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読書の日記(8/28-9/3)


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8月28日(月) 

駅に着いて本を開くと「なぜヒトだけが言語を持つのかという問いを考えていくとしよう」とあって、朝からこんなことを考えないといけないのか! と思いながら本を開くとグイグイ面白く、謎解きがクライマックスに向かっていくような興奮がすごい。対称性推論をするバイアスというのが肝のようでこれは「学習したことを逆方向の結びつきに過剰一般化するバイアス」で論理的には正しくない推論をナチュラルにしてしまうものということで、それは人間以外はほぼ持たない性質らしい。

ヒト以外の動物種では、ほんの少数の(グレーな)例外を除いて対称性推論は行わない(あえて行わないのか、行えないのかはわからない)。これらの観察できる事実からアブダクション推論を行うと次のような仮説が得られる。そう、対称性推論をごく自然にするバイアスがヒトにはあるが、動物にはそれがなく、そのことが、生物的な種として言語を持つか持たないかを決定づけている、という仮説である。
今井むつみ、秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(中央公論新社)p.234

つまり人間の推論のバイアスの不完全性こそが、言語を生んだということのようで、それは、すごい! と思ってだから興奮がすごい。どうなっちゃうの!? と思っていると初台で、降り、階段を上がり、通路を歩き、また階段を上がり、外に出、朝から暑い。

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