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平成27年本試験デイサービス付き高齢者向け集合住宅 添削解説①

この記事は、あなたと同じ今年の製図試験を受ける受験生がこの1ヶ月の間にといた

【平成27年本試験】
市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅(基礎免震構造を採用した建築物である)

のプラン・エスキスを所長が添削し、合格図面を目指すという前提においてのプランの欠点や、その欠点を生み出してしまったエスキスの思考について解説していくものです。

今回の記事は、

「ゾーニングが苦手」
「スパン計画が苦手」

という悩みの解決の手助けになる記事です。

今月のサンプル案は2案ともこのあたりの理解不足がプランに現れていました。

当てはまると感じた受験生には実益のある内容ですので、是非読んで他者の失敗から教訓を学び、自己改善につなげてください。


1)はじめに

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

とはよく聞く言葉ですが、まさに製図試験においてもそのとおり。

一般的に言っても、失敗事例からの学び負けを考察できるので大きな学習効果が見込めます。

(そういった意味でも、ストレート合格者からの意見はあまり鵜呑みにしないほうがよいでしょう)


ゴールデンウィークも終わり、いよいよ夏に向けて本格的にエンジンをかけ始めたところでしょうか。

まとまった休みにやろうと思っていたことは全て完了できたでしょうか?
インプットとアウトプットは常に同時進行です。

課題ごとに実践と改善のサイクルを回していくことが合格への最短ルート。

やりっぱなし・解きっぱなしにせず、ミスを改善し、エスキスや作図においてミスをしない仕組みを構築していくようにしてください。
(それができないとまた落ちます)


2)5月定期購読マガジンのテーマ

サンプルプランとしてご協力いただいた2案ですが、両方とも短辺3スパンを採用したプランで、同じような指摘事項がありました。

そこで、今月のテーマは

「スパン計画とゾーニング」

として話を進めていきたいと思います。


突然ですが、あなたはスパン計画は得意ですか?

まぁそもそも論として得意でないからこの記事を読んでくださっていることだと思います。

「スパン計画」って受験生にとっては鬼門ですよね。
どうやって考え決めていけばいいのか分からない受験生は多いと思います。

今回の添削解説はそのあたりのヒントにもなるので、隅々までしっかり読んでいくようにしてください。

2案とも同じ内容の指摘事項が多くありますので、今回この解説①の記事で課題やその捉え方について丁寧に解説していきます。

解説②より解説①のほうが、課題内容やプラン構成、そしてエスキス手順の不足事項に丁寧に言及しているので、単品購入をお考えの方はこの解説①の記事をオススメします。


3)平成27年本試験課題の特徴

以下に、今回のテーマに関わる平成27本試験課題の特徴をまとめます。

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