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改装18〜20週目。ネオロード。

思い返せば、戸越物件は改装の前に残置物片付けを2018年9月から開始しており、暑い残暑から暖房のないまま冬を過ごし、最近では確実に春の気配が訪れ、3シーズンを通過しようとしている。

戸越はどうやら再開発の計画があるらしく、現在解体現場があちらこちらにある。解体現場を見るたびに、あれ使えそうだ、これ使えそうだなどと大工K氏と話している。
その中のひとつ、蔵の扉が目に付いた。
扉がきになる...と伝え、解体作業の休憩中を狙い中にいれてもらい、間近で見てみる。
重厚感ある蔵の扉はどうやら金庫と同じ構造らしく、鉄板の中には耐火煉瓦が入っているとのことであった。
これがギャラリーの入り口であったら...
ため息がでるほどにかっこいい。
とてもとても欲しいがおそらく重たいだろうと、扉は諦め取っ手のみをいただいてきた。


数日後再び同じ解体現場の近くを通り、蔵窓で小さいものがあることを確認する。
さらに数日後蔵窓を見にいく。

綺麗に取れたという一つを見せてもらい、扉の重さを確認させてもらうと、思ったより重たくはない。扉の一枚なら私でも持ち上げて移動させることができるくらいの重さである。
これならいけるかもしれない。
どうつけるか、など具体的なことはさておき、扉をいただくことに。
窓枠には鉄格子がついており、それを外したらさらに軽くすることができるかもしれない。
この日解体現場には、職長さんと外国人スタッフであろうか?の2人だったが、とても親切にしてくれた。15時の休憩は入れずに一気にやってしまうつもりだったらしいのに、窓枠についていたコンクリートを壊し、鉄格子をガスで切ってくれるところまで手を貸してくれたのだった。
この蔵の窓は、ちょうど改装に手をつけていた茶室のにじり口として使いたい。


改装も5ヶ月目。DIYレベルは確実に上がっている。
あぶないものは触らせてはもらえないが、使える工具も増えてきた。

画像はある日の作業日。
鵜の木時代から使っているヒノキの古材床板を、卓上丸ノコでカットし、フロアタッカーで貼っていく。


次ての画像もまたある日の作業。
勾配のある天井に石膏ボードを貼っているところである。
これは自分の部屋になる予定のスペース。
ギャラリー部分には、下地が入っていない箇所でもだいたい気にせずどこでもビスが打てるように壁面はすべてベニア板を使用している。
ベニア板と石膏ボードでは価格が違う。もちろんベニア板の方がずっと高い。4倍くらい高い。予算の都合上もあり、自分の部屋は石膏ボードにすることにした。
石膏ボードは安いし加工面では扱いやすい。カッターや手鋸でカットができる。しかし重いし、割れやすい。
この日は助っ人レギュラーのIさん、2回目の助っ人にきてくれたOさん、私の3人で勾配天井貼りを行った。腕を上げっぱなしなので、上腕二頭筋が鍛えられそうだ。


一方大工K氏は、しばし建具作りをしていた。
画像は途中であるが、茶室の窓と2階スペースの扉である。
扉は戸越物件にもともとあった雨戸を再利用している。
時間の経過でほどよくエージングされいる。この感じを出すのは難しい。
無作為の造形や、色感、質感。古材の魅力の一つはここにあると思っている。
そんなわけで、この雨戸を扉にしたい!!
と難易度の高い要望を伝え、古材使いマスターのK氏は苦戦しつつもかわいいものが出来上がりつつある。

窓ガラスが昔の薄いものなので、2重にすることとなった。
雨戸の再利用で作られた窓枠は屋外面に。木の窓枠は室内側に取り付けられる。
ガラス、木の窓枠は鵜の木から持ってきたもの。スチールの雨戸は戸越のもの。2つの物件のイニシエのハイブリット窓なのである。



そんなことしているからなかなか終わらないんだよ、と言われそうなネオロード。
私の部屋、茶室、2階ギャラリー&喫茶スペースと部屋が並んでいるが、
ネオロードは屋根裏を通り私の部屋から2階ギャラリーへと直通となっている。
画像は屋根裏部分でネオロード制作風景を撮影したものである。

三角の通路はちょっと宇宙を感じさせる。



カオスな通路。かつて植物や倉庫が置いてあり庭だった部分である。
ここを通路となる。一階ギャラリー扉へと誘うエントランスだ。
この部分に手をつけ始める前にパシャり。足元も悪く、材料や使わないものが積まれゴミ屋敷状態。耐え難い...


ジモティーで千葉・野田まで行って購入してきた厚さ3センチある松。
デッキとして貼ってしまうと小口や裏面が塗りにくくなるために、事前に防腐剤を2度塗りまで済ませて置く。


で、並べたところ。イメージである。
デッキの横幅は150cmある。だいぶ広々としたデッキとなりそうだ。


さらにデッキのための準備として、解体したヒサシを砕石をする。
土の地面に解体で出たガラを細かくしたものを撒き転圧し、沈まないようにしておく。ガラの処分費は高い。エアコンの室外機を置く台、エントランス階段の1段目などはモルタルで固める部分に使い、ほとんど使い切った。

毎朝7時には目をさまし8時30分くらいにはもう作業を開始している。
夜は19時、ときに20時を超えてしまうことがある。
こんなにやっているのに終わらない。

改装を始めた11月当時、いつ頃再オープン予定かと聞かれることも多かったので、桜の咲く頃に...と公言していた。大きな改装部分はだいたいは終わったものの、建具関係や、細かいところがまだまだ残っている。
桜の開花はまもない。