覚悟。2020年4月13日(月)

静岡県の吹奏楽コンクールが全ての部門で中止になった。

わたしは静岡県民ではないので、コンクールに関しての通達はまだ来ていないが、物凄く不安だ。

もし中止になってしまったら、吹奏楽部員としての最後の夏が、消えてしまう。何もない夏になる。

暑い部屋でひたすらコンクール曲を吹く長い日々と、あっけなく終わってしまうコンクール当日。涼しい客席と、暑いステージの上。「金賞ゴールド」の声と叫び声。悔し涙と嬉し涙。

コンクールが全てだよ。金賞を取りたい、それだけ。

所詮、賞なんか審査員の好みで決まってしまうことを知った、先輩たちを見ていた一年生の支部大会。審査員の好みで銀賞だった、二年生の地区大会。悔しくて仕方なくて、来年こそ、という思いだった。

だから、だからこそ、わたしは苦しい。

コンクールがなくなってしまうこと。それは、悔しさを晴らす場所がないということ。このメンバーで金賞を取る、という願いが、永遠に叶わないということ。最後の夏が、終わってしまうということ。

吹奏楽部員には、たった一度きり、夏しかないのだ。そこで金賞を取り、代表にならなくては次の大会に進めない。物凄く狭い門を通ろうと、数多の学校が必死になって練習をする。小編成は7分、大編成は12分、この短い時間に青春の全てを捧げる。

わたしは、この7分のために夏を捧げたい。青春らしいことなんてできなくて良かった。吹奏楽さえできれば、次の大会に進めれば、ギリギリまで部活をしていられたら、それで良い。

高校三年生の夏は、吹奏楽に捧ぐ、つもりでいた。

それが静岡のコンクール中止で、揺らいでしまった。ほんとうに夏を捧げられますか?

わたしの住んでいる地域は、まだ、まだ中止と決まったわけではない。

しかし、中止になることの、夏が来ないことの、覚悟をしなくてはいけない。いつ、何が起こるかわからない。

誰も悪くない。だから何も恨めない。モヤモヤを抱えたまま、引退してしまうのか。

そんな呆気ない終わり方、絶対に嫌だ。

どうか夏よ、来い。

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