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オリジナル小説 高所で会いましょう。#2

あれはまだワシらが幼い時だった。
ある日突然両親が家を出て行ったきり帰ってこなくなった。
それからというもの、ワシと妹は二人だけで生きていくことになった。
幸いにも働き手を失ったことで生活に困窮することはなかったが、それでも子供二人で生きるには厳しかった。
そんな中でも何とか今までやってこれたのは、妹の頑張りのおかげだろう。
妹はとても明るく元気な性格をしており、いつも笑顔を絶やさなかった。
そんな妹を見て育ったお陰もあって、ワシも前向きに生きていこうという気持ちになれたのだ。
そして、いつしかワシらも大人になり、仕事を持つようになった。そんなある日の事だ。
ワシの仕事の関係で、とある街を訪れた時のことじゃった。
街の大通りを歩いていると、不意に声をかけられた。
「すみません。この街の孤児院ってどこにあるのか分かりますかね?」
話しかけてきた男は優しげな雰囲気をまとっていたが、どこか胡散臭い感じがした。
その時はあまり気に留めなかったが、今思えばこの時から奴に目をつけられていたのかもしれんな。
孤児院の場所を聞かれたワシは正直に答えたが、何故かその男に連れていかれた場所は孤児院ではなく、娼館だった。
最初は意味がわからなかった。
どうして自分が連れていかれるのかも、これから何をされるかも分からず混乱していた。
だが、すぐに理解させられた。
男が自分にしてきた事を。
そこから先の記憶はほとんどない。
ただひたすらに恐怖に支配されていただけだったからだ。
目が覚めた時にはすでに日が落ちていて、窓から月明かりが差し込んでいた。
そして隣ではサーシャが泣いていた。
恐らくワシと同じ目に遭ったのであろう。
それからというもの、ワシとサーシャは二人で身を寄せ合って暮らした。
もう二度とあんな思いはしたくないと心に誓い、必死になって働いた。
だが、そんな努力も虚しく、また同じような目に遭わされることになってしまった。
そして再び同じ場所で目を覚ました時に、あの男の口から告げられた言葉は信じられないものであった。
『君たち二人は僕の妻として迎え入れることにした』
ふざけるなと思った。
誰が好き好んであんなおぞましい男の嫁になるものかと。
だが、そんなワシの考えとは裏腹に、体は勝手に動いていった。
そして、気がつけば見知らぬ土地へと連れて行かれ、知らない男たちに体を好き勝手弄ばれていた。
そんな地獄のような日々の中、救いの手を差し伸べてくれた人物がいた。
それが今のワシらの家族であるシスターじゃった。

ワシらを救ってくれた後、シスターはワシらに孤児院での暮らしを与えてくれて、さらには魔法の才能があると言って、魔法の使い方を教えてくれるように頼んでくれた。
ワシらは一刻も早くこの地獄から抜け出したいと思っていたため、すぐに了承した。
そればかりか、ワシらの願いを聞き入れ、奴隷商の元から引き取って、自分の娘のように育ててくれるとまで言ってきた。
本当に感謝してもしきれんほどの恩を受けた。
だからこそ、今度は自分たちが誰かの力になりたいと強く思った。
そして、その思いを胸に秘めながら、ワシは冒険者となった。

続く

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