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「同窓会」が行われるコミュニティの3つの特徴

昨日のお題は、「第15回 ここから何か生まれるかも会議」(#ここ何)。

#ここ何は 、2018年6月から続くコミュニティです。
仲間は、コルクの佐渡島庸平さん(サディ)、佐渡島さんが小説を書かせたい!と思っている渋谷のカフエマメヒコのオーナー井川啓央さん、お二人の友達のバラエティプロデューサーの角田陽一郎さん、そして、お越しくださったお客様です。

一緒にやっている活動は、みんなで井川さんの書いた小説を読んでその場で感想を共有したり、サディからプロの編集の意見をもらったり、角田さんからフォローのコメントが入ったり…の2時間です。今までに合間に出てくるマメヒコの美味しいご飯とコーヒーもお楽しみの一つです。

昨日の話の中で、これからの「ここ何」は、井川さんの書いた小説の公開編集会議を行うこともあると思いますが、「今」を「文芸的」に語り合う中で、「何か」生みだす場、となりそうです。

今日のテーマ

「同窓会が行われるコミュニティの3つの特徴」です。

主に学びを活動とする集まりで、一定期間の活動後も継続的な関わりを持つ場として「同窓会」と称するコミュニティが、作られる時と作られない時、また、作られたとしても、続く場合と続かない場合があります。この分岐が生まれる理由は、何でしょうか??

「同窓会」が「作られ」、そして「続く」コミュニティの3つの特徴を整理します。

3つの特徴

次の3つが挙げられると思います。

1.現役時に、その時だけでは達成し得ない困難な目標に挑戦していた
2.現役後も、各自が目標に向けて挑戦を続けている
3.その挑戦の状況を、オンラインなどで共有している

この3つについて、自分が2014年度に幹事長を務め、以降もしばらく幹事を務めていた早稲田大学ビジネススクール(WBS)稲門会を例に、考えてみます。

1.まずは、現役時

僕がWBSに入学したのは、東日本大震災があった2011年の4月。今年とは違う理由でしたが、3月に行われる予定だった事前合宿や4月の入学式は、中止でした。また、授業の開始もゴールデンウイーク直前と、約1ヶ月ほど繰り下げられました。

そんなスタートととなったWBSライフ。学びに来ていた仲間たちは、自身のいる業界や会社をなんとかしたい、という共通の感覚=「危機感」と「使命感」を持っている人ばかりでした。

また、当時のコース設定は今と異なり、入学時に2年間かけて研究したい修士論文のテーマを決め、特定のゼミ(モジュール)を志望するコースのみが設けられていました。

ゆえに2年間のゴールは論文の完成=修了後にその学びをして危機感を打破し、使命感を持って活動するための礎を作ること、でした。言い換えると、「修了後」に学びを活かすため、文字通り「現役時に、その時だけでは達成し得ない困難な目標に挑戦」する日々でした。

平日に仕事を終えて19時から22時まで授業に臨み、その後もグループワークなどに終電まで近くのファミレスなどで取り組み(と称して飲み)、帰宅後も翌日の講義の準備や課題のために勉強。週末もレポートなどのために時間を使う…これを2年もやれば、関係は深まります。

ちなみに当時は「MBA」という称号が欲しくて来ている人は、いませんでした。それは学びの結果としてついてくるものであって、資格的な意味合いでの称号を求めるのは違うな、という感じでした。

そうした日々で、仲間たちと学びを通じ、会社などの看板を取っ払い、年齢、業種、職種を超えた関係を作れたこと、そして、実務的にも学術的にもこれ以上の方とは出会えないと思える先生方との知己を得たことは、在学中はもちろん、「勝負」な修了後にも非常に有意義でした。
個人的には、学び以上にこうした「利害関係のない関係」を得られたことこそ、この2年の意味だとも思っています。

もちろん学ぶだけでは、このような関係は得られません。学びに止まらない関係を作るために「日々の工夫」も行いました
その一つが、ゼミや学年やコースを超えた関係づくり。「共通の興味関心」や、家や職場が近所などの「共通点」で結びつく「部活」を始めました。例えば、「寿司」好きが集まる「寿司部」とか、渋谷区や目黒区に住んでいる「渋目会」などです。

また、情報共有のインフラとして「Facebook」を活用しました。当時は流行直前で、ちょうど一般的になろうとしていうくらい。入学と同時にアカウントを作るくらいでした。が、ゼミとか授業とか学年とかの単位で「グループ」を作れたのは、その後の活動継続にも非常に助かっています。

このような学びの日々、部活などが相まったありがたい状況だったことから、修了後も関係を発展させたい、と思いました。

2.そして、現役後

学びの目的が、修了後にその学びをして危機感を打破し、使命感を持って活動するための礎を作ることだったため、自ずと挑戦を続けています。

仲間たちとは、その後も日々、利害関係のない関係だからこそ、いろんな形での付き合いが続いています。また、先生方とも、当方が前線で抱える悩みと、先生方の経験や学術的裏打ちを持った関心を交換しあい、互いに学び合える関係が続いています。また、部活も、修了後に現役と皆さんとネットワークを広げ、深めるために有効に機能しています。

もちろん、挑戦には失敗がつきものです。そうした時も「帰ってこれる居場所」としても、同窓会は存在しています。

僕が幹事長の時は、ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー編集長の岩佐文夫さんとご一緒いただき、四半期に1回、勉強会を開催し、知識と関係のアップデートの場を作っていました。
また、年に1回「サマーフェス」と称して、卒業生がスピーカーとして「ここだけの話」を共有する時間を設けたりしていました。
こうした後の懇親会や、ゼミ単位、部活単位の同窓会も、「帰ってこれる居場所」として、機能しています。

3.状況の共有

在学時から活用していたFacebookが、より使いやすくなり、関係維持に奏功しています。また、以前からあった Twitterや、このnoteなどを活用した情報発信・共有が、より「当たり前」になり、情報を共有しやすくなっています。

これにより、リアルに久しぶりに会っても「久しぶりー!」ではなく、お互いの経緯を踏まえた直近の状況について語ることができるようになっています。

まとめ

現役後に同窓会が作られ、続く関係には、次の3つの特徴が挙げられると思います。

1.現役時に、その時だけでは達成し得ない困難な目標に挑戦していた
2.現役後も、各自が目標に向けて挑戦を続けている
3.その挑戦の状況を、オンラインなどで共有している

改めて書きながら、1の「現役時」の関係のあり方がキモだな、と改めて思いました。共通の感覚とゴールの元、共に切磋琢磨し、オン(学び)とオフ(部活など)を組み合わせ、関係を作りましょう。

ちなみにこうした業種、職種、年齢などを超えた関係で心理的安全性を確保するコツは「ニックネームで呼び合うこと」です。これを最初の自己紹介で徹底すると、非常にスムーズにフラットな関係を作れます。

(写真は、現在筆者が学ぶ慶應義塾大学メディアデザイン研究科のポリシープロジェクト(中村伊知哉研究室)の直近の集まりの様子です。このOB会組織作りも携わることになり、とても楽しみです)

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