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G-Ups交流会 Swimmy ダイアローグレポート【第1回〜第4回】

<第1回>

開催日:2022年10月14日(金) 20:00~21:00

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<題材の記事>

「小学校の英語指導の謎」(執筆者 吉崎花)


<交流会での意見など(一部)>


・学校での文字指導は、企業に就職する際などに影響することが多いので、それを考えて一生懸命に指導している先生たちもいる。
・日本の英語教育は、将来受験があることにフォーカスした指導になりがちであり、「なぜ英語を学習するのか」という点が複雑になっている。
・記事にあったアルファベットの〇×が、何をみるテストなのかによっても、〇にするか×にするか変わってくる。例えば、文字の止めやはねをみるテストなら、厳しく採点するだろう。
・授業で「この文字はこう書きましょう。」などと伝えたことをテストで出題したのであれば、答えが×になった子も納得できるのではと思う。
・自分の答えが(よく考えたら)〇でもよいはずなのに、なぜ間違っているのか理解できない子どもにとっては、その教科を嫌ってしまう原因にもなる。
・子どもたちに「英語は楽しい」と思ってもらいながら学習してほしい。

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<参加者からいただいたご感想>


・私は学校で教えたことはありませんが、職業の垣根を超えて教員の皆さんと話ができたことで新たな視点から問題を見ることができました。子どもに関わる大人の一人として、立場を超えて大人が話し合うことは必要だと思います。
(吉崎花・子ども英語講師)
・いろいろな方々と交流や意見を聞くことができ、新たな気付きや様々な価値観などを知ることができ、自分自身、学びの多い時間でした。是非また参加したいと思いました。
(たか・小学校教員)
・初めての参加でした。教育に対して熱い理念をお持ちの方で、決して後ろ向きにならない未来のビジョンを語り合える場所だなと思いました。実は理想や夢を語る場は貴重です。G-upsの場は互いの高い志が混ざり合い、そこでの対話が現場での実践に活かせるパワーをいただける場になるだろうなと思いました。次回も楽しみにしています。
(アダージョ 小学校教諭)
・G-upsのメンバーにはどんな方がいるのかを楽しみに参加しました。普段はなかなか繋がりをもつのが難しい全国の方々とzoomを通じて、気軽に交流できて有意義な時間でした。またこのような機会がありましたら、ぜひ参加したいと思います。
(akiko・小学校教諭)
・それぞれが本音で語っていて、とても充実した時間だと感じました。自分の考え方を広げ、今後の教育活動のモチベーションにつながった貴重な機会でした。今回はオンライン開催でしたが、コロナ禍でなければ、ぜひリアルでお会いして話をしたいと思います。
(りょう・中学校教諭)

<第2回>


開催日:2022年12月02日(金) 20:00~21:30

交流会の写真

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<題材の記事>


教師は変われるか!?「教え、育てる」を手放して「学び、育つ」を信じる。(執筆者 藤澤佑介)


<交流会での意見など(一部)>


・自分が今いる校種以外では、どんな世界が動いているのかを知ることができた。
・子どもたちに任せると形式的になってしまって、話が深まらないっていうような様子もあるが、時として本当に子供たちで深い学びをしているなと感じる時もある。そこでは「子どもの中にちゃんとした問いが自分ごととしてあるか」という点が大事になってくる。
・子ども自身が自ら学んで育っていくためにモチベーションが大事であり、「やらされる」ではなく「自分から学びたい」という姿勢に持っていくためにどんなことをしたらいいのか考える必要がある。
・導入や先生のちょっとした問いかけも授業を進めていく上で大事にしている。
・子どもたちから出る意見は様々あるが、先生が「こう答えて欲しい」という内容を求めるのではなく、子どもたちの声を受け止めて、そこから深掘りしていくような学習活動も子どもたちが「学び育つ」ために大切である。
・子どもの一年後の「こうなっていたいという自分の姿や目標」を持たせて、そこからどんなステップを踏んでいけばよいのかを活用して進めていきたい。
・小学校での子どもたちが学び育つイメージと、中学校での学び育つイメージも違いがあるのではないかと思い、とても気になった。
・以前違うお仕事をされて教員になった方も現場にいて、会議などでも「そんな視点も大切だな」と思える意見を出してくださるので、そのような意見も取り入れていきたい。
・保護者の視点で「主体性」の話をすると、「小学校まではゆったりでいい」と思うが、中学生や高校生になると、成績が重要になるから、「ゆったりでいい」とも言ってられず、「教えるところは教えてよ」という思いが保護者の中にはきっとあるだろうと感じた。

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<参加者からいただいたご感想>


●途中参加だったので、もっと話を聞きたかったな、ということで満足度を4としました。でも、今回も学校の先生方の工夫していることであったり、先生によって指導の仕方がさまざまであること、先生の本音を聞くことができてとても興味深かったです。方法は違っても子どもたちのことを考えていない先生はいないと感じたので、先生方の個性を受け止められる保護者が増えていってほしいとも思いました。(吉崎花・子ども英語講師)
●全国の様々な立場の方とお話できて楽しかったです。ブレイクアウトルームでも活発に話ができました。司会の方が上手に進行してくださったので、心地よく話し合いに参加できました。(akiko・小学校教諭)
●校種、業種を超えて語り合えるのが良かったです。(かじたろ・小学校教諭)
●かじたろさんの複式学級での実践を中心に教師が手放すことについていろいろな人の聞けたこと。(りょう・中学校教諭)

