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14海底の渦

ノーチラス号はどうやら求めていたものを見つけた。

こんなところにあった。
船員を含め、皆がそう思った。

しかし、状況的に簡単に持って帰ることはできなさそうだ。

一戦交えるぞ。
艦長の言葉が伝言管から聞こえて来る。

一斉に配置につく。
しかし、一体何と戦うのだろうか。

ググッと船体が傾いた。
攻撃体勢ではないのか?

小さな窓から一瞬船外が見える。
海底には光がほとんど届いていないのだから、期待はしてなかった。
しかし、その向こうには確かに何かが見えた。

同型艦?
いや、バカな。
潜水船はこの船しかいないはず。

あのブリッジ(艦橋)海上船のもんだな。
見ていた誰かが呟いた。

海上船がこんな深度に?

そうか、やはりあれだ。
船の頭に乗っかっているオウムガイ。
ノーチラス。

渦の中心が不気味に光っている。

人類が喰われるなんて聞いたことないぞ。
しかし、目の前では、それが起こっている。

急速離脱!
ブリッジからの声と共に身体が引っ張られる。

海上に出る?

よくないぞ…。

海上は…。

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