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「ありがとう」と言うこと

「すみません」が口癖の会社の後輩と一緒にランチをする機会がありました。

いつも頭をぺこぺこと下げ、いつも眉毛を八の字にしている後輩は、少しでも進捗が滞ると自分の力不足のせいだと感じてしまったり、もっとこうした方がいいと指摘をすると、嫌われてしまったと感じてしまう性格なのです。
他の社員からは、真面目に取り組んでいると評価は高いにも関わらず、自己評価がとてつもなく低いのです。

その後輩を見ていると、どうしても過去の自分と重ねてしまい、お節介かもしれないですがつい助けてあげたくなります。

私もそうだった

社会人1年目の私も後輩と同じ状態でした。
自分に自信がなく、考え方がネガティブになってしまうことが多い人間だったのです。
自分は優秀ではないと決めつけ、周りからどう思われているのかを気にして、自分の意見も言えない、これぞネガティブ人間!という感じでした。

足を引っ張ていないか不安になったり、自分の能力で役に立てることなんてあるのかと考えていたりしました。
上司から指摘を受けるとさらにネガティブになり、自信をなくすだけではなく、上司から嫌われてしまったと思っていました。
一度ネガティブになってしまうと、あらゆることがネガティブになってしまっていたのです。

めんどくさい奴だと思われた方もいるかもしれません。
当時の口癖が「すみません」だった私に足りなかったもの、それはこの言葉でした。

「ありがとう」

こんな状況を打破できるきっかけとなったのは、私が所属しているNPOの代表理事から言われた一言でした。

「すみませんではなく、ありがとうと言ってごらん」

代表いはく、当時の私は謝るところでもないのに「すみません」と言っていたようです。
他のNPOスタッフさんからは良く思われているにも関わらず、いつも不安そうにしているのが印象的だったと教えてくれました。

代表に褒めていただく機会があった際、私が「そんなことないです」と言ってしまったことがありました。
そのときに代表から言われた言葉も、これまでの私の考え方を見直す大きなきっかけとなりました。

「あなたを評価してくれている人、あなたのことを真剣に考えてくれている人、あなたを信頼してくれている人に対して失礼だよ」

当時の私は、相手が良いと思って言ったことを否定している、ということに気が付いていなかったのです。
褒めることも、指摘することも、全部相手のことを考えているからこその行動だと思うようにしていきました。

今思えば、謙遜しているつもりになっていたのだと思います。
ネガティブと謙遜は全く違いますよね。

ポジティブで周りの期待に応える

「評価してくれている人、真剣に考えてくれている人、信頼してくれている人を裏切らないようにする」

このように考えるようになってから、褒められたときも指摘を受けたときも、感謝の気持ちを持って次の行動ができるようになりました。
さらに、「もっと信頼されて、尊敬される人になりたい」とポジティブに考えらるようになりました。

そもそも、嫌いだったり信頼していない人には無関心になり、褒めることもなければ指摘すら言わないのではと思います。

自信がなくなること、不安になることは誰にでもあることだと思います。
それで自分自身を過少評価するのではなく、周りを信じてできることに精一杯取り組むことの方が大事ということに、代表のおかげで気が付くことができました。

その経験を話つつ、「ありがとうと言ってごらん」と後輩に言ったところ、「ありがとうございます!」と何かを掴んだような表情で言っていました。

長い間根付いた癖はすぐに取れないもので、ネガティブに戻ってしまってはポジティブに考え直す、「ありがとう」を意識して言う、ということを繰り返してきました。
今回話したことはきっかけの一部で、他にも色々なきっかけに出会えたことでポジティブな考え方ができるようになってきました。

そのため、この経験を聞けば誰でもポジティブになれると言いたいわけではありません。
考え方が変わるちょっとしたきっかけになればいいなと思います。

この記事を読んでくださり、ありがとうございました。

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