初観劇した話【hana ー1970、コザが燃えた日ー】
昨日、人生で初めて観劇した。
元々出不精な藤味氏なので、映画館もあまり行かない。でもここ数年は#フットワーク軽く行こうぜ2021、#経験豊富になりたい2022なので、行きたい舞台がある友達に着いていく形で観劇することになった。
約束を取り付けたあと、松山ケンイチだ!!えっまって岡山天音だ!!!!(推し俳優)となったのは別の話。
舞台『hana -1970、コザが燃えた日-』は、返還前の沖縄にあるとあるバーが舞台の物語だ。沖縄出身の友達に着いていく形なので、きっとモチベーションの形も大きさも違ったと思う。ただ、その日の出来事をWikipediaで調べたり、もともと大学の授業で沖縄について少し勉強したこと、そしてやっぱり推し俳優が生で見れる()という高揚感で劇場に入った。
私は感想を上手く語る仕事でないので、結論から言うと、難しい物語だった。
初舞台ってことで、舞台の雰囲気、シーン分けせず2時間近く演じ続ける役者のことも考えて、「舞台を楽しむ」ことはあっても「沖縄について」を深く感じる事は少なかったと思う。冒頭で既に目に涙を溜めた友達を見ながら、私は自分の生まれの土地にこんなに感情を持てないなとも思った。
でも不思議なことに、舞台が終わり、その後友達と遊び、舞台の終わりから時間が経てば経つほどに、濃くあの舞台の姿が心に浮かんでくるようになった。
きっと、あの時間は本当に私はバーhanaにいたのだ、と思った。
私はドラマも好きだし、小説も好きだし、映画も好きだ。沢山の好きな作品に出会えた。だけど、その映像が深く深く時間が経つほど残ることは珍しい。これが生という舞台の力なのかなあと思う。
場面転換は無く、キャストも統一し、時間もコザ騒動の前後の短い時間。シンプルな構成でも、キャスト陣がしっかりとした感情を持ちながら演じられているから、深みと奥行きを感じる。見えない過去の何十年が透けて見えた。
観ていた時は、演技や、演出や、構成や、照明や音声など、なんだか作り手の目線で楽しんだ瞬間も多かった。劇が終わった後、少し安堵したような、そんな顔で頭を下げた役者さん達とか、4回にも渡るカーテンコールとかも印象的だった。
でもやっぱり物語から受け取ったものは多くて、時間を掛けてゆっくりいれるコーヒーみたいに、何度も思い返して、新しく調べたりしちゃったりして、楽しめる作品だった。
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