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謎の研究所「産総研」に潜入!①光を99.98%吸収する黒い新素材!②電気を水素に貯める「水素吸蔵合金」③木を新素材に変身させちゃう魔法の技術「木質流動成形」④300℃で熱しても熱くならない摩訶不思議な儲かりレンガが登場!そのヒミツとは!?

今回のがっちりマンデー!!は…
儲かる「研究所」!

日本には、あんまり知られてないけど、
「明日の儲かり」を研究しているスゴい研究所がたくさんある!

そこで今回、
番組スタッフが注目した研究所は…
「産総研」!…んん!?
おそらく、ほとんどの人が知らないと思いますが、

正式名称「産業技術総合研究所」は、
あの経済産業省が管轄。
あらゆるジャンルの儲かり新技術を、
考えまくっている「国の研究機関」!
しかも…
年間予算1100億円!ということで、

「産総研」の研究室をのぞいてみたら…
見たこともない「儲かりの種」が、
続々 芽吹き始めていた!

水素を貯める合金!?
世界のエネルギー事情を一変させる、
ナゾの儲かり合金の正体とは!?

300度でも触れるレンガ!?
めちゃくちゃ熱いのに触れる!?
摩訶不思議な儲かりレンガが登場!!

日本の未来が明るくなる、儲かる研究所「産総研」に迫ります!
※以下、7月16日放送の書き起こしです。

光を99.98%吸収する黒い新素材!「至高の暗黒シート」

スタッフが向かったのは、茨城県つくば市にある…

「産業技術総合研究所」
お出迎え頂いたのは、ブランディング広報部長の宮崎歴さん。

スタッフ:めちゃくちゃ広いですね。
宮崎さん:はい。全体で、ディズニーランドとディズニーシーを合わせたぐらいの面積になります。

200ヘクタールという広大な敷地内には、研究棟が全部で150棟以上。でも、ここだけじゃない!

宮崎さん:日本に12ヵ所、研究所がありまして、研究員が2300名ほどいます。

全国12カ所の研究所で、2300名ほどの研究員が3000テーマを超える「儲かり研究」を行っているんです!

そんな無数の研究の中で、まず向かった研究室は…

雨宮さん:物理計測標準研究部門 応用光計測研究グループの雨宮です。

何を研究しているのかさっぱりわかりませんが、どんな「儲かりの種」を研究してるんですか?

雨宮さん:黒の研究をしております。世界の黒の歴史を塗り替える研究をしております。

雨宮さん曰く、とんでもなく真っ黒な「黒」の開発に成功したのだという…

雨宮さん:これは、その辺で手に入る黒いプラスチック板です。

十分黒いように思えますが…

雨宮さん:私たちの黒をご覧になってください。これです。

スタッフ:ええ!?真っ黒!
雨宮さん:真っ黒ですね。「至高の暗黒シート」です。

雨宮さんが、10年の歳月をかけて開発したのが、「至高の暗黒シート」

従来の「黒」と比べると、確かに黒い!

この「至高の暗黒シート」、光を当ててもとにかく反射しないのが一番の売り。これを活かして…

車のフロントガラス下のダッシュボードや…

カメラや望遠鏡などの筒の内側…

スマホの画面など、あらゆるところでの活躍が期待されているんです!これは、儲かりそう!
でも、なんで光を反射しないのでしょうか?雨宮さんによると、表面の構造にヒミツがあるという…

雨宮さん:従来だと表面が真っ平なので、光が入ってきた時に反射したら、この反射はすべて逃げて行ってしまう。反射率は4%くらい。鏡のように映り込みが生じてしまいます。

実は、色の中でも黒は一番光を反射しない色で、ほとんどを吸収しちゃう。反射率はほんの4%。ところが、雨宮さんがつくった「暗黒シート」は…

雨宮さん:反射率は…0.02%になります。

なんと普通の黒の200分の1しか光を反射しないんです!一体、どういう風に作っているのでしょうか?「暗黒シート」を作ってるところを見せてもらうと…

雨宮さん:黒の元になる樹脂の液体を塗り伸ばしてるところです。真っ平らに伸ばした黒い塗料の表面に…

「暗黒シート」になる型を載せ…黒い塗料が乾いたところでゆっくり剥がしていくと…

真っ黒な「暗黒シート」があっという間に完成!早い!
ということで、塗料の表面を電子顕微鏡で超拡大して見てみると…

なんとギザギザにとがっています!

