夏、海、お宝クエスト
2022/8/20に開催したTwitterのアンケート機能を使ったクエストをまとめたものです。
パ「あーあー、豪華客船だと思ったのになー」
ク「しかたないよ。財布すられたんだし」
私達が目指すのはストーンリーブから北上した所にある小島だ。それなのにモンスターに襲われ財布を盗られてしまったのだ!
そこで仕事の手伝いをするという約束で漁船に乗せてもらうことに。
ノ「パステル、これもらってきた」
ノルが持ってきたのはデッキブラシとバケツ。
シ「ぼくもお手伝いするデシ!」
ル「ルーミィもぉー!!」
クレイとトラップは釣りの手伝いを始めた。キットンは勝手に船内を探検中。三人と一匹で甲板掃除を始めた。
揺れる船の上で掃除をするのは想像以上に大変だ。
パ「うわぁー!!」
水いっぱいのバケツにけつまずいてしまった。
ト「海行くのに毛糸のパンツかよ!」
ひっくり返ったわたしを釣りしてたはずのトラップが引っ張り上げた。
パ「毛糸のパンツなんかはいてないでしょ!」
二人で言い合いをしていると……
ク「うわーーーーー!!」
見れば釣り竿が今にも折れそう。
みんなで手伝う。
なんと巨大な魚は船を引っ張っていく。
ク「これ、あきらめたほうがいいんじゃないですか?」
船長「だめだ!伝説の巨大魚だ!がんばれ!!」
キ「巨大魚って……もしかしてモンスターなんじゃ?」
キ「もう少し頑張ってみましょうよ!」
怖かったけど、頑張ることにした。クレイをノルが支え、そのノルを私達が支える。どれくらいそうしていただろう。船は大きく左右に揺れ、引っ張られたが、奮闘空しく糸は途中で切れてしまった……
みんな腰を下ろし、ため息をついた。
キ「謎の巨大魚とは何なんですか?」
船長「わからないから謎なんだろ!」
船員たちも腹を抱えて笑い出した。
パ「ねぇ、ところで、ここどこ?」
場所の確認をしなかった一行は目標の島からだいぶ遠ざかっていた。
船長に海図を見せ、島を目指してもらうよう頼んだ。
いつものトラップなら交渉もスムーズにいっただろう。しかし、船酔いで気分が悪い彼は、どうにも冴えない。困った!!
その時、また船が大きく揺れ始めた!!さっきの巨大魚が仕返しにきたのだ。
ク「よし、ここはみんないったん落ち着こう。深呼吸だ!」
リーダーらしくクレイが言う。
ト「あほ!んな悠長なことやってる場合かよ」
そのクレイの頭をトラップは叩き、マストをスルスル登っていった。
さっきまでの絶不調はどこ行ったんだ?
マストの上で周りを見渡していたトラップ。
ト「おい、船長!!あっちだ。あっちに船進められるか?」
彼の指さした先……そこには島があった。
ちょ、ちょっと待って!
海図を確かめてみる。
特徴のある岸壁の色……たしかにあれは目的の島!?
大急ぎで船を進ませる。すると、なぜか巨大魚はそれ以上追っては来なかった。
島の周りには奇妙な緑に光る柱が。
どうやらその光に怯えて、巨大魚は逃げていったらしい。
ク「あれは……」
キ「キクラゲ島ですね!」
興奮した口調のキットン。
シ「キクラゲデシか?」
緑に光る柱が林立する奇妙な島……
それがキクラゲ島だった。
その島にあるというシグマ草という植物を採ってくること。
漁船の船長さんには翌日の同じ時間に迎えに来てくれる。
シグマ草はすごく高価だから、お礼はいっぱいできるからって。
キ「キクラーゲンっていうモンスターが似たような形状なんですよ。島の名前の由来です」
その柱、近づくと、ふっと消えたが、すぐまた別の場所に現れる。
ク「げ、なんだ?」クレイがいきなり背後から羽交い締めにされた。
現れたばかりの柱から細長い腕が出ていた!
パ「いったん逃げて対策練ったほうがいいんじゃない?」
ト「んな場合かよ。全員で戦うぜっ!」いつになく熱苦しいトラップ。嫌な予感しかしない。
全員で戦うことにしたが、なんということだ。他の柱も全部襲いかかってきた!予感的中!
全員、いきなりのピンチ!
シ「ぼく、お手伝いするデシか?」
パ「そ、そうね。じゃぁ……」
どうしよう、この緑の……って熱いの平気っぽいし、まぶしいのデシがいいかな。
パ「わかった。まぶしいのデシをお願い!」
シ「がってんしょうちデシ!」
次の瞬間前が見えなくなるくらいの閃光が。
なんとなんと、緑の柱が固まった!
ト「今だ!!逃げろーー!!」
全員、全力で逃げた。
振り返ると、緑の柱は荒れ狂い始めていた。
グズグズしていたら、全員アウトだっただろう。
ぞぞぞーっと身震いした。
島の真ん中に小高い山があり、小さな滝も見えた。
森もあり、獣道も四方にあった。
滝といっても、ほんとにかわいらしいもので、日の光を反射して、輝いていた。
滝の下には小さな池があり、周りはこぢんまりした森。
パ「それで、シグマって植物、どんなものなの?」
キ「紫色のツル状の植物で、黄色い刺があるそうです」
なかなかグロテスク。
……と、滝の奥から声が聞こえた。
「いやぁー、誰かと思えば……おひさしぶりでやんすねぇ!」
滝の中から現れたのは、ちっちゃなイカ。
いや、イカクンテのくんちゃんだった!
ク「え?どうしたんだ、こんなところで」
イ「それ言うなら、旦那たちのほうこそ。ここはあっしらのなわばりでやんす」
早速シグマについて聞いてみた。
滝の下で見たとのこと。早速、クレイとトラップが潜ってみることに。しかし、待てど暮らせど、戻ってこない!!
どどどどどばばあぁぁぁーー!!!
泡と共に現れたのは山のように大きな……んー、なんだろ。魚人?いや、人ではない。顔は獣だ。うっすら青みがかった体で立派なたてがみのある獣の顔。だが、体は魚だった。
その体にビッシリと、紫色のツルが絡まっていた。毒々しく黄色い刺もあって、痛々しい。
そのモンスター(?)に続いて、クレイとトラップが戻ってきた。
ク「これだろ?シグマって」
キ「そうですそうです!!」
今、水の中で絡まっていたツタを取り除いてあげたらしい。
全員でそのツタを取り除く。
謎の魚獣は、うれしそうに「うぉーー」と吠えて、また池の中に沈んでいった。
イ「あれは、マァライヤンっていう奴でして。見かけのわりに気が弱い奴なんす。助けてもらって喜んでやしたよ!」
ト「こっちも目的のもん、ゲットできたし。ウィンウィンてやつだな!」
ル「ルーミィ、おなかぺっこぺこだおう!」
シ「ぼくもおなかすいたデシー!」
イ「じゃあ、ごちそうを用意するでやんす!!」
一同「わぁーーい!!」
というわけで。その夜は池のほとりで、キャンプをすることになった。
たき火を囲んで、久しぶりにクンちゃんとご飯。いつまでもなつかしい話は尽きないのだった。
END
イラスト協力(登場順です) 谷子さん、Snow peachさん、サピさん、セーラーさっとんさん、ぺけさん