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みちのく一人旅 DAY5-4 旅の終わり


鵜ノ巣断崖

田老を15時半に出発。22時の八戸発苫小牧行フェリーに間に合うように北上を再開する。
16時。田野畑村の鵜ノ巣断崖に到着。ここで展望台からの景色を写真に収めているとカメラの容量がいっぱいに。
普段の山でも使っていて普段から定期的に削除していないのでかなりたまっていたのだが…これで最後にしようかなと思った。
本当は田野畑村のもう一つの景勝地「北山崎」を最終地点とする予定だったのだが、本来「北山崎」は観光船に乗り海からの景色を楽しむ場所らしく…
あいにくオンシーズンで観光船は営業していない。また来たときの楽しみのために余韻を残し田野畑村を後にした。

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小袖海岸

しかし長い三陸道、今日は陸前高田から寄り道しながら北上してきたことで残り心もとないガソリンを給油しに急遽予定になかった久慈市街地へ。
土産物を買い足し給油を終えて三陸道に戻ろうとすると、
「小袖海岸」の看板。
朝ドラ「あまちゃん」のロケ地となった場所…
時刻は17時。市街地からは10kmほどなのでちょうどぎりぎり明るい時間に行って帰って来れると判断し、誘惑に負けて訪れることに笑
車のすれ違いにかなり気を遣う海沿いの細い道を進むと到着。
「海女センター」は営業時間外でしたが、ちょうど夕日が沈んだばかりの綺麗な景色を見ることができました。ドラマ放映当時、筆者は中学生でして世間的に流行っていたこともあり真剣に見ていた記憶があるので、懐かしさも感じます。
山がちな地形とはいえ北海道の漁港とあまり変わらない雰囲気でした。
みちのく一人旅、小袖海岸にてめでたく完結。

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フェリーにて

久慈から八戸までは三陸道で1時間。下道だともっとかかるわけなので、
最後の最後まで三陸道の恩恵をたっぷり受けた旅でした。
今回はフェリーターミナルだけでしたが、八戸も大きな街で今度東北に行くときはじっくり見て回りたいエリアです。
早めにターミナルに着きオフシーズンだからか運良く個室まで取れて乗船。
行きの津軽海峡同様、フェリー慣れしている前提で対応されるのですが
1度乗ると勝手が分かるので今回はスムーズ。

22時にあっけなく八戸出港。
甲板から八戸港の夜景を眺めながら旅を振り返る。
単純に、「また来たいな」と強く思った。旅の締めくくりにこういう感想が出てくる旅は得てして大成功だ。そして、これから何度も北海道と本州とを往復したいとも考える。
ここ2年間はコロナの影響で北海道を出る機会に恵まれず、
そのせいもあって長旅や長期山行をしたいという行き場のない欲求をぶつける対象として「ローカル」を盛んに叫び続けてきたけれど、今回の旅を通してやっぱり本当に「ローカル」をよくしようと思うならば「ローカル」の外側にどれだけ出ることができるかがいかに大切か思い知らされた。
北海道から程近い東北ですらこんな感想を抱くのだから、自分の「ローカル」
から離れた距離や経験があればあるだけ「ローカル」に還元できる量も質も増えて、結果的に豊かな人生になっていくんだろうと考え始めている。
今後北海道を何年拠点にし続けられるかは分からないけど、これから人生を
豊かにするために何度もこの海を往復し続けようと思う。もちろん、船に限らず飛行機だったり鉄道だったりもするのだけど。
本当に知らなくてはいけない、感じなくてはいけない情報はたいてい言語化されていなくて、現地でしか味わえないものはいかに便利な世の中になっても高い価値を保って存在し続ける。
デカルトが「世界という大きな書物」という言葉で表現しているとおり、世の中は言語化されていない情報であふれている。そして、情報の価値が高くなるほど言語化されていないものである。
そんな価値あるものをこれからの人生で探し続けていきたい。

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周文埠頭

苫小牧に6時着。北海道はありがたいことに今でも変わらず多くの旅人の憧れの地となっているが、自分にとっては北海道での生活こそが日常。
見慣れた風景に一気に日常に引き戻されるが、そう気構える必要もなくて
実際日常と非日常は離散ではなく連続して存在しているわけで、あえて区別しなくてもいいのではないだろうか。「旅を栖(すみか)とす」というほど旅に全振りできる人生ではないけれど、旅は旅で普段の山行とかも含めて日常の一部として捉えると毎日が豊かになるんじゃないかな、と思いながら苫小牧の街を走っていました。

いつも苫小牧を通るときにお世話になっている駅前の某チェーン店で軽く朝食を済ませ、まだ7時。直行で伊達に帰るのは早すぎるので今後の旅でお世話になるかもしれない(?)苫小牧東港のフェリーターミナルを見学しに行きました。苫小牧とはいっても東港は厚真の沿岸部で、周りは苫東厚真火力発電所以外これといって何もないエリアなのですが、「新日本海フェリー 苫小牧←→秋田・新潟・敦賀」の文字にものすごく期待を膨らませていて、この文章を書いている今も「次はどこに行こうかな…」と早速計画を妄想している最中です。長引くコロナ禍で計画だけが増えていく毎日は相変わらずですが、「学生のうちしか時間がない」と気負い過ぎずに、長い人生を有効に使って今後も自分の好奇心や興味を大切にしていきたいと思います。

某有名演歌からタイトルだけ持ってきて綴ってきた「みちのくひとり旅」も
これで最後です。最後までお付き合いいただいた方々、本当にありがとうございました。これからもこのnoteでは自分がいろいろな土地へ出向いて感じたことを素直に綴っていく予定です。これからもよろしくお願いします!
通算走行距離 1838km

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