ヤマシタ•ジョージ•ヒデキ

余白、余韻、余暇、余裕、余談 余計なモノこそ価値がある    そんな世界観 草花を…

ヤマシタ•ジョージ•ヒデキ

余白、余韻、余暇、余裕、余談 余計なモノこそ価値がある    そんな世界観 草花を紡ぐように、意識を繋ぐ          昼寝も出来ないそんな世の中じゃポイズン

最近の記事

青いリンゴ

思い出は、そのままでいい。 かつての自分は、今の自分ではない。 あの時代に生きた私は、今を生きる私とは別の存在 だから、今は何も手を加えず、そのままにしておくのが良い。 遥か彼方へ飛ぶ渡り鳥の行き先に思いを馳せる。 そんな空想は、素晴らしい宝物であるべきだ。 記憶が消えても、辿った軌跡は消えることはない。 それだけで十分ではないだろうか。 それ以上に、あなたは何を求めているのだろう?

    • 新宿リカージョン

      翠緑が深く息づく山麓の隠れ家にて 私は、天の広がりを仰ぎ見る 鳥たちの群れが、競うが如く 彼方へと彼方へと、飛翔してゆく ふと足を進めた先日 清らかな湧水に出逢い この地に、もうしばらく留まろうかと 心が囁いた

      • 吉川キャッツ

        「またか」と、心の中で嘆く。エンドレスに繰り返される失敗。深いため息とともに、自分の浅はかさに気づく。予想外の敗北。悔しい…これほどに悔しいことはない。 「挑戦することに、意味はあるのだろうか?」 そんな疑問が、心の中で渦巻く。行動したことによる後悔は、本当にないのだろうか。 予想をはるかに超える失敗。考えれば、こんな結末も予見できたはず。でも、周囲の声に惑わされ、自分らしさを見失ってしまった。 いつもと同じパターン。熱中する自分と、取り残される周囲。誰も私を理解してく

        • 南越谷ハードボイルド

          コンビニのドアが閉まると、潮の匂いが街を包んだ。それは遠い記憶を呼び起こすが、同時に新鮮な刺激となる。遠くには、無言で佇む山々と、冷たく静かな海が広がる。空の果てには、シラスのように小さな飛行機が、運命に逆らうように飛んでいた。 あの日、あの瞬間に戻りたいという焦燥感は、エターナルの空虚な網を何度も渡り歩いた。奇跡的に過去に戻れたが、現実は甘くない。時の流れは獰猛で、過去に割り込むのは不可能だった。 同じ道を辿るのなら、この試みは無意味だったのか。それとも、この苦痛が何か

          西浦和ハルキスト

          日々は、時間の糸を紡ぐように逃げていく 忘れられた記憶の断片は ゴミ箱の暗い角に静かに押し込められる アイツは、影のように 無表情で街を歩く 無邪気さは、夜空の星のように遠く もう、教えてくれる人はいない だから、去るしかない 去ることの迷いは、ジャズの旋律のように心に響く その代償は、ビールの泡のように消えていく もし未来が確実に明るければ 心の傷もただのスクラッチとなる でも、それはただの言い訳 広い荒野に一人立ち 風が吹き抜ける ライオンが現れるのを待っている

          オンリーロンリー

          逝去した時間の中で 孤独な将棋盤が静かに語りかける その角度は変わらず 絶望の淵に立ち尽くした駒たちの影が 虚空に消える夢のように淡く 悔恨の息吹を運ぶ 夕暮れは 日々の営みを優しく包み込む キッチンから立ち上る湯気が 遠い記憶の扉をそっと開ける 過ぎ去った夏の日々は 時の河に飲み込まれ 現実の彼方へと流れ去った 暗闇が支配する部屋の中で 遠くから聞こえる蝉の声が 時の無常を儚く歌う 彼女は今 どこで何をしているのだろう かつての繋がりは、遠い過去の霧の中 待ち受

          Afterglow of Love

          In twilight's hush, a soul's soft plea, Whispers of a past, a memory's key. In night's embrace, truths untold, A journey through time, forever bold. In heart's echo, a silent song, A dance of fate, where shadows belong. In eternal steps, a

          有料
          3,000

          東川口スパイラル

          終末の盤上で 運命のサイコロは力強く転がり その出目は予期せぬ宣告 「原点への回帰」 情熱は灰に、希望は煙に変わった 日常の義務、断ち切られぬ欲求 取り組む前の、一言による落胆 まるで運命のいたずらのように 我々は悲劇の影に沈み 無力なまま空を仰ぐ 生への執着は薄れ 理性は徐々に消失していく 冷笑するカラスの群れ 空疎な理想、現実離れした奇跡の祈り 幻想は積み木のように積み上げられ、崩れる 終わりのない始まりへの旅 朽ちゆく世界で小さな花を探し求め 儚い存在を受け入れる

