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大西一郎『ある視点』

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横浜市鶴見区・ファンタジーサウナ&スパおふろの国のリラクゼーションコーナー「ケアケア」店長を務める大西一郎がカウンターの中から繰り広げる視座の世界。 大西一郎 Twitter …
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#リラクゼーションセラピスト

依存【大西一郎『ある視点』第30回】

「歌を歌う人なのにタバコ吸っていいの?」とよく言われるけれど、どうだろう、いくらか悪いのだろうか。 そもそも私は歌を歌う人なのか。いや、歌は歌うけれど、それは私の職業なのか。いや、確かに仕事の一貫ではあるけれど、でも歌はどこまで行っても私の一番の趣味だ。一番の趣味なんだったらやっぱり吸っちゃダメなんじゃないか。いや、ずっと吸ってるけど声が変わったおぼえはない。影響ないんじゃないか。だいたい私はもっとハスキーな声に憧れがあって、タバコ吸ってたらいつかハスキーになるんじゃないか

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知らない言葉 【大西一郎『ある視点』第28回】

私は毎月、第一日曜日の午後9時から、おふろの国のリラクゼーションコーナー「ケアケア」の前で、30分程の歌謡ショーを行っている。自分の持ち歌を歌うことも、他人の歌を歌うこともある。喋ってばかりであまり歌わない時もある。それはその日の気分次第だ。 この日はこの歌を歌う、ということに対して、いつもなにか理由を作る。それはこじつけだったり、つまらないダジャレだったりする。何か抽選会が行われている時には、「皆さんに良い景品が当たるように、わたし祈ってます。」とか言って、「わたし祈って

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【大西一郎 ある視点】第24回「くりりん」

「手に職を付けたい。」と言って、OFR48くりりんこと栗原がケアケアにやって来たのは4年前。おふろの国からの紹介だった。 そのもっと前、私がおふろの国に来るよりも、おふろの国にケアケアができるよりも前に、おふろの国の清掃スタッフとして働いていたくりりんは、おふろの国の中の多くの人達と顔なじみで、「くりちゃん」と親しまれていた。 私がくりりんに初めて会ったときの印象は、今、OFR48として歌って踊るはつらつとした印象とはちょっと違っていた。「こういう子が居るんだけど。」と呼

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