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ahamoの失敗に学ぶマーケティングの本質

こんにちわ。ken(@kennoid)と申します。
普段は都内で、マーケティングや事業作りをやったりしております。
マーケティングの発信を増やすべく、今までの好き勝手に書いていたnoteとは別に、仕事のnoteを書いていこうと思いました。
煽り気味のタイトルで失礼します。

そもそもずっと楽天モバイルをやめたかった

こちらを書いている本日は、2021年3月26日でahamoミレニアムデーです。
ーモンスターハンターライズミレニアムでーでもありますが、私は今デジモンに夢中なのでもう少し後になりそうですー

私は楽天モバイルを使っていたのですが、楽天本社近くの建物の中で圏外になったのに嫌気がさしていました。
また、一つ買っただけで無限に届くメルマガにもずっと疑問があり、楽天経済圏自体に懸念を抱きつつも、使い続けており、「便利でお得なんだけど、ずっと好きじゃなかったしこれからもきっと好きにはならない。」みたいな、思春期に恋人に抱く想いに似たようなものを、楽天全体に対して抱いておりました。

価格が安いサブブランドで、5Gも体験してみたい。Tポイントやyahoo系は使ってないし、浜辺美波が素敵すぎるという理由でahamoを最優先に検討。
dアカウントを持っていなかったのと、事前エントリーキャンペーンなるものの案内がSMSに届いたため、アカウントを作成をしつつ、「これで楽天経済圏におさらばできるのかな」などと期待を込めて登録完了ボタンを押し、3/26の公開を待っていたわけであります。
そして3/26の今日公開されたマイページをみてたら、docomoの体制が透けて見えるようで、私が「ここは改善したほうが良い」と思うことが多く見えたので、自戒の念も込めてここにまとめます。

マイページのファーストビューに申し込み用のアクションボタンがない

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確かにマイページというものはアーキテクトの性質上、申し込んだ後に発行される物であります。
しかし、ahamoの場合、事前登録キャンペーンでdアカウントを事前に作らせています。
特に携帯電話の変更の場合、前キャリアから発行されたMNP登録などクローズドな個人情報の入力が必要とされます。
クローズドな情報を早く入力し、早くサービスを体験するために事前にマイページを作るという理由であれば、事前申し込みキャンペーンからのUXは成り立つのですが、どうやらただ担当者が早く集客したかっただけのようでした。
ちなみに、マイページと1日睨めっこしてもまだ申し込み用のリンクが見つかりません。

私ならこうしてた→
1.事前申し込みができる体験をキャンペーンユーザーに設ける
2.マイページ内にもCVボタンをつける
3.マイページの滞在時間が長い、かつ、未契約のユーザーにはポップアップで誘導


Webページにアクセスするたびにアニメーションを見せつけられる

まずはこちらのサイトをご覧ください。

かっこいいですよね。ギュンギュン画面が動いて。
おじさんの目にはちょっと負荷が高いのは一旦さておき。

広告は、コンバージョンするまで一貫したクリエイティブで提供して行った方が良いのは通説としてあります。
路上にあるお店を想像すると、ハンバーガーを食べたいと漠然と考えている時、マクドナルドのユニフォームを着た方から声をかけられてマクドナルドへ誘導されると安心して入店できるのですが、私服の方から声をかけられると警戒すると思います。
実際に、広告とWebサイトが一貫性があった方がCVRが上がるという経験は、多くのマーケターがしていると思います。

ただ、思い返して欲しいのですが、お客様がこのサイトに求めていることはサービスの説明や申し込みなど、前向きに知ろうとして訪れるのであります。
そもそも友好的な状態でいらっしゃる方に、余計な待ち時間を発生させるアニメーションは果たして必要でしょうか。
ahamoのサイトをディレクションしている時、自分たちが契約しようと思って作ったのでしょうか。
顧客視点を忘れてませんかね。

営業時間が決まっているお店とは違い、いつでも好きな時に主体的な行動によってアクセスされるのがWebサイトです。
そういう性質なものに必要なのは、アートではなくデザインではないでしょうか。

アートは表現であり、デザインは課題の解決です。
本質的な役割とコミュニケーションを忘れてしまっていないでしょうか。

先生に採点してみてもらいましょう。

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ほら、Google先生からも怒られてる。

私ならこうしてた→
1.Webサイトは最大限シンプル・ギガを消費しない形に。
2.芸能人の動画クリエイティブは、ブランドムービーではなく、メイキングを配置して特典感を。
3.マイページに特典のメッセージ動画やクリエイティブなどを追加
4.「若年層に当てたいクリエイティブ」というペルソナ思考を捨て、もっと若者を信じて良いサービスを作る。そしてサービス自体をアピール。
5.「docomoである」というブランド思考は捨て、なるべく消費者と同じ目線になる。


なぜ顧客視点を忘れてしまうのか

顧客視点を思わず忘れてしまうマーケティングチームには特徴があります。それは、みんな真面目/リソースが足りない/スキルセットを論理的に把握できるマネージャーがいない/給料が高くない です。

マーケターは他のロールのメンバーと共通言語を持つことが少ないにも関わらず、率先して投資をしなければいけない部門であります。
そのため、会社のお金を使った見返りとして、「マネージャーへのレポート」みたいな、クソどうでもいい仕事に時間を費やさなければいけません。費用対効果の説明や稟議のための資料ですね。

レポートや根回しをする暇があったら、もっと顧客のために本質的な分析やクリエイティブ作成、良い媒体への投資をしたいというのが多くの担当者が直面されている状況ではないでしょうか。

顧客視点を忘れないマーケチームの作り方

マーケティングチームには、以下の要素が必須と考えます。
①多様性
②拘りではなく、許容と受け入れができる高い次元の精神
③好奇心を醸成できるマネージャー
④IT・アートなどのベーススキル
⑤属人的なKPIとKPIを適切に移転できる非コンサルティングなマネージャー
⑥マネージャーにちゃんとした高い報酬を払う

生活の余裕は人としての余裕に繋がります。マネージャーの余裕はチームに伝染します。
給与をケチって結果が鈍るぐらいならちゃんとした人にちゃんとお金を払ったり権限委譲した方が後々回収できることが多いです。

思い返してみると、人とのコミュニケーションや相互理解はユーモアと許容によって生まれます。
それが、企業という皮をかぶるとなぜか身を構えてしまう方が多い。
今一度、コミュニケーションの本質に立ち返って良いのではないでしょうか。


例外:本人確認書類のハードルが高い

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日本人の本人確認がほとんど免許証で済むように、外国人である私の本人確認はほとんど在留カードで済みます。クレジットカードさえ作れてしまいます。
しかし、ahamoのアーキテクトでは、永住権を持たない外国人の場合、在留カード/外国発行のパスポートを要求してくるという、クレジットカードよりもハードルの高い二重掲示を要求してきました。
こればかりは、ahamoが悪いわけではなく今まで積み重なってきた痛みがあると思うのでお察ししますが、
日本に永住するつもりで税金をガボガボ払いながら住んでる外国人って、大体パスポートを大事にしまってると思うんですよね。
以上、閉まってある棚から取り出すのがめんどくさいという愚痴でした。

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