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今更、君のココロが欲しいとか

思春期を超えたあたりから自分より一回りくらい歳が離れた異性を好きになることが増えた。
「父親が居ない娘は父親のような男を求める」と何処かで見たことがあるが、案外そうなのかもしれないと思う。
中学と高校を閉鎖的な女子校で過ごした私は勿論異性と関わることも、(まあ無かったとは言えないが)結局無いレベルに等しかったから。
異性は恐ろしいものだと思っていたけれどそんな異性たちとの間に壁を築いて門に鍵をかけてくれるような男が欲しかった。
多分これが父親の役割だと思う。
わからないけど。
今思うと、それを君に求めるべきではなかったね。

どうやったら追いついて隣に立てるのかずっと頭を巡らせて居るけれど結局君の何倍ものスピードで君の背中に向かうしかなくて、しかもそんな道はガタついて合っているのかも分からなくて。
勝手に私の生きる希望にして重い荷物を背負わせて影で君の善心を頬張ってしまってごめんなさい。
自分の理想ばかり押し付けて創り上げて祀って壊して捨ててごめんなさい。
今更、本当の君を知りたいとか。
今更、君のココロが欲しいとか。

足枷を外して今そこから出してあげる。
みっつ数えるから門の外へ走って。
勘違いをしてしまうから白いまどろみの中にまで姿を、残像を、どうか表さないで 残していかないで。
目が覚めた時それはとても哀しいから。











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