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REMOで連携プレーをデータ化する

位置データについて勉強中のGOです。

現在は勉強の一環としてMicrosoftが無料公開しているTrajectory Data Mining: An Overviewのスライドを読んでいます。地図アプリを主な応用例として使われているのですが、読んでいるとサッカーに繋がりそうなテクニックや分析手法がたくさん出てきます。

今回はその中でもREMO(RElative MOtion)という分析手法とREMOを用いたゴールシーンの新しい見方を紹介します。この記事を書く直前に発見した手法で、分析や解析と呼べるほどのデータや洞察はありませんのでご了承ください。

2016年3月の月間最優秀ゴール

紹介するゴールは2016年3月20日のJ1 1stステージ第4節 湘南対浦和戦における興梠選手のゴールです。どのようなゴールだったのかを図に示します。図中敬称略。

ハイライトを見ることができる場合はここは読まずに飛ばしても大丈夫です。選手の位置など、図は全て目測で作っているので正確でない部分もあります。

シーン1: 興梠選手、パスを受け取る

サイドに居る宇賀神選手(3)と関根選手(24)は今回省略しています。関根選手はスペースを作る重要な役割を果たしていますが、労力を考えて省略です(後述)。

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シーン2: 興梠選手、横へドリブル

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シーン3: 李選手へ斜めのパスが入る

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シーン4: 李選手がボールをスルー、柏木選手が受け取る

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シーン5: 柏木選手がスペースへパス、興梠が走り込みシュート

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このゴールは2016年3月の月間最優秀ゴールに選ばれました。Jリーグ選考委員会による総評が以下です。

●チーム戦術的な観点から
4選手の見事な連係プレーが生み出したゴール。(中略)相手DF陣が多数いたにもかかわらず、ボールを触らせることのないままゴールに持ち込んだ。
後半になり反撃を目論んでいた湘南を意気消沈とさせる追加点となった。

このゴールの肝である連携プレー。見る人を魅了する一方で、データを使って説明したい人たちの頭を悩ませます。REMOを使うと連携プレーにデータの観点を入れる事ができます。REMOを使ってこのゴールを見ていきましょう。

REMOで選手の進行方向をひたすら並べる

REMOとは:選手の移動データを速度や方位などの属性に変換し、選手間で比較します。

下の図の一番左が移動データです。4人は全体として右上に向かっていることがわかります。それを行列で表したのが真ん中と右の図です。選手(O1, 02, ...)がある時刻(t1, t2, ...)でどの方向を向いていたのかを行列化しています。(図は5: Trajectory Classification より引用)

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では、ゴールシーンをREMOで見てみます。黒丸(●)は選手の移動が殆どないことを意味します。

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