          東川口スパイラル

          終末の盤上で 運命のサイコロは力強く転がり その出目は予期せぬ宣告 「原点への回帰」 情熱は灰に、希望は煙に変わった 日常の義務、断ち切られぬ欲求 取り組む前の、一言による落胆 まるで運命のいたずらのように 我々は悲劇の影に沈み 無力なまま空を仰ぐ 生への執着は薄れ 理性は徐々に消失していく 冷笑するカラスの群れ 空疎な理想、現実離れした奇跡の祈り 幻想は積み木のように積み上げられ、崩れる 終わりのない始まりへの旅 朽ちゆく世界で小さな花を探し求め 儚い存在を受け入れる

          西船橋リマインド

          何かが足りない。 すっぽりと穴が空いてしまったなような空虚で無気力で死にたくなる。 失恋や身内の不孝でもしてるならまだ理解のしようがあるけど、そんなものは何にも無く。ただただ何も興味がなく、目の前のおいしい話やセクシーな女性、道端の秋桜、雲一つない夜空に浮かぶ綺麗な満月さえも、なんだかどうでもよくなっており、ピクリとも反応しない。 お腹なんか減ってないのになんか食べたり、酒なんか別に飲みたくないのにいっぱい飲んだり、起きなきゃいけないのに、ギリギリまで寝てたり、絶対に言っ

          南銀一丁目

          遠く孤立した村の果て、時代を超えて続く家族の伝説が静かに息吹く。その深遠な縁に触れた私の魂は、離れがたい魅力に囚われた。 風が舞う少女の髪の中、肩に掛かったオレンジの紐がまるで運命の糸を引き締めるかのよう。その瞳には純粋さとともに、世界の複雑さが映し出されている。彼女のひと瞥を捉えたく、とてもそれを避けたくなった。 彼女が歩む未来はどのようなものか、心は終わりなき物語に沈んでいった。 夜の静寂が街を覆う中、夕日が紅橙の幻想を描き出す。微かに輝く月と遠くの汽笛が、過ぎ去っ

          東大宮ラプソディ

          楽しさに溺れ、我を忘れた帰り道 寂しさに突き動かされたあの日の夕暮れ 共に分かち合った絆は今は何処へ 咽び泣く蝉時雨  後光さす街を背に 長く伸びる影法師 砂に埋もれた化石のように あの日の記憶も次第に色褪せていく 気づけば遅く 届かぬ願い 儚さに酔い 縁石を目を閉じて歩く 足枷の刻む軌跡 空は病み 大地は消え 全てが宙に浮かぶ そして、再び原点に戻る

          「雨と、曲がり角と、予期せぬ出会い」

          家路を辿るはずの僕は、何故だか未知の曲がり角を選んでしまう。本来ならば数分で自宅へ辿り着く道筋なのに、僕は未知の方角への迂回を繰り返す。 日常は、単純なものを複雑に変え、食べてはいけないものを食べ、言ってはいけないことを口にするという、何とも不条理な行為に引き寄せられる。何度自分に「ダメだ」と思っても、それがかえって僕の欲求を刺激する。 未知の曲がり角の向こう側に、雨宿りする女性が現れる。僕は持ち合わせていた傘を差し出すと、彼女は後日お礼の食事へ誘ってくれた。そして、心躍

          「雨と、曲がり角と、予期せぬ出会い」

          高架線の下で見た景色

           現実世界では、煌めく物語はまれである。しかし、季節外れの心地よい風がボクの心にささやきかけ、席替えの瞬間に湧き上がる期待感が、胸いっぱいに広がっていく。  それは、ボクを物語の世界へと誘い込む隠れた力が働いているのかもしれない。  その力は、ボクに運命的な力が宿っているかのような錯覚をもたらす。  些細な瞬間に触れる感覚が、思ったよりも無力ではないボクを、意味深な存在へと変容させる。  虚栄心や承認欲求がボクの背中をそっと後押しし、心を揺さぶる。まるでマルチ商法の熱

          高架線の下で見た景色

          田園都市線中央林間行き

          夕暮れの空に煌めく金星は、まるでジャズの旋律が聞こえるかの如く美しく輝いていた。 狭く開いた車窓からは、雨上がりの雑木林の独特な香りが漂い、ボクは深く空気を肺へと吸い込み、ゆっくりと吐き出した。 オレンジ色の夕陽に照らされた深い闇を抱く木々は、まるで不思議な言葉を囁いているように見えた。 時を止める術など持たないボクだけど、確かにあの瞬間を生きていた。だが、その瞬間も終わりを迎え、新たな風景と人々が舞台を埋め尽くすだろう。 何度も繰り返される名作のように、時が過ぎるこ

          田園都市線中央林間行き

          武蔵野線沿線

           力弱くたたずむ君へ  慰めの言葉は僕には用意できない。だが、ただひとつ伝えたいことがある。君はまさに絶世の美しさを持っている。  君の存在そのものが、そして君の仕草や言葉、目を閉じる瞬間まで、すべてが奇跡のように感じる。  現実から飛び出してしまいそうな、その姿が僕をどこか別の世界へと誘っていく。  君の仕草が波のように大きく広がり、周りのすべてを包み込んでしまう。だが、君はその力の大きさに気づかぬまま、受け入れることも拒むこともしない。いつも謙遜した顔で遠い空ばかり眺