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ゴミの分別は必要ない?情報収集する中で見えてきた意外な事実とは

ゴミの分別に関する記事(当記事)を執筆しようと思い立ったとき、当たり前のように「ゴミはしっかり分別すべき」という結論になると考えていました。

自治体がゴミの分別をルールにしているわけですから、みなさんも同じように考える人が大半でしょう。

しかしネットでの情報収集を開始すると、仮説はすぐに覆されました。

ゴミ 分別 必要性』というワードで検索したところ、1位表示されていたのがこの記事↓

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いきなりゴミ拾いを否定する記事が出てきて戸惑いつつも、読んでみると内容は非常に興味深いものでした。

今の社会ではルールを破ることになるため「ゴミの分別は必要ない」と主張するつもりは決してありませんが、地球の未来のために、現実に目を向ける必要があります。

なぜゴミの分別は必要だと言われているのか

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一般的にゴミの分別が必要とされている主な理由は次のようになります。

・ゴミを衛生的に処理するため
・限りある資源を再利用するため
・リサイクルによってゴミを減らすため
・ゴミ焼却時に発生する温室効果ガスを削減するため
・ゴミの焼却効率を上げて焼却炉や埋立地を延命するため

どれも合理的で納得させられます。

衛生的な処理やリサイクルによるゴミの削減につながるということは何となくわかっていても、焼却効率を上げて焼却炉や埋立地を延命する目的があることを知っていた人は少ないのではないでしょうか。

これだけ見るとメリットばかりに思えますが、現実はそうはいかないようです。

それではゴミは分別しなくてもいいと主張する意見も見ていきましょう。

「ゴミの分別は必要ない」という主張

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ゴミの分別は必要ないとされる主な理由は次の3つです。

①分別・リサイクルするほうが資源もお金もかかるため
②回収されたプラスチックの7割以上が燃やされているため
③回収されたプラスチックが行き先を失っているため

1つ1つ掘り下げて説明していきます。

①分別・リサイクルするほうが資源もお金もかかるため

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ゴミを種類によって分別し、一度自治体に運んで整理した後、業者に渡してリサイクルするとなると、分別せずにまとめて燃やすより資源もお金もかかるという意見もあります。

実際、ゴミを分別する必要がある地域のゴミ処理費用は、分別する必要がないの地域の処理費用より高い傾向にあり、廃家電の処理費用も家電リサイクル法ができたことで一台500円程度から3,000円程度にまで上がりました。

資源に関しては単純に比較できませんが、リサイクルするまでの複雑な過程で環境を汚染することは想像できるでしょう。

回収されたプラスチックの7割以上が燃やされているため

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日本のプラスチックリサイクル率は84%と世界的に見ても高く、リサイクル先進国のように思えますが、実はこの数値には裏があります。

回収したプラスチックの7割近くがサーマルリサイクルされており、新しいプラスチックに生まれ変わることなく燃やされているのです。

サーマルリサイクルとは、不要になったプラスチックを燃やし、そのときに出る熱を発電に利用するという仕組みですが、循環していないためリサイクルと呼ぶのは無理があるでしょう。

サーマルリサイクルという言葉は和製英語であり、海外ではエネルギー回収と呼ばれています。

リサイクルと言っても伝わりません。

燃料にされてから燃やされ、熱エネルギーとして利用されているプラスチックもあります(ケミカルリサイクル)。

世界から見ると、日本で回収されたプラスチックの7割以上はリサイクルしているとは言えないのです。

これではゴミを分別する必要性も薄れてしまうでしょう。

③回収されたプラスチックが行き先を失っているため

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回収され、燃やさずにリサイクルされるプラスチックの多くは、これまで中国に輸出していました。

しかし、2018年に中国が廃プラスチックの輸入を禁止したことで、世界中のプラスチックごみが行き先を失ってしまったのです。

日本は世界2位のプラスチック輸出国であるため、年間で約800万トンの廃プラスチックを受け入れていた中国の輸入禁止は大きく影響しました。

結果として東南アジアの国々に輸出するようになり、整備されていないインフラでは大量のプラスチックを処理しきれずに環境汚染が進んでいるのです。

現地に住む人々の暮らしに甚大な被害をもたらしています。

ゴミの分別の必要性について

当記事ではゴミの分別の必要性についてさまざまの意見を取り上げてきました。

繰り返しになりますが、現状「ゴミの分別は必要ない」と主張するつもりはありません。

ただリサイクルの事実から目を背けてはいけないのです。

環境問題と向き合う中で、"常識"を疑ってみることを忘れないようにしてください。

マイボトルやマイバッグを常に持ち歩き、長期的に使用することでプラスチックの消費を減らすというように、できることから始めていきましょう。

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