<第3回>


2023年1月20日(金)20:00~21:30

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<題材の記事>

参加したくなるPTAとは(執筆者 中村麻理)


<交流会での意見など(一部)>


・PTAの役員などは拒否したり、「できればやりたくない」と思ったりすることが毎年あります。現在の勤務校の規模が小さく、保護者同士の面識があり、子ども同士が同級生でなくてもお互いを知っているので、アットホームな感じです。保護者が「役員やる?」と言えば、「あなたがやるんだったら私も手伝う」という雰囲気があります。「学校のためにやる」というよりも、人の人との繋がりでもっているPTAだなと感じました。カフェやホッと一息つく場があり繋がりを作れば、活気あるPTAになるのではないかと思いました。
・前に勤めていた学校は規模が少し大きく、子どもがいくつかの小学校から中学校に来るところでした。小学校ごとの保護者の特徴もあったり、積極的な地域でもなかったりしていたので、それがギクシャクしてやりづらかったという経験があります。「(役員など)やるよ」と言ってくれる人がいれば。その人を中心にうまく回るのだろうと思います。会合などに来ない家庭については、教員がくじを引くことがあり、それはとても嫌でした。
 ・私は、先生と保護者とのパートナーシップを築く方法をすごく考えていて、コロナで集まる機会が減ったので、先生と保護者との関係性を築く場を持ちたいなと考えています。記事にあるように、積極的に動いてくれる人がいてくれて、そしてかなり工夫されているなと感じました。そして、どうすれば動けるようになるのかなということも考えながら記事を読みました。
・本部役員が前向きにいろんなことを良くしようという気持ちがあったから、周りの保護者もそうしようと動いてくださいました。できるだけみんなで話し合い、役員でない人については、別の形で協力したいと思えるような雰囲気が作られていたので、それがよかったです。
・保護者含めて人は、自分の得意分野を人のためにやりたいと思う人が多いと思います。例えば、PTAの活動の中で、ベルマークの活動や前に出て仕切っていく役割などについて、「(ボランティアの形でも)ちょっと協力してくれませんか」と言えば、「前に出て仕切ってやるのは嫌だけど、ベルマークを切るぐらいはやります」という人や「目立つことをやりたいです」という人はいると思います。適材適所に合わせた仕事に触れたり、「それくらいなら手伝おうかな」と思えることができたりしたらいいと思います。しかし、そこには「あの人はやってない、楽してる」などの「平等、不平等」の話にもなるので、意識改革が必要だなとも思います。
・私は、保護者としてPTA役員を経験したとき、他の親との縁ができたと感じました。記事に書かれてあったような活動をもっと多くの人に知ってほしいです。PTA活動に関する課題や「こう変えたいな」という声がなかなか言い出せないこともあり、そう思っている人もいると思います。でも「できる人ができることを」という考え方で活動が行われたり、誰一人取り残さないような活動もできたりすればとても良いと思います。
・PTAの教育講演会が毎年ありましたが、それは興味ある人しか来ないので、「みんながもしくは親子で来れる場所にしたらいいんじゃないか」という声が出て、劇団を呼んだことがありました。それがすごく面白かったです。それは、校長先生が提案してくださったことで、今までの流れと全く違ったので、そのようなこともあると少し良くなると思いました。
・懇親会に呼ばれたり、お酒の席に参加したりすると、親とざっくばらんな話ができ、そのような交流は以前はよくありました。コロナ禍や時代の流れで、それを続けていいのかということも考える点だと思います。
・保護者と先生との関係性ができていると、お互いの気持ちに共感できるかと思います。修学旅行の行き先の変更について、校長先生から相談されたこともあります。このように、意見を聞いてくれると、親も関わっている感じがします。

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<参加者からいただいたご感想>


・保護者と繋がることに臆病になってはいけないと思いました。子どものためにみんなやりたいって思ってるからです。(アダージョ・小学校教諭)
・学級・学年の保護者の方との関わりはいつも頭において、持ちつ持たれつの関係を目指して、頼らせてもらっています。しかし、PTAとなると、なかなか自分から動けてないと反省しています。自分の立場として、「まずは教師から」。みんながやりたくて仕方がないPTAの仕組みをつくることの魅力を実感した時間になりました。(かじたろ・小学校教諭)

<第4回>


2023年2月17日(金)20:00~21:30

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<題材の記事>

保健室から見える子ども 〜「大丈夫」が最高の手当でした〜
(執筆者 養護教諭にこ)


<交流会での意見など(一部)>

・「体」という字に「休」という字が入っていて、休むことは体にとってとても大切なことだと改めて思いました。記事の中にある「休み方」がポジティブな感じで書かれていますが、「ズル休み」「サボり」と感じる先生もいました。また、「休むと周りに迷惑がかかっちゃう」と思ってしまい、家族の予定も含めて自分の予定を理由にして休むことがなかなかできない時もありました。

