きっと_うまくいく

「きっと、うまくいく」~だいたい500字映画レビュー~


きっと、うまくいく
[2009年インド]
監督 ラージクマール・ヒラニ
脚本 ラージクマール・ヒラニ他
出演 アーミル・カーン、R・マドハヴァン、シャルマン・ジョシ他
時間 170分

何度見ても涙が出る

 インド映画と聞いて、「突然歌って踊り出すんでしょ?」「独特のノリについていけない」と言う人がいるかもしれない。だが、喜怒哀楽、娯楽のすべてを1つの作品に詰め込むインド映画には、計り知れない底力がある。世界的ヒット作が続々と生まれており、今、インド映画が熱いのだ。中でもこの作品は、自信をもってお勧めできる。

 名門の工科大学を舞台に、異議があれば学長が相手でも物申す頭脳明晰なランチョー、密かに動物写真家を夢見るファルハーン、極貧家庭で育ったラージューの3人組が様々な困難を乗り越えていく。同時に、10年後、行方不明になったランチョーを他の2人が探しに行くストーリーも進行。ギャグ、驚く展開、泣けるシーン、歌とダンス、あらゆる要素がつまった中身の濃い作品だ。

 全編を通して、競争社会でトップに立つために、自分らしさを押し込めていいのかと問題を投げかけている。3人組の友情にも注目。誰かがピンチのときは駆けつけ、ずっと側にいて励ます。親の敷いたレールを歩こうとするファルハーンに、夢を追えと叱咤激励する。自分のことを差し置いても友達を支えようとする姿は、何度見ても涙が出る。インド映画が苦手と言わずにぜひ観てほしい。

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