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孤独な空

海を想う青空は
様変わりした街の風景に
無頓着だった
そうして
海を見つめて胸を焦がし
小鳥のさえずりに
想いを重ねた

冬の訪れを知らせに来たムクドリ
いつもより活気のない街の様子に驚いて
羽をパタパタさせた

いったいどうなっているんだ?
ムクドリは
防波堤にひとり佇む老人に声をかけた

「長いこと人びとは、目に見えぬ敵と格闘しているのじゃ。」

古くからこの街に住む長老は
過ぎ去った時の残像をスクリーンに映した


「雨が降ろうが槍が降ろうが
現実は
ただそこに存在している。
それを正義だの悪だの、悲劇だ!もはや喜劇!
とジャッチしたところで、
何処吹く風の如くなのじゃ。」


星の数ほど
喜怒哀楽の声を聴いてきた青空
その涙を掬う海


孤独な空を
包み込む海原は
太陽に照らされ
切なくも美しい輝きを
放っていた

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