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くつかくしがあった時の対応


絶対にあってはならないという確固たる態度を子どもに見せる


「先生、くつがありません」
子どもからこのような訴えがあったときには、すぐに対応する。近くにいる子ども達と一緒にくつ箱の周りを探す。これで出てくればよいのだが、出てこないときには別の対応をする。
「○○君のくつがなくなりました。もしかすると誰かが隠したのかも知れま
せん。これは大変なことです。見つからないと中休みも昼休みも放課後もみ
んなで探さなければなりません。今からみんなで探しに行きます」
とクラスの子ども達全員に告げ、探しに行く。こうするとほとんどの場合見つかる。実は、一番に見つけた子が怪しいのだが、ここでは大人の対応をする。見つかってよかったと○○君をなだめる。この後の教室に戻ってからの対応で、今後、同じような事件が続くかどうかが決まる。
「〇〇君のくつが隠されていました。〇〇君、くつがなかったときにはどん
な気持ちでしたか」
〇〇君に気持ちを問う。当然、「悲しかったです」というような答えがかえってくる。さらにたたみかける。
「そうだよなぁ。自分のくつが隠されたらいやだなっていう人?」
ザッと手が挙がる。
「もしかして、このクラスにくつを隠した人がいたとしたら、そんな人と友
達になれるという人?」
だれ一人手を挙げない。当然である。さらに畳みかける。
「友達になれないという人?」
ザッと手が挙がる。
「先生も同じ気持ちです。くつを隠すということは大変なことなのです。と
てもいけないことなのです。前、先生が別の学校にいたときに、くつ隠しを
した人が見つかったことがあります。その時には、とても大変だったんです。家の人も呼ばれて、校長先生と、教頭先生と担任の先生とみんなで話し合いをして泣きながらスミマセンでしたって謝っていました。みんなにはそんなことになってもらいたくありません。これから、○年○組では、今日のようなことがないようにしましょう」
ここまで話して終了となる。もしくつを隠した子がその場にいたら、もう二度としないと思うであろう。犯人捜しをすることが教師の仕事ではない。これから同じようなことが起こらないようにすることが教師の仕事なのである。

※今回の対応はいくつもある対応の内の1つである。すべての事例に会う対応ではない。学年の違い、隠された子の立場や学級の子どもたちの環境によって対応の仕方を変化させなければならない。

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