雨宮さん:これは「光閉じ込め構造」と呼んでいます。光が入って、反射して吸収して、反射して吸収してを繰り返す内に、反射がほとんどゼロになります。

このとんがった黒が、わずかな反射も奥にどんどん送りこむ!

先端がわずかに丸いだけでも、暗黒シートにならないんだとか!現在、実用化に向け鋭意開発中の雨宮さん!研究、頑張ってください!

「至高の暗黒シート」で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:「至高の暗黒シート」は、他にどんなことに応用できますか?
雨宮さん:私自身は「世の中の黒いものをただひたすら黒くする」、それだけで格好いいかなと、思ってたりするんですけど。
加藤さん:それいいですね?その発想、好きだな。

電気を水素に貯めて、使いたい時に再利用できる「水素吸蔵合金」とは?

続いてスタッフが向かったのは…福島県郡山市にある…

「産総研 福島再生可能エネルギー研究所」

お出迎え頂いたのは、研究員10年目の遠藤成輝さん。では、今 研究中の儲かりの種を教えてください!

遠藤さん:これが「産総研」が開発した「水素吸蔵合金」になります。

ん?水素吸蔵合金?

遠藤さん:水素を貯める合金です。

これ、何の役に立つのか、さっぱり分からないんですけど…

遠藤さん:再生可能エネルギーで余った電気を水素に変えて、その変えた水素を貯める。電気が欲しい時に水素を取り出し、燃料電池で発電して使う。

説明しよう!

今 流行の太陽光発電など、どんな発電でも一番難しいのが「作った電気を貯めておく」こと。

この「水素吸蔵合金」は、電気を電池とかに貯めるんじゃなくて、水素に変えて金属に吸わせておくという、全く新しい蓄電システム!何が良いかというと…

遠藤さん:水素という物質にして貯められるので、半永久的に貯められます。
スタッフ:どれくらいの期間貯められるんですか?
遠藤さん:電池だと自己放電があるので、蓄電期間が1日~1週間くらいって言われています。

しかも、水素が持つ、とっても厄介な2つの問題も解決できちゃうという!

1つ目が…場所問題!

気体である水素は体積がデカい。たった90グラムで1立方メートルと、とにかくかさばるんです!しかし、「水素吸蔵合金」を使えば…

遠藤さん:この合金の中に、水素原子という形で体積の1000倍の水素を貯めることができます。

これは、たった10立方メートルの合金の中に、なんと1000リットル分の水素がストックできちゃう!そして、もうひとつ厄介な問題が…

スタッフ:水素って燃えやすい?
遠藤さん:危ないイメージはありますよね。
スタッフ:大丈夫なんですか?
遠藤さん:はい。この合金は燃えないです。水素を安全に貯められます。

火を近づけても、燃えやすい水素を含んでいるにも関わらずまったく燃えない!遠藤さん曰く、燃えないヒミツは合金にあるという!

遠藤さん:主に半分は鉄なんですよね。もう半分はチタン。そこから先は色々な元素が入ってるのでヒミツです。

半年かけて極秘のレシピを完成させた遠藤さん。そんな「産総研」の「水素吸蔵合金」に、早くも目をつけたのがあのビッグカンパニー!

遠藤さん:瀬川さん!
瀬川さん:清水建設の瀬川裕太です。
スタッフ:一緒に研究を?
瀬川さん:はい!

建物内に安全に大量に電気を蓄えられるとあって、「産総研」とタッグを組んで研究開発中!

