![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43292518/rectangle_large_type_2_3e8549429ff051238cff7147ded9eebb.jpeg?width=800)
Photo by
yesyoshino
並んだプリン
「えっ、やだっ!」
冷蔵庫の一番上の段のプリンが、また一つ増えた。これで5個目だ。
またプリンを買ってきてしまった。
近頃、思わずプリンを買ってきてしまう。
思わずというか、どうしても。
プリンがあれば大丈夫な気がして、昨日買ったことを忘れてまた買ってしまうのだ。
きっともう、プリンを買うことはお守りみたいなもの。
今日も大丈夫なお守り。
あまく、なめらか。
そうして自分を甘やかしていないと、バランスが取れないの。
仕事がなんだか上手くいかないのも、久しぶりに会った彼氏がゲームばかりしているのも、それに文句が言えないのも、全部、私をずぶずぶと沈めていく。
すくわなきゃ。
このまま沈み続けて、窒息してしまう前に。
苦しさや辛さを埋めるために、自分で自分を甘やかす。
とろりと甘いプリンを買うと、少しだけ安心する。
あぁ、今日も私は癒される。
冷蔵庫の扉を開ける。
私はまた一つ、プリンを並べるーー
『カフェで読む物語』は、毎週土曜日更新です。
よかったら他のお話も読んでみてね!
次週もお楽しみに☕️
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?