男はつらいよとかクレール・ドニとか

『男はつらいよ』がキモいという。

パリでバカ受けのニュースも記憶に新しい寅さん。

『男はつらいよ』実を言うと5~6作くらいしか観ていない。飛ばし飛ばしだったりでもう少し観ているかもしれないけれど。
寅さんぐらい観ておくかと思ったことは何度もあるんだけれど、何しろ数が多いので尻が重くなる。料理中に流し見したりしていた(筋を追わなくても話についていけなくなったりとかがまずないので、結構これはいいアイデアだと思っている。)

という次第の頼りない私見でしかないのだけれど、自分は寅さんを「家父長制に馴染めず、排除される周辺」としてみる。そういうラインで擁護したい。
妹や団子屋まわりとの愛憎の葛藤よ。
マドンナとの恋愛がコメディにしかならないのも、寅の中に家制度と切り離した個人の恋愛がないことで自ら道化の地位に追い詰められているんですよね。

キモいで切り捨てるにはもったいないと思うしそんなに簡単な話でもないんじゃないでしょうか。

閑話休題。
雨。馬場で映画観る。

友情でも恋愛でもない(でもある)男たちの執着と葛藤がよかった。
外人部隊の兵士の話なので本当に男たちばかりが出てくる。人間としての女性は出てこない。みんな幽霊みたいだ。
ジブチの過酷な風景が巧みにマッチしている。乾燥した土地と日差し、塩辛そうな海。肌が沁みそうなこと。日本の湿気からは程遠い感性。

名画座の入れ替えシステムはやはり煩わしい。放っておかれていた雰囲気が懐かしい。実際使いやすかったし。しかしまぁ時節柄しかたのないことなんでしょう。

昼食は牛肉刀削麵を食べる。酸辣で美味しい。テーブルに備え付けの生にんにくを齧りながら汁をすすると本格派な気分。客も店員も中国人しかいないのだから実際「本格的」なのだけれど。


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