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読書の日記(4/3-9)

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4月3日(月) 

今日は鍼灸なので昼飯を食うと家を出て各停に乗って仕事をしながら移動していると父親とその子どもと思しきちびっこが乗ってきてちびっこが
なんか買うかわりにお話して。おばけの話して!
なんで人間は一人しかいないの
人間は知ってるやつばっかりでつまんない
妖怪は死なないのパパ〜
バンピリーナは死なないの妖怪だから
と続けざまに言って「なんで人間は一人しかいないの」はいいが、「妖怪は死なないのパパ〜」と「バンピリーナは死なないの妖怪だから」みたいな疑問文の表記は難しい問題だなと思う。聞いている分には疑問文だとわかるけれど文字になるとはてなマークがほしくなるが、「バンピリーナは死なないの妖怪だから?」ではイントネーションが変わってしまうし「バンピリーナは死なないの? 妖怪だから」だと本当はなかった間が生じてしまう。「バンピリーナは死なないの?妖怪だから」と詰めたらちょっとは詰まるかもしれないけれどやっぱり実際の発語のトーンとは変わってしまう。はてなマークをなくすと疑問というよりもちびっこが強弁しているように見える感じもする。妖怪だから死なないの! とにかくちびっこは死について気になっているところでそう書いてみるとぎょっとする感じがあるけれどそういえば子どものころって死という言葉がものすごく身近にあったなと思い出す、遊びでもゲームでも死という言葉は頻出していたというかその言葉を使わずには過ごせない年月だったとすら言える。あのときの僕らにとって、そしてバンピリーナの死を思うちびっこにとって、死とは何を指しているのだろうか。ともあれ問われた父は最初のうちは何か返さないといけない連絡でもあったのかちょっと待ってちょっと待ってと、止まらない子どもの言葉を適当にやり過ごして、それから「それはバンピリーナがどんな妖怪かによるんじゃない?」と応えた、息子は「あーそっか」と言ったあと「バンピリーナは吸血鬼に決まってるでしょ」と強い口調で付け加えた。

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