・「なかなか休みにくいのは、なぜだろう」と思った時に、「役に立たない人と思われるのが怖いんだな」と気づかされました。「役に立たなくてもいいじゃん」と自分の中で許可が出せるかどうかが自分の課題なのかなと思っています。

・基本的に保健室って休ませるところなのに、日本人としては休むことがネガティブに捉えられているから、「保健室で休ませて本当にいいんだろうか」とか「そこに行くってことはサボリだよね」にような雰囲気になってしまうので、「だとしたら保健室とは何のためにあるの?」という葛藤を感じます。諸外国の話を聞くと、「休むこと」はそれほどネガティブではないことに気づきました。

・保健室で何回か休んでる子どもに対して、養護教諭はゆっくり休ませてあげているにも関わらず、担任の先生が「なんでそんなに休んでいるんだ」と言う場面があると、養護教諭の先生はどう感じているのだろう、そしてこのようなことはあってはいけないと感じました。

・保健室が、「整える」や「リトリート」などポジティブな場所としてもっと認められてもいいのではないかと思います。体調悪い人としか行ってはいけないという雰囲気で保健室がある感じなので、保健室の名前を変えると面白そうだなと思います。

・年度末に皆勤賞を渡す風習があると思いますが、これは「毎日学校に行くことが美徳」みたいに感じられて、あまり良く思いません。休んだり保健室にいたりすると「サボっている」みたいに見られるのが好きではないです。休ませた方が、体も心も整って、次の日元気になり、生産性が上がったり、周りの子もハッピーになったりする気がします。

・「みんな我慢してるのに、君だけ休んでずるい」と思ってしまうのは、「我慢するのが美徳」、「耐え抜く、我慢して貫くことがかっこいいぞ」ということが日本の文化としてあるからだと思います。「私たちも我慢しているのだから君も我慢しろ」みたいな考え方が、大人や先生たちにもまだ残っている気がします。

・受験のことと関連して、ある一定の欠席日数を超えると受験に悪影響があるので、ある受験生があと数日休んだらやばい状態だったから、そうならないように何とか学校に来させていたこともありました。高校入試のことも変わらないといけないこともあると感じています。

・留年することも日本ではネガティブに捉えられていますが、ダメではないと思います。決められた時間を頑張って過ごして、たいして身につかないで卒業するより、時間はかかってもちゃんとやるべきことをやって次のステップに行く準備ができたら、それはいいと思います。そうしたら休みたい時に休めて、自己管理の力がつくと思います。 

・1日の中で2回もしくは2時間来たら「早退扱い」される学校もありました。でもその場合、親に迷惑をかけることになるから2回目は我慢して授業を受ける場合が多かったです。真面目な子どもの中でも「本当は休みたい」と思っている子もいるのに、「早退、欠席になるのはいや」「サボりだと思われる」と思って休むことに壁を感じてしまう状態になっているのではないでしょうか。

・養護教諭は、怪我の手当てが以前から主な仕事としてありますが、ここ10年ほどの間で、教員養成課程などでメンタルヘルスや教育相談のことも学んでいくことが増えています。若い世代の養護教諭はその知識やスキルを持っている先生は多いですが、年配の先生の中には独自で学ばれている先生もいるようです。

・初任者の時の学校では、荒れてたという理由もあったせいか、子どもが保健室に行く際に「保健室入室カード」に先生のサインをもらって行かなきゃいけなかったということを思い出しました。子どもたちや先生にとっても居心地のいい場所であってほしいなと思いました。

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<参加者からいただいたご感想>


・保健室をテーマにして、深く話せて面白かったです。積極的に休むことの大切さを改めて感じました。にこさんの文章表現や感性が素敵です。またお話したいと思いました。(akiko・小学校教諭)

・保健室から大きく社会全体のことが見えた交流会でした。「長時間労働が当たり前」「しんどくても我慢するのがいい」と考えられてきたのは、「みんな同じペース・同じやり方で」と教育されてきた背景が深く根付いているからだと思います。それがともなって、しんどくて本当は休みたいのに、休むことがネガティブなこと、休んでしまったら周りに迷惑が掛かってしまうこと、「ずる休み」だと周りから批判されることにつながってるのだろうなと思います。また、「皆勤賞がすばらしいこと」「学校は休まず来るのが当たり前」という考え方が改善されないと、欠席日数が多くなったら不登校扱いされてしまっては、「学校って何するところなんだ?」と根本的な疑問が生まれてきます。休むことも、学習することも、自分のやりたいことをやれることも「自由」であり「権利」だと思います。まずは学校現場から、大人も子どももその権利をお互い大事にしようという姿勢が出てくれば、社会は変わってくるだろうと思います。(マック・個人事業主)

・保健室から見た休むことへの社会的課題を多方面から意見交換できて学びになりました。(にこ・元養護教諭)

・保健室について考えたこと、その視点で教育をとらえたことがなかったので、すごくいい機会でした。深まりというか、既存の教育に対する感覚も磨けたかなと感じます。(かじたろ・小学校教諭)


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