スタッフ:ぶっちゃけ、清水建設が加わると研究開発費も変わるんですか?
遠藤さん:変わってきますね。
スタッフ:今まで「産総研」だけで研究していた時は?

遠藤さん:こんなもん。
スタッフ:清水建設とやることで?

遠藤さん:こんなもん!!やっぱ規模が違いますから!
瀬川さん:「産総研」の素晴らしい技術を使わせて頂いておりますので。

清水建設が加わったことで、研究開発が一気に加速!その結果…

なんと「産総研」の「水素吸蔵合金」を使った水素貯蔵タンクが完成していました!ズラッと並んだ20本のタンクで、一般家庭のなんと半年分、約180日分の電気がまかなえちゃう!

現在、日本全国の企業やビルのオーナーから問い合わせが殺到中なんだとか!

「産総研」は…「水素吸蔵合金」で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:水素のまま持っておくと、例えば災害の時とかって、そっから水素取り出して発電すれば、電気が使えるわけです。ビルの地下にあのタンクをたくさん入れておけば、そのビルがめちゃめちゃ災害に強くなる。
加藤さん:なるほど。スゴいことだよね!
カズレーザー(メイプル超合金)さん:スゴいことですよね。今までは、電気をずっと置いておけないから困るって話をみんなしてたのに。
加藤さん:この研究って、日本以外でやってる国とかあるんですか?
遠藤さん:世界中でやってます。
加藤さん:日本の進んでる速度というのは、どのくらいですか?
遠藤さん:世界でトップといっても過言ではないです。
加藤さん:スゴい!
カズレーザー(メイプル超合金)さん:マジで金の匂いがしますね。

木をドロドロにしてプラスチックみたいな新素材に変身させちゃう魔法の技術「木質流動成形」とは!?

続いてやってきたのは、愛知県にある…

「産総研・中部センター」。お出迎え頂いたのは…

三木さん:マルチマテリアル研究部門木質循環複合材料グループの三木恒久です。

これまた、さっぱり何をやってるのかつかめないグループ名ですが…三木さん、一体何を研究しているんですか?

三木さん:我々が開発した「木質流動成形」という技術になります。木材をですね、柔らかくして溶かしてドロドロにする技術です。

よく分からないので、まずはその「木質流動成形」とやらを見せていただくことに!

三木さん:これがヒノキですね。ノリが染み込ませてあります。

ヒノキの木片を2つ、プレス機にセットしたら…

上からギュギュっと押しつぶす!すると…!?

スタッフ:あれ、なんですかコレ?

三木さん:おちょこになります。

なんと!上からプレスした木片が、まるで粘土のように変形!表面スベスベでカチコチに固いおちょこになっちゃった!

加藤さん:全然、木だよね。木目みたいのはあるけど、持った感じプラスチックじゃない?
カズレーザー(メイプル超合金)さん:他の素材より軽く感じますね。
加藤さん:鉱物っぽい感じもするね。

まったく違う形のものができてきましたが、何が起こったのかと言うと…

三木さん:金型を150℃に加熱しておいて、そこに20トンの力を加えました。

コレがプレス機の内部の映像。加熱しながら圧力をかけ続けた、次の瞬間!

突然、木材が溶けはじめ、ドロドロに変形!

そう!三木さんが開発したのは、固い木をドロドロにしちゃう特殊なノリ。このノリを木材に染み込ませるだけで…

一定以上の高温高圧にした時に…

木の細胞が、滑って動く!

それが型にあわせて変形し、さらに高温になると、ノリが固まりカチコチになるというわけ。これが何に使えるかと言うと…

三木さん:石油からできているプラスチックだとか、そこを代替できるような、そういう材料に仕上げていきたいという風に考えています。

家電や車の内装など、様々な製品に使われるプラスチック。その代わりに木材が使えたら、スゴいことに!しかも、プラスチックより木材の方が熱で溶けないというメリットも!

