10月1日【消費期限】

仕事がない。どうあがいても仕事がない。

今日も今日とて自動2連休だ。

そんなやっと秋を感じられる今日は生憎の台風で、家でじっとすることができない俺はGEOに行き映画を三本も借りたが借りたら満足したのでタバコを一杯吸っている。

小腹が減ったので冷蔵庫を覗くと、見事に何もない。最近まいちゃんが冷蔵庫を整理してくれているし、僕らはよく食べるから冷蔵庫スッカラカンは日常茶飯事。

思い返せば買った野菜もすこし余ると腐ったり、お肉は冷凍して忘れたり、でっけえアイスがあったり

ほんの一年前はなにも食わずにスケボーしてた化け物も、負債を抱えつつも人間になったのだ。

中高の友達はもう大半音信不通だし、大学にはほとんど友達のいなかった俺は思った。

「あいつら消費期限切れてないかな」

大好きな友達は確実に切れてない。SNSを覗けばヤバいスケートクリップを載せてるし、みんなそれなりにバカだから楽しそうに生きてるし、大体のやつは借金を返してない。生きている。

だけど、きっといつかスケートも音楽もやめて服飾もやめる。高い旧車はファミリーカーになる。

それと引き換えに今一緒に住んでる彼女と結婚したり、子供ができたり、ぼんやりとしてるくせに強い光を放つ幸せを手にしていくんだと思う。

だけど、仕事してる今も、友達とはなれた今もなんだか爆発しそうな衝動がたまに俺のなかにあったりして結局地元のスポットに舞い戻ったりする。

そんなやつが大半だったりする。

もう中三の頃のオーリーは賞味期限切れだ、俺はその何倍も飛んで回したりしてる。

そんな風に、なにも捨てられない俺たちはきっと人より面白い。

俺がヤフオクで落札したヴィンテージのダックジャケットみたいになるんだ。

仕事の穴も、汚れも、歴史がつまったクールな代物だぜ。

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