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部活って、学生にとって何?

gabritoと申す。大学生。飽きてしまう前に一番書きたいことを書いておこうと思う。

サッカーを始めて12年目の高校2年生の冬、僕は部活を辞めた。人生のほとんどを賭して真剣に向き合ってきたものから身を引くは、一口に「大きな決断」と表現することはできない。当時はそう思っていた。

事実、僕は1年間悩んだ。サッカー人生の12分の1というのは振り返ると短く思えるが、渦中の僕には途方もない期間だったということを言っておこう。練習で怒られ、帰宅して涙、試合で怒鳴られ、帰宅して涙。「365日」そんな生活をしたと書くと、1年と書くより長く聞こえるかもしれない。

自分の成長が止まる間にメキメキと実力を上げていったチームメイトたちも、何度も僕に罵声を浴びせてきた監督も、「じゃあどうぞ、辞めておくんなまし」と言うわけがなかった。説得してくれ、引き留めてくれた。逆にそれが辛かった。罪悪感というものを背負うからである。友人に、そして親友に迷惑がかかると思い始めると、人間なかなか所属している場所から抜け出せなくなるものだ。親にも莫大な負担をかけていたし、このままあっさり10年以上育て上げてきたものを手放していいのだろうかと、何度も何度も考えた。


だが、冒頭で述べたように、最終的に僕は部活を辞めた。理由はあえて書かない。僕が言いたいこととはあまり関係がないから。結果として、それは最良の決断だったと思うし、単なる一個人の決断に過ぎないとも思う。


部活とは、ある種の集団行動を学ぶ場である。強度はどうであれ、集まった者たちが同じ目標を掲げ同じ釜の飯を食い、汗を流す。集団、帰属意識をはぐくむにはもってこいの場所である。と聞くと簡単に納得できてしまいそうだが、本当にそれほど大きな意味を持つものなんだろうか?

内部にいるメンバーにとって部活がそのような存在であることは、経験談として賛同できる。だが、一度外に出てしまってから、そんな考えはすぐに消散してしまった。部員というつながりは、思ったよりもショボいものだった。僕にとって、顧問は顧問じゃなくてもずっと学校教師であり、部員は部員じゃなくても友達のままだったからだ。落ち目を感じることは徐々になくなっていった。5年間一緒に戦ってきた元部員たちは、今でも、みんな人生で一番仲のいい友人たちだ。

そんなものなのだ、部活なんて。たまたまやりたいことが同じ気が合う人たちが集まって、なんかそれだけだとまとまりがないから一応大人が付いていてくれているだけ。辞めたからと言って居なくなるような友達は、こちらから願い下げということでいい。

だからって、適当にやっていいものではない。そもそも好きなものなのだから、限られた時間の中でできる限りのことを全力でやるべきだ。僕が言いたいのはそういう短絡的なことではない。「部活」を「組織」と考えすぎてはいけないということである。先輩も後輩も、ただ生まれた年が違うだけ。キャプテンも、ある程度まとめる人がいるほうがいいんじゃね?ってだけ。究極は、たまたま同じことがしたい人の集まりである。嫌になったらすぐやめてしまえばいい。それはもう「やりたいこと」ではなくなってしまっているから、そもそも集まりにいる必要がないのだ。


僕がこの文章を書いたのには理由がある。僕の後輩でありキャプテンだった子が、内部告発のような形で(やや時代遅れにも思える)練習メニューを公開すると同時に部活を辞めるとSNSに投稿し、それがかなり拡散されていたからだ。

彼は「自分のやりたいことを見つめ直した」と記していた。「なるほど、それならしょうがないね。いいんじゃない?」と世間は言わなかった。「走らせてばかりの練習は非効率だ!ありえない!馬鹿げている!」という人がいた。またある人が「こういう人材がサッカー界を変えていくんだ!」だってさ。そんな訳ないじゃん。そんなこと言われるなら自分もつぶやいとけばよかった。(笑)

練習メニューも、入ってからいきなり伝えられたわけではない。間違っているかもしれないけど、それを承知の上で、好きなことをやりに来ているのである。それを考えるのは顧問とコーチであり、行うのは選手である。あとは皆他人だ。ただ単に、一人の高校生が「ちょっと好みが変わったから新しいことしてみようとしているんだー」、って言っているだけである。


長くなってしまった。要は、思ってるほど部活ってシリアスなものじゃないんじゃない?ということだ。沢山の中高生が部活に入って青春を送っているだろうし、一方で僕のように辞めようかと思っている人も多いだろう。やりたければやればいいし、やりたくなくなったんなら辞めればいい。他人は自分ではないけど自分は自分なのだから。好きなこと始めようぜ。


80年生きられると聞くと長いかもしれないけど、960か月と聞くと短いんじゃない?

くどいか。





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