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性根は直るもんだろうか

今日は朝から推しの配信アーカイブをちょっとだけ見て、ちゃんと化粧をしてから家を出た。久しぶりに友達に会うからだ。

その子は子どもがいるので、その子の散歩をしながらおしゃべり、って感じになることが多い。今日はめちゃくちゃ自分で歩いていた。会う度に成長しててビビる。そして毎回可愛い。天使なの?

始めはちょっと警戒してて、だんだん笑顔でこちらを見るようになって、気付けば投げたボールを取りに行く係になっていた。君のボールならいくらでも拾う犬になるぞ……。ボールを指さしながらこちらを見て「おら、ボール取って来いよ」って顔されたって私は喜んで取りに行きますとも……君が笑顔になるから……

絵本だって何回でも読むよ……あんなに可愛いもう一回!をされたら私はほんとに……何度だって変な顔して読むよ……だって今日の私は休みで余裕があるから……

人の子どもと遊ぶのって良いとこ取りだな、って毎回思う。おむつ替えたりご飯食べさせたりは私はしなくてよくて、ただちょっと安全に気を付けて遊ぶだけなんだもの。可愛いを浴びに行くだけ。体力はちょっと使うけど……

友人がどんどん母になっていって、すごいな、と思う。それと同時に私に無いものをたくさん見せられている気がしてたまに息が止まるけど、それは各々の選択なのでまぁ……。

母としての話を聞くと、私にはとても抱えられそうになくて、ほんとに、愛がないと出来ない事ばかりだよなぁと思う。愛無しに、事務的に、自分の思う通りに絶対できないことだ。「仕事で疲れてるから黙ってて」なんて出来ないもんなぁ……

今の生活だけでいっぱいいっぱいなのに、これ以上人に愛を分けることが出来る気がしない。愛を貰う事には貪欲なのに、愛を与えることがあまりにも苦手。そして波がある。

なれば出来るもんだよ、と言われるけど、出来ない人もこの世界にはいるわけで、私は圧倒的にそちら側の人間になるリスクがあるな、と思ってしまう。私は性根が腐っているので。

ああ楽しかったな、なんて思って「今日はありがとう~」と友人にLINEをしたら、友人から私とその子の写真が送られてきた。

そこで、私は自分のカメラロールにその子と友達の写真が一枚も無いことに気付く。こういうところなんだよなぁ……と思いながら、私は美味しい飲み物を買って帰ってきた。そして、一人の部屋でアーカイブの続きと録画を視聴してぎゃはぎゃは笑った。とても満ちた時間だった。

外で友達と子どもと会って楽しいと思っていた私は私だったのだろうか、とちょっとだけ疑問に思う。多重構造の私の一部であったことは確かなのだが。


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