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000|『貴婦人と泥棒』稽古場レポートによせて

「やぎちゃんの熱量高い文章が好きなんです」

思い出しても頬が緩む。新作公演の稽古場レポートを書いてほしいと岸亜弓さんに頼まれたのは12月のある日のこと。「好きなんです」と言われたら、そりゃもうやるしかねぇと心の中で腕まくりをした。

私は普段、エッセイ時々小説、という感じで気の赴くままに書き散らしている。基本的には映画と上田の話ばかりだ。でも演劇‪も好きだ。学生時代、演劇好きの友人に大きな箱からカフェや街中でやる演劇など様々な作品に連れて行ってもらった。上田に住んでからは犀の角で公演される作品を楽しんでいる。ゲストハウスと劇場を兼ね備えた犀の角は、私がお手伝いをしている上田映劇から徒歩2分というご近所さんだ。普段、劇場スペースはカフェとして営業しているが、作品によってその形が変わる。今回依頼された稽古場レポートも、犀の角で公演される作品だ。さてさて、今回はどんな形の空間ができるのだろうか。

そんな風にわくわくしていたら新作公演の情報が解禁された。タイトルは『貴婦人と泥棒』。作・演出は岸亜弓。上田に住む新進気鋭の作家だ。夜ノ帳社の方々が作成されたチラシには、この作品に挑む人々の名が連なっている。「稽古場取材・やぎかなこ」私の名前もある。これから私は稽古場で、公演で、作品を作り上げる彼らを見つめ、時に会話し、綴っていく。私はまだチラシ以上のことを知らない。役者さん、スタッフさんとの顔合わせもこれからだ。これから始まる稽古場レポート。どうかこのレポートを通してわくわくしてもらえたら嬉しい。さあ、書くぞ!

2021.01.10.やぎかなこ(もぎりのやぎちゃん)

新作公演『貴婦人と泥棒』
【作・演出】岸亜弓
【出演】永峯克将|寺下雅二|若月彩音|田村美央|舞沢智子|石榑八真斗|山﨑到子
【会場】犀の角
【スケジュール】
2021年2月27日(土)14時/19時
   2月28日(日)11時/16時
※各回開場は開演の30分前
【物語】
家事代行スタッフとして働きはじめたユキは、とある老婦人の家へと派遣されることになる。はじめは彼女の要求が理解できず苦労するユキであったが、次第に心を通わせていく。そんな中、友人であり同僚のアサヒから驚くべき事実が告げられるのであった――


新作公演『貴婦人と泥棒』について詳しくはこちらから

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