「産総研」は…「木質流動成形」で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:これできたら、スゴくないですか!
森永さん:実は日本って、1人あたりのプラごみ廃棄量が世界第2位なんです。それを木に置き換えられたら、画期的な環境対策になりますよね。

300℃で熱しても熱くならないレンガのヒミツ!

続いてのスゴい研究者は…

福島さん:私、マルチマテリアル研究部門セラミック組織制御グループの福島学と申します。研究グループ長を仰せつかっております。

セラミック一筋20年の福島さんが今 研究中なのが…

福島さん:セラミックスのレンガの研究をしています。

パッと見は発泡スチロールみたいで、なんだか固そうには思えませんが…

確かにカチコチのレンガではありますが…何がスゴいんですか?福島さん!

福島さん:300℃で加熱しても、素手で触れるくらいの特殊なレンガになります。
スタッフ:え?

ちょっとよくわかりませんが、とりあえず、摂氏300℃とアツアツの超高温に熱したプレートに、普通のレンガと福島さん新開発のレンガを両方のせて炙ります!

30分後…
手前の通常のレンガは…

スタッフ:あっ!熱っ!
福島さん:はい、肉が焼けちゃうぐらいになっているので。
スタッフ:めちゃくちゃ熱いですね。レンガってこんなに熱くなるんですね。
福島さん:はい。

こんな状況で、まさか新開発のレンガが熱くないなんてことが…

スタッフ:あ、全然持てますね。
福島さん:はい!
スタッフ:スゴい!

うわ!本当に素手で持てちゃった!念のため、サーモカメラで見てみると…

通常のレンガは上側の表面が180℃もあるのに、新開発のレンガのほうは25.6℃と、ほぼ室温なみ!

福島さん:90%を超える断熱性を持っております。

このとんでもなく熱を通さない究極の断熱レンガ。一体何の役に立つのかというと…

そもそもレンガは、製鉄所の溶鉱炉や…

ゴミ焼却炉の内壁部分…

陶器やピザを焼く窯など、とにかく超高温で焼いたり溶かしたりするところを頑丈に支えるのに欠かせない素材。

ただ、従来のレンガは火に強い反面、中の熱をある程度外に逃がしてしまうという欠点が!ところが、この最新レンガなら…

福島さん:約40%燃費がよくなるという結果が出ています。

この断熱レンガを使えば中の熱が逃げない、つまり、より少ない燃料で炉や窯の中を同じくらい熱くできるというわけ!

となると、気になるのはこの断熱レンガの作り方。教えてください!

福島さん:実は、レンガの中が9割の空気からできております。空気の熱伝導率っていうのは、自然界の熱伝導率の中でも最も低いものの一つとなっております。

そう、ポイントは、レンガの中になるべくたくさんの空気を入れること。そこで…

福島さん:「産総研」が特許も保有しております「ゲル化凍結法」という方法で作っております。
スタッフ:「ゲル化凍結法」?
福島さん:実は高野豆腐をヒントに思いつきまして…

皆さん知ってますか?

高野豆腐というのは、豆腐を凍らせると水と豆乳が分離し、中に氷の粒ができます。

その後、水で戻して絞ると、氷があった部分が穴になり空気が含まれるという仕組み。というわけで、断熱レンガも…

福島さん:こういったゼリーのようなゲル体がございます。これを凍らせます。

「ゲル化凍結法」では、レンガの材料になるセラミックスの粉にゲル状の水を混ぜて凍結させます。

すると、高野豆腐のように氷の粒ができるのですが…

この時、ゲルの効果で通常の氷よりも大きく膨張。結果、セラミックスはギュギュっと押されて圧縮され、強度が増します。

最後に乾燥させると氷が解けてなくなり、空気の穴と固くなったセラミックスだけが残るという一石二鳥!

スタッフ:特許料というのは福島さん自身に入る?
福島さん:下世話な話ですけどもイエス!

それは良かった!

「産総研」は…「断熱レンガ」で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:これも歴史変わりますよね。すべてのレンガが置き換わりそうだよね。
森永さん:家の壁をあれで造ったらものすごくいいと思いますよ。

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