誰でもアンサンブル

今日は年齢レベル楽器不問のアンサンブル講座イベントの講師。


こんなもの成立するのか、と思うが、結局のところ大切にしたい音楽の根幹を考えると、初心者向けの講座も指導者向けの講座も、伝えたいメッセージは同じことになってくる。

今日集まってくださったメンバーは、バイオリン歴数年の子どもさん、親御さん、ピアノ受講歴数年の大人の方、趣味で長年嗜んでいらっしゃる方、声楽の方、管楽器経験者、、などバラバラ。

こういった講座は、用意していた内容を実施しようとしても、メンバーが変われば内容も変わってくる。もはや講座そのものが、即興のアンサンブルのような要素がある。

こうなってきたとき、大切なのは知識の伝達以上に、体感の体験だと思う。感じることというのは、レベルが関係ない。さらに、相手が変わると感じることも変わる。今しか味わえないものを体感することの大切さ。そのこと自体が、アンサンブルの学びであり、貴重な機会だといつも思っている。

今日は子どもさんの付き添いでいらしてくださったお父様がいた。雰囲気的に、なんだか音楽的な感性をお持ちな感じがしたので、お子さんと一緒に沢山ステージにあがってもらって、アンサンブル実験のお手伝いをしてもらった。ピアノは、未経験者であっても鍵盤を押せば音が鳴るという意味で、他の楽器より簡単ともいえる。そのお父様、ちょっとした言葉がけだけなのに、相手の空気を読み取って音を奏でようとされていて、素晴らしかった。アンサンブル能力とは、指が速く動くとか、そういったこととは関係ないんだなと、あらためて感じた。

察する力。

思いやる力。

相手の立場に立つ想像力。

自分の形を変えることが出来る余裕。

音楽に限らず、アンサンブル能力は生きていく上で必要な能力であり、得する能力だと思う。私は音楽よりも人生のアンサンブル能力がまだまだ苦手だが笑、誰かと一緒に生きているということを、もっともっと喜びをもって感謝して日々過ごしたいなと、今日のアンサンブル講座を通して感じた。シンプルなんだけどな。とても大切だと、日々思う。毎日誰かとアンサンブルしながら生きているんだなと。



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