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揺れる、髪先



子供の頃、私は1日のうちに何度も髪型を変えていた。

髪型を変えることは、気分転換だった。

きゅっと一つに結えれば、元気はつらつ。
ハーフアップは、少しお嬢さん気分。
全部下ろせば、大人っぽく。
三つ編み、編み込み、フィッシュボーン。
いろんなヘアアレンジを覚えていった。


「また、髪型変えたの!?」
友達からそう驚かれることもあった。

けれど、どうしてそんな風に言われるのか、私には疑問だった。
私にとってはあまりに自然なことで、何が驚きに繋がっているのか分からなかった。

髪型を変えることは自分の気分に自分の見た目を合わせることで、
同時にその時見られたい自分に自分を合わせることでもあった。
そういう意味では、他人より自意識が高かったのかもしれない。

だけど私は、今でもやっぱり、色んな自分になりたいと思う。
大人っぽくなりたいときもあるし、フェミニンな気分の時もあるし、カジュアルだったり、ボーイッシュだったり。
クローゼットは色々がいい。
その時々でバッチリ自分の気分にハマっている格好できて、「その気分」になりきるのは気持ちいい。そんな自分を見せびらかしながら歩く。
自意識でもあるし、自己満でもある。


反対にどんな自分にもなりたくないし、そんな労力は使いたくないし、テキトーに布を着ることもある。
それはそれでよくて、なりたい時になりたいものになる方法を知っていること、その選択の自由を持っていることが大事だと思う。

気合を入れるも入れぬも、それだって自分の自由である。


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