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十悪

十悪とは仏教において、してはいけないとされた10の行い。

殺生せっしょう・偸盗ちゅうとう・邪淫じゃいん・
妄語もうご・綺語きご・悪口あっく・両舌りょうぜつ・
貪欲とんよく・瞋恚しんに・愚癡ぐち(または邪見じゃけん)のこと。

今日はそんな噺です

昔三人の泥棒が、長者の家からたんまりお金を盗み、
やっとのことで山頂まで逃げてきた。  

これから三人で山分けしようとしている時、
一人の泥棒が欲を起した。

「何とか盗金全部を我が物にしたいものだ」 と考え、
「オイお前ら、これを分ける前に
腹ごしらえをしてかかろうじゃないか。
俺は今から町へ行き、饅頭を
買ってきてやるから待っていろよ」
と出かけていった。  

空腹にあえいだ二人の泥棒は
相手の心を知るよしもないから、異論のあろうはずはない。

ところが、饅頭を山ほど買った泥棒は、
たらふく食べた残りに毒薬を注入し、毒饅頭を作った。

毒饅頭で二人の友を殺し、自分の財欲を
満たそうとしたわけだ。  

財欲がこんな鬼畜のようなことを思わせる。  

ところが一方、山の泥棒たちも、
あまり饅頭が遅いので欲を起した。

「何とかアイツを片づけて、お前とおれで
この金を二分しようじゃないか」
 

怖ろしい相談が決定していた。  

そんなこととは露さら知らない饅頭の泥棒は

「さあ、食べてくれ。俺はあまり腹が減ったので、
途中で食べてきたよ」
と言いながら、
崖の上で気持ちよさそうに放尿を始めた。  

二人の泥棒、好機ござんなれと、
相談の通り足音を忍ばせて近づき、
谷底へ突き落として殺した。

「これでまずまず安心、
この饅頭を食べてからにしよう」


と、毒饅頭を食べた二人は枕を並べてあの世ゆきだ。  
山頂にはお金だけが残されたという話がある。  


財欲の奴隷になっている人間の末路を
よく表している話ではありませんか 。  

長く生きたところで五十年乃至百年の
無常の人生にありながら、限りない財欲に引きずられ、
底の知れない罪を作ってゆく。  

黄金の雨が降っても満足できない
底無しの財欲は、青鬼そのまま、
無慈悲に悪を重ねてゆくのです。

読んでいただきありがとうございます

これからも楽くに力を抜いて
綴っていこうと思っています。


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