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みちのく一人旅 DAY3-3 釜石と炭鉄港

険しい釜石仙人峠

遠野を発ち釜石道を終点へ向けて進む。滝観洞ICを過ぎ新仙人トンネルという長いトンネルを抜けると、とんんんでもなく切れ込んだ谷が見えてきます。まだチェックインまで時間あるしこれは一般道を是非見てみたい!と思い、釜石中心部から少し手前の仙人峠ICで釜石道を急遽降りる。


釜石仙人峠。釜石と遠野を結ぶ峠であり、古くから交通の難所として知られ一般道は釜石道の必要性を痛感するような険しいループの連続でした。仙人峠ICで釜石道を降り、北海道のオロフレ峠の道幅を狭くしたような一般道を登っていくと釜石鉱山跡が見えてきます。釜石には「橋野鉄鉱山」という明治時代の高炉跡があり世界遺産登録されているのですが、アクセスがとても悪く今回は計画に入れていなかったので鉱山跡は予想外の出会い。事前に収集した情報の範囲外からこのような景色を発見できることは旅の醍醐味であり、感動も一入です。

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周囲には川沿いに小さな街が残っており往時の賑わいを偲ばせています。JR釜石線の陸中大橋駅もいい雰囲気。当時の賑わいを考えると「秘境駅」と呼ぶのはふさわしくないかもしれませんが、仙人峠と釜石鉱山を舞台にした歴史の積み重ねを感じる場所でした。

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釜石と炭鉄港

陸中大橋駅から釜石の街まで車を走らせると、鉱山から「甲子川」という川沿いに街が続いていて、鉱山がある山間部と製鉄所がある中心部とが共に発展してきた様子が窺えます。川沿いの街なので一見小さく見えますが、表面積は大きくて展開したらかなりの規模になるだろうと想像がつきます。普段、北海道の鉄の街である室蘭で過ごしているので自ずと比較してしまう自分。室蘭の場合は鉱山跡が夕張など空知方面にあり、港との距離はかなり遠いですが釜石は炭鉄港を全て自前で賄っていることに特徴があります。

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釜石の老舗ビジネスホテルに安く泊まれたので、2泊して三陸沿岸観光の拠点とすることに。甲子川を挟んで釜石製鉄所が綺麗に見える立地でした。既視感しかないこの風景。ほぼ室蘭。唯一の違いは港に橋が架かっていないことくらいかな。


三陸鉄道とJR釜石線が乗り入れる釜石駅前の広場には大島高任像。幕末から明治にかけての鉱山技術者で、地元岩手は盛岡出身。幕末に一般的だった反射炉ではなく、釜石鉱山の鉄鉱石を原料とした洋式高炉法で鉄を製造することが重要であることを提言し、釜石において日本初の洋式商用高炉による製鉄を行なった人物(現地情報)。釜石は日本における近代製鉄発祥の地なのです。

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旅も前半が終了。残り2日間は太平洋側沿岸部。
次回は「DAY4-1 松島やああ松島や松島や」です。今回もありがとうございました!

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