メディア
ウクライナに引き続き、中東でも激しい戦争状態が続いている。
メディアはそれぞれどのようにとらえているのか。
ここではどこが正しいということではなく、情報の取り方について考えたい。これは人類学的調査手法の領域と合致してくる。あるいは情報分析としての正しさ、それと比較したメディアの在り方という観点になる。
遠隔地の情報は遠い日本で一次情報を得るのは大変難しい。
現地にいても言語が分からないとどの勢力が、誰が、何が、というのもわからない。ロシア語、アラビア語、ヘブライ語ができる日本人は極めて少ない。
そうするとメディアに情報を頼らなければならないのだが、その情報はどのように作られているのだろうか。
一般的に日本のマスコミ各社はそれぞれ支局を持っているものの、共同通信、時事通信などの海外情報専門の記者の記事を載せたりしている。
それは一次情報に近いので、あり方として正しい。
現場にいる記者はいろいろと知っているのだ。
問題はそれをどのように報道するかにある。
日本のマスコミはアメリカの意向に沿った報道となる。
「世界のニュース」といいながら、「アメリカの目を通してみた世界のニュース」というのが正しい。
最近でこそ海外に行くのが楽になったので(コロナと戦争でまた行きにくくなるかもしれないが)、普通の人でも直接体験として見聞する機会が増えている。第三極からの見方ができる人も増えているかもしれないが、実際はその方が正しい。
メディアではウクライナ寄り、ロシア振りの情報が流され続けるが、それが正しいとは限らない。ウクライナは支援が止まれば負け、ロシアは中長期銭に引きずり込む限り負けはしない。
中東では構造が難しい。ハマスがいきなり攻撃を仕掛け始めたところからスタートしているが、元々の怨恨もある。どちらが正しいというのはおそらくない。
ただ、「ハマス=パレスチナ」ではない。PLOなどの和平を不服とした過激派の一派が成長したのがハマスであり、イランの影響が垣間見える。
「イラン―ロシア」のラインも裏で存在しているため、実はウクライナに勝つために連動しているのではないかとも思う。
メディアに戻ると時事通信では
「ガザ北部、病院稼働停止で未熟児〇人死亡」
という書き方でありロイターでは「イスラエル軍、ガザの小児病院地価が武器庫だったとする動画公開」
と詳しく現場情報動画を流している。
メディアはそもそも大衆統治の道具として存在している限り、偏った報道になり得る。中東について日本はどちらとも言えない立場なのでそれほど偏りは生じないかもしれないが、どこからどのように情報を取るか?という点で差異が生じる。
現場情報を正しく把握するためには、複数の視点からの情報を集めるのが大前提となる。日本のメディアはそれが弱い。現場記者はわかっているのかもしれないが、少なくても報道には顕れない。
また、言語の不安もある。結局英語でわかるものを間接的に情報取得しているのであれば、それは英米の目から見た情報となる。
メディアのロシア・ウクライナの見方は極端にウクライナ寄りになっている(それが悪いとは言っていないが)。情報の見方としてロシアの立場の主張は入ってこないのは、情報分析としては間違っている。政治もまたそんな単純な話ではない。どこの国も両方に張っているだろう。日本だけが単純化していっているようにしか思えない。
情報の受け手としては、現代ではCNNもBBCも見れるし、最近は翻訳も容易になったので、記事であれば中国語、ロシア語記事でも情報は取れるだろう。
同じテーマを扱いながらも恐ろしく違う世界が見えてくる。
正確な情勢分析をするためには、そうして情報分析していく必要がある。
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