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読書の日記(3/6-12)

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3月6日(月) 

毎日忘れるのだが毎日明け方に鼻が詰まって喉の奥に痰があるような感じで息苦しくて目が覚めて花粉症だろうか。検索していると咳喘息についての説明で「咳、痰がからむ、などの症状に悩んでいませんか」というのが出てきて「しかも」と続く。「しかも、昼間は何でもないのに、寝がけ・朝方に咳がひどい場合には喘息が疑われます」。咳が出ているわけではないが僕は「昼間は何でもないのに。寝がけ・朝方に」鼻が詰まって喉の奥に痰があるような感じで息苦しくて目が覚める。毎朝面倒な気持ちにはなるのだけどなんせ「昼間は何でもない」から寝るころにはころっと忘れてなんの対処もせず、それで数時間後の「朝方に」そういう症状が現れて「ああそうだ」となることを繰り返している。
今朝もそうだった。それでいったん起きて水を飲んだりしてから寝て起きて働いて午後になって家を出て電車に乗ると『文學界』を開いた。滝口悠生特集。秋津を散歩するやつを読んでいたら「楽器」を読んでいるときの感触がまるまる蘇ったような瞬間があって、そのあとは窓目くんとの対談だった。

窓目 あの恋愛なしに今回の恋愛は語れないからね。
滝口 もともと大学時代に好きだったその女の子のことを何かしら書くべきだ、あの大恋愛をいつか総括すべきだとはみんな言ってたんだよ。
窓目 みんなって誰だよ。余計なお世話だよ(笑)。
滝口 たしかに十万字のラブレターは書いたわけだし、それで一度整理はついているのかもしれないけど、でも結局その後に相手と一度つき合うことになったんだよね。なんか成り行きみたいな感じで。それがみんなのなかで引っかかってるっていうか、消化不良のままなんだと思うんだよね。大学時代のあのすばらしい完璧な片思いが、卒業後のごく短い交際期間によってなんかちょっと半端なままになってしまったというか、おさまりがつかないみたいな感じが、われわれにはずっとあったわけだよ。
窓目 だから余計なお世話だけどね(笑)。
『文學界 2023年3月号』(文藝春秋)p.161

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