位はGL-2.0m以深である。)及び「経済性」を踏まえて、採用した基礎構造の形式(べた基礎、布基礎、独立基礎)について考慮したこと
(3)建築物の環境負荷低減(熱負荷の抑制、省エネルギー効果)について、次の①及び②の要点等を具体的に記述する。また、要求図面では表せない部分についても記述する。なお、答案用紙Ⅱに設けた補足図記入欄に①及び②の考え方等をイラストやシステム図等により補足してもよい。
① 環境負荷低減手法として、「太陽熱」、「地中熱」、「井水」のうちから2つ選択し、これらの利用方法及びその省エネルギー効果について考慮したこと
② 「自然採光」及び「自然換気」について考慮したこと

【平成27年】市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅(基礎免震構造を採用した建築物である。)
(1)建築計画について、次の①~④の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 居住者・利用者・スタッフ等のアプローチ及び駐車場、車寄せ等の配置について考慮したこと
② 住宅部門のセキュリティ管理及び平面計画(3階)について考慮したこと
③ デイサービス部門において、利用者・スタッフ等の動線及び要求室の配置について考慮したこと
④ エントランスホールの計画において、その位置とした理由及び吹抜けを活かした空間構成について考慮したこと
(2)構造計画について、基礎免震構造を採用するに当たって、次の①~③の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 建築物に設定した目標耐震性能(地震力の程度と建築物の状態)
② 建築物に設定した目標耐震性能を達成するために、上部構造の構造種別、架構形式、スパン割り及び主要な部材の断面寸法について考慮したこと
③ 建築物に設定した目標耐震性能を達成するために、免震層(免震材料の種類と配置の考え方、外周部のクリアランス、エキスパンションジョイント等)について考慮したこと
(3)設備計画について、次の①~③の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① レストランの厨房の排気計画において、排気ファンの設置位置、その位置とした理由及び排気ダクトのルートの考え方について考慮したこと
② 住宅部門の排水管の計画において、建築物の断面計画及びパイプシャフトの配置計画について考慮したこと
③ 計画した免震構造の建築物において、大地震等の自然災害が発生した際に、当該建築物の機能が維持され、居住者が一定の期間継続して生活できるように、給排水衛生設備、電気設備等について考慮したこと

【平成26年】温浴施設のある「道の駅」
(1)建築計画について、次の①~③の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① ゾーニング計画について工夫したこと
② 休憩・情報スペース、レストラン及び浴室の計画について、その位置とした理由及び動線計画において工夫したこと
③ 勾配屋根の形状を活かした室内空間とするために工夫したこと
(2)構造計画について、次の①及び②の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 構造上の特徴及び構造計画上特に配慮したこと
② 勾配屋根の架構計画について、その特徴及び特に配慮したこと(図等により補足してもよい。)
(3)設備計画について、次の①及び②の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 浴室の給湯設備において、採用した熱源方式と採用した理由及び熱源機器の設置場所について配慮したこと
② 「浴槽ろ過機」、「非常用発電機」及び「地域特産品売場の空調機」について、その設置場所を記入し、維持管理及び機器の更新について配慮したこと
(4)建築物の特徴(勾配屋根、吹抜け等)に対応した環境負荷低減について、配慮したことを具体的に記述する。なお、断面図等において補足してもよい。

【平成25年】大学のセミナーハウス
(1)建築計画について、次の①~③の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 研修部門の各室について、その位置とした理由及び動線計画において工夫したこと
② エントランスホールの計画について工夫したこと
③ 勾配屋根の形状を活かした室内空間とするために工夫したこと
(2)構造計画について、次の①及び②の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 建築物に採用した構造種別、架構形式及びスパン割とこれらを採用した理由
② 勾配屋根の構造計画について工夫したこと
(3)設備計画について、次の①~③の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① アトリエにおいて、採用した空調方式、空調機の設置位置及び良好な室内環境とするための吹出口・吸込口の計画について工夫したこと
② 建築物の省エネルギーにおいて、自然採光の促進、日射遮蔽及び空調エネルギーの削減について工夫したこと
③ 受変電設備、空調室外機及び浴室用の給湯・ろ過設備の設置位置について工夫したこと

【平成24年】地域図書館(段床形式の小ホールのある施設である。)
(1)建築計画について、次の①~③の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 一般開架スペース、サービスカウンター、小ホール及びカフェについて、その位置とした理由及び動線計画において工夫したこと
② バリアフリーについて工夫したこと
③ セキュリティこついて工夫したこと
(2)構造計画について、次の①及び②の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 建築物に採用した構造種別、架搆形式及びスパン割とこれらを採用した理由
② 小ホールの構造計画について工夫したこと
(3)設備計画について、次の①~③の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 吹抜け部分における冬期の空調設備計画において、快適な温熱環境を提供する観点から注意すべき点及びその対応策(空調の吹出口の位置・形式、吸込口の位置等)
② 一般開架スペースにおける自然採光及ぴ日射遮蔽について工夫したこと
③ 小ホールの空調機械室の位置と給気・還気ダクトのルート(ダクトスペース)について工夫したこと

【平成23年】介護老人保健施設(通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。)
(1)建築計画について、次の①~③の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 駐車場及び車寄せの計画について、その位置とした理由及び動線計画において工夫したこと
② レクリエーションルームの計画について、その位置とした理由及び動線計画において工夫したこと
③ 療養室A及びBの計画について、その位置とした理由及び動線計画(避難計画を含む。)において工夫したこと
(2)構造計画について、次の①及び②の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 建築物に採用した構造種別、架搆形式及びスパン割とこれらを採用した理由
② スラブ及び小梁の架け方について、工夫したこと
(3)設備計画について、次の①~③の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 空調設備、給排水衛生設備及び電気設備における光熱費の削減のための「設備方式・手法」及び「その具体的な削減効果」について四つ記述すること
② 「受水槽及び給水ポンプ」及び「受変電設備」について、その設置場所を記入し、維持管理又は機器からの騒音・振動防止の観点から工夫したこと
③ 地震等の災害に対する設備計画について、「設備の損傷防止」、「停電」及び「断水」のうちから二つ選択し、対応策を記述すること(停電や断水は3口程度を想定する。)

【平成22年】小都市に建つ美術館
(1)建築計画について、次の①~④の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 建築物のアプローチの計画について、その位置とした理由及び動線計画において工夫したこと
② 常設展示室及び市民ギャラリーの計画について、その配置とした理由及び動線計画において工夫したこと
③ 収蔵庫(搬出人経路等を含む。)の計画について、その配置とした理由及び動線計画(避難計画を含む。)において工夫したこと
④ 屋外創作広場(アトリエ、公園及び遊歩道との関係を含む。)の計画について、その配置とした理由及び動線計画において工夫したこと
(2)構造計画について、次の①及び②の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 建築物に採用した構造種別、架搆形式及びスパン割とこれらを採用した理由
② 市民ギャラリーを無中空間とする構造計画について、工夫したこと
(3)設備計画について、次の①~③の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分についても記述する。
① 常設展示室、エントランスホール及び研修室に採用した空調方式と採用した理由
② 収蔵庫に必要な環境条件を満たすための建築的手法(構造、内装等)及び設備的手法(採用した空調方式と採用した理由等)について、工夫したこと
③ 常設展示室の照明計画について、工夫したこと


過去の計画の要点については、すでに一度は自学で研究しているでしょうから、こんな内容が出されたのだと頭の片隅においたり、紹介している勉強法を参考にしてアウトプットしてみるといいでしょう。

是非実践してみてください。


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