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昨日のウェルチ

おじいちゃんはボーイスカウトに熱心だった。私は女の子だけど3歳の時にはボーイスカウトの一員としてキャンプに行ったり慈善活動に参加したり、家庭内のお困りごとより世間のお困りごと、なおじいちゃんに着いて回った。性別への無頓着さと偽善はここで一通り身につけて、肌身離さずあったはずなのだけれど、最近は偽善の方が偽善たらしめない態度である。無垢無垢な頃の偽善には必ずきちんと見返りが折り込み済みでそれこそが偽善を偽善として成り立たせていたが、此の所はただのお人好しに成り下がっていた。ここでいう見返りとは赤い羽であったり、すごいねえらいねの賛辞であったり、帰り道のスプライトだった。ウェルチだった時もあればポンジュースだった時もある。大人になったと感じ得たのはいつだったか。私の場合は物哀しいことに、偽善がただの善になり善だったはずが損になっていたときだ。自己満足と呼ばれる時もあればお節介とされる時もある。

それで、昨日色々とやめた。まずは一思いに箸を使うのをやめてみた。要らなくなった箸と取り箸と菜箸を全て猫にあげることにして、ついでに寄せ箸もねぶり箸もおまけにつけた。前脚に蹴られて、からりからりと転げる箸を見て腹が捩れるほど大笑いした。

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