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【世界のゴミ問題の現状と対策まとめ】特徴的な7か国を紹介します
ゴミ問題は年々深刻化しており、今やその影響をまったく受けていないという国は1つもありません。
環境汚染によって人々の生活が脅かされている国もあれば、独自に対策を進めて資源を循環させる仕組みを作っている国もあります。
先進的な取り組みと環境被害の実情を理解し、地球規模の問題解決に向けて協力していく必要があるでしょう。
少しでも世界のゴミ問題の現状と対策について知っていただければと思い、今回は特徴的な7か国をピックアップして紹介していきます。
ドイツ
ドイツは代表的な環境先進国の1つです。
「循環経済・廃棄物法」という法律が制定されており、循環型社会の実現に向けて資源・エネルギー効率を高めたり、廃棄部分の少ない製品を開発したり、環境に優しいゴミ処理方法を確保したりしています。
製造者や販売者には「製品責任」があり、焼却処分する際のダイオキシンやリサイクルのことまで考えて製造しなければ販売できません。作る人があらかじめ処理方法まで決めておくことで、ゴミ問題の発生を防げるでしょう。
また使い捨て容器には高い税金が課せられ、一部の飲み物のびんやペットボトルにはデポジット制度が導入されています。デポジット制度とは、元から販売価格に容器代を上乗せして売り、飲み終わった容器を返却すれば容器代のお金が返ってくるという仕組みで、リサイクルの普及を促進しています。
環境教育にも力を入れており、小学校1年生のころからゴミの分別やリサイクルついて学ぶ地域もあるようです。
スウェーデン
スウェーデンも世界トップレベルの環境意識を持つ国として知られています。
ストックホルムにあるエコシティ地区では、燃えるゴミを燃やして発電したり、下水処理した後の汚泥からバイオガスを作って燃料として利用したりしています。
家庭ゴミのリサイクル率は脅威の99%。キャパシティに余裕があるため、近隣諸国からゴミを輸入してエネルギーに変えているそうです。
ドイツと同様、環境教育も大切にしており、熱心に取り組んでいる学校を認める「グリーンフラッグ」という制度があります。すべての学級が環境について学び、1~2年間の取り組みをレポートとして認証団体に提出することで旗を受け取れます。
アメリカ
アメリカのサンフランシスコ市は「2020年までにゴミをゼロにする」という目標を掲げ、さまざまな対策を行ってきました。
ゴミの3種分別収集を基本とする「ファンタスティック3」では、リサイクルできる資源物を青色のカート、堆肥化できるゴミを緑色のカート、埋め立てるゴミを黒色のカートに分け、黒色のカートだけ収集料金を設けることで分別を推進しています。
4R活動(リデュース、リユース、リサイクル、ロット)にも取り組んでおり、公共の場所でペットボトルの販売を禁止して水筒に水を補給できる場所を整備したり、ゴミを使ったアート制作が行われたりしています。
結果として2011年時点でゴミ転換率(ゴミをリサイクルやリデュース、堆肥化などで利用した割合のことで、全米の平均は34%だった)78%を達成し、世界最高水準の循環システムを作り上げました。
シンガポール
シンガポールは近年の急激な経済発展によりゴミ排出量が増加し、2017年の排出量は40年前の7倍である770万トンに達しました。
国土が狭いこともあり、唯一の埋め立て場であるセカマウ島は2035年までに満杯になると予測されているため、早急な対処が求められるでしょう。
また街の景観を美しく保つための厳しい罰金制度が有名で、例を挙げると以下のようなものがあります。
・ポイ捨て:初犯で最高8万円、再犯で最高16万円
・つばの吐き捨て:8万円
・喫煙所以外での喫煙:8万円
・ガムの持ち込み:80万円
世界一清潔で衛生的な国とされるシンガポールですが、厳しい罰金が功を奏したと言われています。
— 【公式】MyGOMI. (マイゴミ) (@MyGOMI_OFFICIAL) September 17, 2020
・ポイ捨て:初犯で最高8万円、再犯で最高16万円
・つばの吐き捨て:8万円
・喫煙所以外での喫煙:8万円
・ガムの持ち込み:80万円
平和的に解決したいですが、こういう手段もありかもしれませんね🤔
中国
容器包装プラスチック廃棄量世界1位の中国では「白色汚染」と呼ばれるプラスチックによる海洋や土壌などの汚染が深刻化しており、2007年よりレジ袋の生産・販売・使用を禁止する「限塑令」などの対策を行ってきましたが、問題は解決に向かうどころか悪化するばかりでした。
2016年に中国が輸入した廃プラスチックは730万トン。これは世界全体の約56%という驚異的な量でした。そこで2018年からプラスチックを含む24種類のゴミの受け入れを禁止すると発表。大量のプラスチックが行き場を失いました。
マレーシア
中国がプラスチックの輸入を禁止した後、行き場をなくしたプラスチックゴミは、マレーシアを含む東南アジアの国々に輸出されるようになりました。
マレーシアの問題は特に深刻で、違法のゴミ処理施設がインフラの整っていない状態で廃プラスチックの受け入れを進めるため、有毒ガスの対策をせずに屋外で燃やして処理したり、外に放置したりしています。
2019年には3,737トンのプラスチックゴミを富裕国に送り返したことを発表しました。
MALAYSIA TELAH MENGHANTAR PULANG 150 KONTENA SISA PLASTIK DENGAN ANGGARAN 3,737 METRIK TAN KE NEGARA PENGEKSPORT TANPA SEBARANG KOS
— Yeo Bee Yin (@yeobeeyin) January 20, 2020
Kerajaan tegas akan terus memerangi pencemaran rentas sempadan pic.twitter.com/h09e9zGqls
日本
日本国内で1年間に消費される量は、ペットボトルが232億本、レジ袋が400億枚。プラスチック輸出量世界第2位、人口1人当たりの包装容器プラスチック廃棄量世界第2位のプラスチック大国であり、日本近海のマイクロプラスチック濃度は世界平均の27倍にもなることから、海洋プラスチック問題と深く関わっている国と言えます。
徳島県の上勝町は日本初のゼロ・ウェイストタウンとして知られており、人口1,600人あまりの小さな町ですが、リサイクル率は80%を超えています。
全国的には2020年7月からレジ袋の有料化が始まりましたが、国民の環境意識が低く、まだ対策が進んでいないと言えるでしょう。
世界のゴミ問題の現状と対策まとめ
今回は世界のゴミ問題の現状と対策について、特徴的な7か国をピックアップして紹介しました。
ゴミ問題は人類共通の課題なので、1人1人が意識を変えていかなければ解決できません。
少しずつ知識を深め、行動を変えていきましょう。
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